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終幕

馬の蹄がなだれ込み、それに続いて犬の群。これでもかと、言うほどに。

「うざっ」

これが、人の本音だろうか。

「………へくっし。」


「帰るか。」


「かえりてえーさみい」

ブツブツ呟きながら、歩いてくる、数人の下忍。

下忍てのは一番下の奴ら。

上忍中忍下忍と言うのが忍者の階級。

お頭が武士で言う将軍様。

ただ、月影乱が始まって、武士も忍びも入り交じり、呼び方は統一されてなかった。

「いいたかねえけど、完全な不意打ちじゃねーか」


「でも、休戦宣言してたわけじゃないんだろ?冬っての言い訳に、どっちも動かなかったっだけって聞いたけど」


「あーあ、そりゃ、お上様に聞いてくれ。俺らには仕事しなさい。としか連絡来てねえもん」


「でもさあ、こんだけ沢山押し寄せたら、僕らいらないよー」


「そこは、武士のあかさたな」


「あさはかさ」


「あかはさたな」


「あ、さ、は、か、さ、」


「そうその。さはかたな」

「いや…あってないし」


「どうでも良いけど…いねーな…やつら」

これだけ騒いでいるのに、周りは火が踊るだけ。

不気味と言うか、流石にへんな違和感が下忍達の足を止めた。

炎が散る以外、犬が動く以外に、誰もいないかのような、静寂。叫び声の一つも殺気も無い。

「まさか、幻覚じゃあるまいし」

下忍の一人があたりを見回し言った。

「わらわせんな、この熱さホンモンだよ」

「そうだよな。あっはっはっは」

バキイ…っ下忍1が前のめりに倒れた。

「げっ!?白夜の…」

がすっ!ドカッ。

バコぉ…ン!!下忍達を殴り飛ばし、肩で息をするのは、難いのいい僧であった。

「桐生。」


「九十九様。このもの達いかがなさいます」

桐生と呼ばれた僧は、棍棒を右手に持ち直し振り返る。

のびた青葉下忍を見渡して、少し頭を捻ると、九十九は、苦笑する。

「放っておけ。」

九十九はそう言って、風呂敷袋を背負い直す。

「儂等は、逃げるんじゃよ。桐生。」


「お頭様は何を考えているのです?戦うな逃げろとは??」


「逃げれば分かるじゃろう…」


「でも、どこへ…森は燃え、赤間、白清山荒野…全て落とされたのでしょう??我々が陣を張ろうとしていた、場所は全て焼き尽くされた。まるで計らられたように」

九十九は燃え行く白夜を見渡し、苦笑した。雪が音を立てて炎に消える。

「なに…東阿にて戦準備は出来ている。烏主の連絡さえ入ればこちらも動ける。」

桐生は訝しげに眉を潜めたが、九十九老人に軽く頭を下げた。

「分かりました。特殊保護観察忍の五人も揃いましたし、儂はは刀集めに専念しましょう。」

燃える今昔森に入る前、九十九老人と桐生の会話を聞いた者はいなかった。

謎めいた会話を闇に落とし、2人が消えた後。

数多くの思い出を焼き払い、炎の海が猫ヶ町を呑み込んだ。

春の変わりに訪れた灼熱の紅い波は、雪降る日に黒煙舞上げて空を染める。



ここは、はるの来ない里。


痛みばかりの増える優しさのない世界。










え…消化し切れてない部分が沢山ある??と、とりあえず、読んで下さってありがとうございます。疑問難問理解不能な表現誤字乱文目に余る点は数多くありますが、ご容赦下さい。九月アクセス数上位に入ってるなんて、作者も予想不可。閲覧者様には頭も上がりません。本当にありがとうございます。この場を借りて、感謝いたします(涙)作品について白夜物語と言うのが本題名で、ここでは敢えて、「春の来ない里」と柔らかくしてみました。やってる内容は余り変わらないんですが、何度も書き直しているので、構成も主役目線もバラバラ作品として載せてしまうには些か乱暴な作りだったと思います。キャラクターも変わってません。(苦笑)なにが書きたかったかと言えば、締めに書いた通り、「優しさ(春)を知らない人々の不器用ながら理解していく瞬間」をと数年かけて書いてはみるのですが…まあ、デキはあまり良くないと…無理矢理完結させてしまいましたが、機会があれば、続き短編書いてみようかなとは思います。長々後書き失礼します。最後に前文で述べた通り、閲覧者様には感謝感激雨嵐…。できれば感想欲しいなとも思いますが…。これにて!

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