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なんだこれ劇場  作者: 鰤金団
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134 授業参観

 今日は魚の水小学校の授業参観にやって来ました。

 では、三年三組の様子を覗いてみましょう。

「はい、それじゃあ次は岩清水さん。お願いします」

 おやおや、岩清水さんが立ち上がり、紙を持ちましたね。

 どうやらこの教室では作文を読むみたいです。

「私の家族。三年二組 岩清水いわしみず 実子みこ

 家族についてを実子ちゃんは書いたようですね。どのようなご家族なのでしょう?

「私の母上と父上は、ずっと昔から続いている由緒正しいけれど、決して人に誇る事の無いお仕事をしています。母上のご先祖様は忍者だったそうです。闇に隠れて悪い人達を倒したり、仕えていた主君のために有意義な情報を得たりしていたそうです。父上のご先祖様は、巫女の家系だったそうです。昔は、悪霊、怨霊に憑りつかれた人達を祈祷して助けていたと言います。そんな二人のご先祖様が出会い、魔を祓う忍びとしての新しい家業を始めたのが今から三百年前だそうです。悩み多き現代。私の母上と父上は三百年前のご先祖様の意志を継ぎ、闇に潜み闇に生きる魑魅魍魎に安息を与えぬ日々を過ごしています。とても立派な職業だと思うので、私も後を継ぎたいと思っています」

 岩清水さんのご家族はとっても特殊な職業に就いているみたいですね。

「はい、大変良く出来ました。凄いですね。何時か、もっとお話を聞いてみたいですね」

 先生の一言コメントも出て、次の人に行こうとしたその時です。

「愚かな。何時まで先生に成りすましているつもりだ? ここまで言ってまだ下級の振りをするつもりか?」

 口調が変わった岩清水さん。彼女は何を言っているのでしょう?

「ふははは、馬鹿め。状況をよく見ろ。ここにはお前達が大事にしている無能な人間が押し込められているのだぞ」

 先生は人が変わったようです。大丈夫なのでしょうか、このクラス。

「やはり下級か。周りをよく見て見ろ」

「何!?」

 教室に居た生徒や大人達が次々に人の形をした紙に変わっていきました。

「お前の目を欺くため、大仕事だったぞ。今、この学校に居るのは私達家族とお前だけだ」

「ぬうっ。これでは分が悪い。先生は早退させてもらう」

 そう言って教室出ようとする先生。ですが、扉を開け、出ようとするとスプリングの利いたベッドに飛び込んで弾んだ時のように跳ね返されました。

「こ、これは!?」

「だから下級と言ったのだ。学校中を依り代にしただけだと思っていたのか。この教室は結界で囲い済みだ」

「お、おのれぇぇぇ。私の無謀が命を救うと信じて!!」

 内きり漫画の最終回のような台詞と共に、黒い影が先生の口から飛び出してきました。

 それを岩清水ご一家が即悪斬と攻撃。

 よく分かりませんが、これで一安心のようです。おや、岩清水さんは自分の席に戻りましたね。

「家族三人で、頑張ってご近所を守っていきたいと思います。終わり」

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