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第22話 ゴールデンウィーク


――5月1日 朝――

――晴天せいてん女子高等学校 3年3組教室――


今日もまじめに学校だ。


世間では『今年のゴールデンウィークは5月1日と5月2日の平日2日間を休めば、最大で9連休!』と言われている。平日を2日間も休んでなにが大型連休であろうか。違和感を感じるのは私だけか?


てか、実際に5月1日と2日を休んで9連休にするような猛者もさは存在しないよね? まさかね?


少なくとも私のゴールデンウィークは5月3日〜7日までの5連休である。


GWゴールデンウィーク、私とご主人様は『5月4日と5日の2日間』で『晴町はれまちダンジョン』を攻略する予定だ。


第01階層から第10階層まで移動するにはどうやっても1日では足りない。どこかの階層で一泊する必要がある。一泊だけなら土日使えばクリア可能なのだが、初めての挑戦ということもあり、保険として(宿泊日数が増えてもいい)大型連休に挑むことにしたのである。


「ステータス」と私が唱えると、目の前にステータスボードが出現する。



―――――ステータス―――――

探索ネーム≫イヌヤマ ツカサ

探索ジョブ≫忠犬

Lv.28(1up↑) LP ―/―

現在地≫晴天女子高等学校


―――――ジョブスキル―――――

◇主従契約《発動》

 主従契約を行う。他者を主人と定める。

 主人【星熊ヤクモ】


◆忠義ノ者《常時》

 主人の命令を断れない。

 主人が死亡した場合、自分も死亡する。


◆忠犬ハ死ナズ《常時》

 主人生存中【不死】を得る。


◆主従丿絆《常時》

 主人と『絆』するほど全ての補正値が上昇する。

 絆がマイナスになるとマイナス補正される。

 絆ポイント【2850】


◆従者特権《常時》

 主人のJSジョブスキルを3つまでコピーして使用できる。

 スキル【ミラクル物語】【なし】【なし】


―――――サブスキル―――――

【加速】【蹴力】【投擲】【忍耐】

【逆境】【痛覚耐性】

――――――――――



現在の私のレベルは『28』である。第10階層にいるボスモンスターの討伐推奨レベルは20なので大きく上回っている。負ける要素はない。しかし、第10階層までのカンストである『レベル30』までは上げておきたかったというのが本音である。


ダンジョンには【レベルキャップ】が存在する。階層によってレベル上げに上限があるのだ。そしてレベルが上限まで上がってしまうと、その階層ではそれ以上まったくレベルが上がらなくなる。


第01階層〜第10階層 →レベル上限30

第11階層〜第20階層 →レベル上限50

第21階層〜第30階層 →レベル上限70

第31階層〜第40階層 →レベル上限80

第41階層〜第50階層 →レベル上限90

第51階層〜 →レベル上限?


この制限のせいで『第01階層でひたすらザコを倒し続けて気づくと最強でした!』というお決まりが封じられているのである。


私は窮屈きゅうくつなバランス調整に思えてしまうので、レベルキャップ(物語の進行でレベル上限が開放される)タイプのRPGはあまり好きではない。レベルをめっちゃ上げてボスをボコボコにする自由も選択させて欲しい。


話がそれたが、なぜレベル30まで上げておきたいのかというと、単純な身体能力補正もあるが、一番の理由は『レベル30』で『ジョブスキル』を覚える可能性が高いからである。


私が覚えた新スキル、


―――――ジョブスキル―――――

◆従者特権《常時》

 主人のJSジョブスキルを3つまでコピーして使用できる。

 スキル【ミラクル物語】【なし】【なし】

――――――――――


は、ご主人様が強力なスキルを覚えるほど強くなる。


現状、ご主人様のスキルは間違いなく最強である。『魔法少女変身』や『マジカル使イ魔』は文句なしのぶっ壊れだ。


だが、それらのジョブスキルはコピーできなかったのである。コピーしようとしたら『対象外のスキルです』とわざわざメッセージまで流れたのだ。なんで? 強すぎるってことか?


