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なんだこれ劇場  作者: 鰤金団
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39 昔話?

 昔々、ある所でお爺さんとお婆さんが脱いでいました。

 二人はスッキリした様子で天日干し中。

 カァーカァーとカラスが一羽、木の枝に止まって鳴きました。

 すると、一羽、また一羽と、カラスがどんどん集まってきました。

 二人は、怖いなぁ、怖いなぁ。っと思っていると、カラス達はお爺さんとお婆さんの脱ぎたてを咥えて飛び去って行きました。

 カラスは光物に目が無いと言いますが、このカラス達は枯れ専だったようです。

「待てー。返せー」

 天日干し中の自分達を持ってかれたぴっちぴちの二人は、大慌てで追いかけました。

 道中、空を見上げ、指差す人々の声が。

「鳥だっ!!」

「人だっ!!」

「天狗だっ!!」

 好き放題でした。

 このままでは、取り戻しても外には出られなくなりそうだ。そう思った二人は、決意しました。

 傷を恐れ、戦う事を恐れていた二人ですが、守るもの(自分達)のために武器を手に取りました。

 とは言っても、そこらに転がる石ですが。

 当然ながら、二人の年寄りの力で届くはずがありません。それどころか、走りながら投げるものだから、足元がお留守になって、落ちた石に躓く始末。

 遠ざかっていくカラス達。

 二人は、悔し涙を流すのでした。



 あれから意気消沈し、過ごす二人。

 風の噂で、気味の悪いカラスの巣があると知った二人は、急いでその場所へと向かいました。

 向かった先では、気味が悪くても娯楽だとばかりに、飢えた暇人達が集まっていました。

 そこに目を付けた商人が、これまた気味の悪い人型焼きなるお菓子を売り捌いていました。

 これは困ったと二人。こんなに人が多くては、取り戻す事なんて出来ません。

 その時です。

「そこのお若い二人。人型焼きを食わんかね?」

 お若いと言われても、近くにそのような二人は居ません。変に思っていると、また声が。

「だから、あんた達だよ。食わんかね?」

 どうやら、自分達だと気付く二人。ぴっちりした肌になり、実年齢よりも遥かに若く見られるようになったようだと気付いた二人。

 若く見られた事を喜び、二人は人型焼きを食べつつ、家路に着きました。

 めでたしめでたし?

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