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報告

すみません、短いです。

「それでヒッポは無事合格でそのまま首都に住むんだな。」


「はい、こちらに置いてある荷物は好きにして構わないそうです。」


 ヒッポからの報告を読み上げる部下を見ながらエレファはしばらく屋敷からいなくなる息子を思い憂鬱になっていた。

 ヒッポも成長期な為、この屋敷においている衣類などはもう帰ってくる頃には使い物にならないと考えたのだろう。

 暗に捨てといてと言ったのである。

 ただ、そうなると一つ問題が生じてしまう。


「誰か……いや、屋敷の大半の独身の女共はヒッポの聖衣物を求めて争うな。」


「まぁ、確実やらかす馬鹿どもは幾らでもいますね。」


 世界屈指の私兵団を持つナイティー家抜いて唯一の欠点は実力以外兵士や騎士に求めるものは無いという点である。

 だから、自然と他の貴族などで性格に難ありと爪弾きされた連中が集まってくる上にそういう奴らに限って優秀なのである。

 天は二物を与えずというが、ニ物を与えた結果、捨てたらダメな一物を捨てられた者たちだらけである。


「ヒッポ様も分かってらっしゃるのにこういう事なさるのですよね。」


「そこもまた可愛いところなんだがな。」


 親馬鹿な表情を浮かべるエレファを部下は冷ややかな目で見ていた。

 ヒッポに魅了されて度々問題行動を帳消しにしている事を部下は、いや、部下達は皆知っている。

 そして、仕方がないと諦めている。

 騎士家系産まれが多い部下達の好みもヒッポがドストライクである。

 何度脳を破壊される行為をされて来たか分かったことではない。

 体格に見合わない小悪魔気質と真正面から勝ちにいくところから来る煽り力によって皆は最低一回は理性を破壊されてはヒッポを襲おうとしてしまっている。

 その先に待っているのはエレファ達による制裁である事も理解しているが、目の前に置かれたご馳走様に飛び付かずには行かなかった。


「学園で襲われたりしないかと心配になります。」


「そんな事になれば国と戦争になっても学園を潰すぞ。」


 この目は本気である。

 100%息子の因果応報であってもこの馬鹿母は長年仕えてきた国に喧嘩を売る気満々だった。

 この人はヒッポが結婚したらどうするつもりなのかと疑問に思ってしまった。


「ヒッポ様がもし学園で良縁に恵まれて相手がご挨拶に来ても殺さないでくださいね。」


「………ハッ!ハッ!ハッ!するわけないだろう!そんな事!」


 部下の発言に大笑いしながらエレファは否定した。

 流石にそんな事をしないかと安心すると共に昔から見て知っているヒッポが相手を連れくるなんて考えただけで寂しくなるなと自分の心は狭いと恥ていた。


「簡単に殺す訳ないだろう。」


「あっ、そっちですか。」


 この人はヒッポの相手に地獄を見せるつもりだ。

 多分、一族総出でヒッポに手を出したことを後悔させるつもりなのだと確信した。

 特にヒッポが望むなら近親相姦でもドンドン来いな。あの姉妹や従姉妹はそれは全身全霊をかけてやりにくると確信していた。


「そんな悲しい想像させないで……思わずまだ見ぬ泥棒を殺しそうになるわ。」


「学園生徒全員を殺そうとしないでください。」


 この人はヒッポの良縁を徹底的に潰すつもりである。

 長期休暇に友人(学園生である限り女性は確定)を連れて帰るだけでもどうなるのか想像容易い。

 それはヒッポも分かっているだろう。

 必ず面白がって連れてくるのは確定である。

 今のうちから大工に修繕の依頼を予約しておこうと優秀な部下はヒッポの部屋に向かいながら予定を立てていた。

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