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なんだこれ劇場  作者: 鰤金団
144/166

138 光源大戦

「くらえ、百万ワットマイクロミリパーセントッ!!」

 俺のおでこから放たれた超強力な発光エネルギーが宿敵へと向かう。

「ふっ、馬鹿め。俺にはこれがある!!」

 不敵な笑みと共に宿敵が取り出したのは手鏡。しかも、宿敵のおでこの幅にジャストフィットなカスタム品。

 手鏡に反射され、発光エネルギーが俺に向かって跳ね返ってきた。

「それで勝ったと思うなよ。俺のおでこの出力を上げるぜ。ギガワットテラヘルツパワー!!」

「ぬふう。持ってくれよ、ハンドレット社製のカスタムハンドミラーよ」

 ハンドレット社。それは俗に言う百均ショップを手広く経営している大元だった。全てをs百円で売っているという恐ろしい企業努力の会社だ。

「凄いぜ、百均。俺も今度買いに行こう。で、それはいくらなんだ?」

「決まっているだろう。百円だよ」

「買ったぁぁぁぁ!!」



「という展開を絵で描いてみただけどどう? 担当」

 とあるファミレスにて、読み終わった担当に私は意見を求めた。

「いや、あのさぁ……。岩清水先生さぁ……」

「さぁ、言ってくれ」

「被せなくて良いからさぁ。で、そもそも百万ワットなんちゃらパーセントって何? エネルギーの単位じゃないじゃない。割合じゃない」

「そこは語感と雰囲気で」

「これじゃあなんだこれって全方位から突っ込まれて穴ぼこになるよ?」

「そこで手鏡の出番」

「いやさぁ、唐突だしさぁ。それにさぁ、どんだけ高性能な安ものなの、これさぁ? しかも説明の所で自分でカスタム品って言ってる上に値段も絶対にそうだって言ってるのにさぁ、なんで値段聞いてるの?」

「驚きの技術力と企業努力を誇張したかったんで」

「えっと、これ、バトル漫画だよね? なんで宣伝漫画みたいにしてるの?」

「重箱の隅を突く奴にはこれだっ!! ライト懐中単三式をくらえっ」

 ドデカ懐中電灯を取り出し、顔を下から照らした後、担当に向けた。

「馬鹿め。シャッとサングラス」

 素早く懐からサングラスを取り出し、急な光からお眼目を守る担当。

「やるじゃない、担当」

「何年やってると思ってるんだ、先生」

 私達は互いの顔を見て不敵に笑い合った。

「あの~、お客様。店内ではお静かにお願いします」

 何時の間にか居た店員さんに叱られてしまった。

 決まづくなり、私達はファミレスを出た。

「それではまた来週、打ち合わせで」

「分かりました。それで、今回の話は?」

「シャッとサングラス」

 あ、ボツでした。

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