仕方ないのでご主人様の新スキル、


―――――ジョブスキル―――――

◆ミラクル物語《常時》

 レアドロップのドロップ率が大幅に上がる。

 狂敵、イベントキューブの出現率が上がる。

――――――――――


をとりあえずコピーして装備している。


まあコレもかなり壊れスキル感あるけどね。私としては戦闘力の上がるスキルが欲しいのである。


ご主人様、がんばってなんか強いの覚えてくれー!


「おはよ〜、ツカサさん」


「あ、おはよー。ワキさん」


私がご主人様のスキルゲットを祈っていると、親友であるワキさんがやってきた。


脇ノ浦(わきのうら)カナデ。紆余曲折うよきょくせつあって(第11話参照)私の親友に認定された女の子である。身長も何もかんもデカいのが特徴だ。


「そうだツカサさん、昨日動画見たよ〜。探索者があんなに大変な仕事だとは知らなかった〜」


ワキさんが私達の動画を見てくれたらしい。


「ゴブリンをバッタバッタと斬り倒すツカサさん、めっちゃカッコよかった〜。危うくれちゃうところだったよ〜」


危なっ! 私の魅力が強すぎたっ!?


ひとりの乙女をアブノーマルの道へいざなうとこだった!

自重しろ私の魅力!! 自重だ!!


「えへへ、ありがとう。あの動画ご主人様がカッコよすぎて私なんか誰の視界にも入らないと思ってたよ。なんかちっこいのがウロチョロしてるなって」


私にも意識を割いてくれるなんてさすが親友である。


「ええ~! そんなことないよ! ツカサさん……カッコよかった」


なんか真剣に言ってくれるワキさん。そうか、そんなにカッコよかったか。私カッコよかったか。私カッコよかったか!


「ありがとうね。えへへ」


「ふふふ〜」


ワキさんによると昨日アップした動画はかなりの高評価をいただいているらしい。有名探索者がSNSで宣伝したことで一気に広まり、動画の再生数はうなぎ登り。現在は100万再生を突破しているとか。


ほえー。広告収入何円貰えんの?


「ツカサさんの〜血がびゅって出て〜! ヤクモさんがその時に〜! そんでそんで〜! バッ! バッ! って〜! ひゃ~~って! 危な〜〜い!」


ワキさんが動画の解説をしながら詳しい感想を言ってくれた。大絶賛だった。私もかなりめられたが、ご主人様をめてくれたのも嬉しかった。


「あれはね、ご主人様が後ろに回ったからー! ひゅって! せいって!」


「なるほどね~! ばばば……ってコト? ひゃ~!」


「そうそう、ぴゃーって感じ!」


……

………


キーン、コーン、カーン、コーン、


チャイムが鳴った。


ワキさんが最後に「掲示板的なモノは絶対・・見ないようにね〜」と助言をくれて感想会はお開きになった。朝から非常に楽しかった。


それにしてもなんだ? 掲示板を見てはいけない?


なんだろなー? 悪口でも書かれてるのかな? どうせ『ちっこい』とか『背が低い』とか、そういうことが書かれているのだと思うけど。有名人はツラいねー。言いたいやつはいくらでも言えば良いと思う。私はそんなにネットをチェックしないからなー。無敵なのだ。ハッハッハ。


でも……まさか、『この中学生なに?』とか中学生あつかいはされてないよね? さすがにね? いくらネット民でも私が高校生ってくらいは分かるよね? 中学生はないよね? この世には冗談でも言ってはいけないラインってあるからね? まさかね?


そういえば、さきほどから気になっているコトがあったのだ。私はワキさんが自分の席に戻ろうとするのを呼び止めてたずねた。


「ワキさん、そういえばさー。今日ってなんか人少なくない?」


なんか、今日は生徒の数が少ない気がするのだ。

どう見てもいつもの半分くらいしかいない。


「うん、だって〜。ゴールデンウィークだから」


ワキさんがさも当然と答えた。


なんてこった。


まさか。


我が校は9連休の猛者がたくさんいたようだ。


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