表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

【プロットタイプ】俺に下さい

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

恋じゃないんですよ。敬なんですよ。

――生まれてから病弱だったせいか、周りにいた家族達が甲斐甲斐しく世話を焼いていた。

――其れをウザったいやら、面倒やらと思った事は無い。けれどもだからこそ、誰に凭れずに生きていける奴を人一倍、羨ましく思う。故に執筆という趣味に益々倒錯するのもその一つで。

――生涯、俺の頭を埋め尽くすのは執筆で、其れに取って代わるものは無い。其れは友人であっても恋人であっても言える事。

――故に生涯誰かを恋する意味で好きになる事はきっとない。しかしあえて好みを上げるならば、俺の世話を甲斐甲斐しく見るような奴ではなく、俺が居なくても生きていける奴だと思う。


結婚前の挨拶に訪れると、嫁となる女と瓜二つな母が俺を出迎えてくれた。

出会った時からハイテンション。此方の言葉さえ奪って話をする様は、根っからの話好きなのだと察した。逆に隣に立つ無骨で目付きの鋭い男は、ただ寡黙に此方の様子を伺っている。

「ねぇねぇねぇ!! 瑠衣たん!!」

「その前に部屋に上げてやれよ」

井戸端会議を開始する前に、無骨な旦那は嫁に釘を刺す。すると悪びれる事のない謝罪を飛ばして、俺を部屋の中へと招き入れてくれた。

旦那の振り向き様に俺と目が合う。目付き自体は鋭く、相手を威圧する様な空気があるが、僅かに気遣いを感じさせる。どうやら思っていた以上に歓迎されていたようだ。

「出会いは何処なのー!! やっぱ高校!! 高校だよねー!!」

「何処デート行ったのー!!」

「ねぇねぇねぇ!! キョーカの何処を好きになったのー!!」

「おい……せめて、一つづつ投げ掛けろよ……」

「それ本人がいる前で聞くの?」

リビングに案内され、四人がけのテーブルに着くなり、鏡花の母の言葉が弾丸の様に浴びせ掛けられる。此方が動揺しているのを感じ取ったのか、旦那と鏡花が止めに入る。それでも興奮が抑えられないのか、隣に座る旦那の体を平手で何度も叩いていた。

いくら母の生き写しで、性格も似ているとは言え、流石の鏡花も止める側に回っている。

「じゃあじゃあじゃあ!! キョーカの好きなところー!! パピーもキョーカも盛り上がる奴ー!!」

「強いところ……っすかね」

思っていた以上に、すんなりと言葉に出た。時が止まる。母の真っ赤になった表情も、旦那の鋭い目付きも、鏡花が唖然とする様も、全てそこから動かなくなる。

見掛けは母の生き写し。顔立ちも、声も、性格も。赤が似合って、奇抜で、何処かネジが外れている。激しく躍動する血のように生命力溢れた存在。

けれども其れは、なけなしの全てを使って吐き出された人格の一つに過ぎない。本当の人格など何処にもない。全て自分の駒に食わせてしまったから。だから本当は何も無い。空蝉でしかない。それでも。

「強いんですよ。問題に直面しても、自分で考えて立ち向かう。それでも駄目なら少しだけ相手の手を借りる。絶対に丸投げしないんですよ。依存しないんですよ。

俺は病弱です。きっと鏡花よりも早く亡くなると思います。でも、鏡花なら俺が居なくても大丈夫だと思うんです。一人でやってけると思うんです」

彼奴は『中身は死んだも同然』と言っていた。死の恐怖に立ち向かうのは、相応な恐怖がある事は、俺も身をもって知っている。でもそれさえ超えた奴だからこそ。同じように受け入れたからこそ。

「鏡花を俺に下さい」

今の今まで見て頂いた通り(最終回じゃないよ?)、鏡花は脆さを見せる事はあります。でも依存しないんですよ。

創作において、常に自分が上にあって、相手が下にあるんです。

『助けて下さい……』じゃなくて、『お前今から利用するから。ヨロ』なんですよ。

断っても聞く耳持ちません。何処までも我を通します。

そして『死んでいる』と称する程に、自分をぶっ壊しても、振り切って何かに打ち込む強さ。


他者を利用してでも我を通す傲慢性。

死に様をこの身に刻んでも目的を諦めないこの強さ。

これこそが瑠衣が惚れたところ。というか、敬ったところ。


瑠衣は生まれた時から病弱です。

だから頼らざるを得ない事も多かったと思います。

それ故に『依存しない人間』を選ぶのは最もかと。

憧れなんですよ。瑠衣にとって一人で生きていける人間っていうのは。


だから生涯、女にも男にも恋する事は無いけれど、あえて好きなタイプ(人間)を上げるなら、こういう人間だよ。

って話。

やっぱり足掻く人間が大好き。なりふり構わず必死な人間が大好き。


キョーカの両親の話もあるんですよ。

かーちゃん、認めた人には尽くす側なんですよ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