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The Back The Face

作者:

「黒羽くん!」


「あたし、黒羽くんが大好き!」


「僕も、可憐が大好きだよ!」


「結婚しようね」


「うん、きっと」



────────────────────────・・・



僕達は、選ばれた人間。


僕は誇り高き王子として。

彼女は華やかな姫として。


この世を貫く選ばれた人間だ。




僕達の国は友好関係もうまくいっていて、

親同士も仲がいい。



そして、時はたち───────────────



俺達は17歳になった。


深刻なこの状況を、十分に把握できている歳だ。


国の関係が上手くいかなくなり、仲違いになった。

俺達はまともに会う事も許されなくなった。


毎日毎日、こんなに近くにいるのに電話で話すしかなかった。


「もしもし」


「黒羽くん・・?」


「可憐なのか?」


「あ、ええ!よかったわ!」


「うん」


「お父様達、早く仲直りしてくれないかしら。黒羽くんのお城に矢を放つなんて嫌よ」


「仕方がない。俺にもどうすることもできない。父上も聞く耳持たずだ。

大丈夫。可憐の城のほうが、警護も万全だ。」


「それは本当?嫌よ!なら私もそっちにいくわ!」


「馬鹿をいうな。可憐までやられる。それに人質をとるような行動で余計攻撃されるぞ」


「あぁ、そうよね。ごめんなさい。」


「俺は大丈夫だから、な。」


「会いたいわ、黒羽くん・・・」


「夜は、必ず会いにいくよ。待っていてくれ」


「わかったわ。必ずね!」



─────────────────────・・・



「お父様・・」


「おお、可憐」


「こんな争いはやめましょう。黒羽くんのご両親ともう一度話しあってくだ・・」


「可憐!これはもう、決まったことなんだ。子供が口出しするんじゃない・・!」


「お父様!ねえ、お父様ってば・・!」





──────・・・・



「父上、お話があります」


「どうした黒羽」


「私は争いたくありません。考えを改めていただけないでしょうか。」


「お前はこの国を守っていかなければならん。そんなこと口に出していいと思ってるのか。」


「すいません父上。ですが・・」


「もう話すことはない。でてってくれ。」


「父上!私は諦めません!絶対に・・!」




─────────────────────・・・






コンッコンッ



「・・・誰?」



・・・・私だ。裏庭へおいで。



「黒羽くんね・・!」



「可憐!」


「黒羽くん!!!!!!」



俺達は抱きしめあった。


「元気そうな顔でよかった」


「黒羽くんも、かっこいいわ!」


「あはは、そんなことはないよ」


「いいえ!とってもかっこいいわよ!」


「そうか、ありがとう。可憐も綺麗だよ」


「やだ、恥ずかしいわっ・・」


「あまり時間はないね」


「もう、いってしまうの?・・いやよ!ずっと一緒にいたいわ!」


「可憐・・」


「ううん、ごめんなさい。黒羽くん、気をつけてね」


「さあ、もう行きなさい。ここも危なくなる」


「ええ、またね・・・愛してるわ・・・」


「ああ、俺もだよ。走りなさい、振り向かないで」



─────────────────────────・・・


もう、分かっていた。

危ないことは、分かっていた。

この命が短いことも。

ただ、一つ言えるのは

可憐を守るためならこの命など

惜しくはないと。

国が滅びようと、誰が死のうと

私には関係ない。

私が守りたいのはただ一人だけ、可憐だけなのだから。




「黒羽!どこへいっていた!?」


「ああ、父上。どうしたのですか、そんなに急いで」


「明日が決戦になるかもしれんな」


「そんな・・!もう攻めてくるのですか?!」


「ああ。お前ももたもたしておれんぞ。準備をしなさい。」


「・・・はい。分かりました。」





────────────────────────・・・



「お嬢様!」


「あら、どうしたの?」


「ついに明日決戦だそうです・・・」


「そう・・明日はドレスじゃないほうがいいわね」


「何をお召しになさいますか?」


「プリンス用の正装をだしてちょうだい。」


「プリンス用ですか・・?」


「いいわね!?」


「・・かしこまりました。」



「私にだって・・・何かできるはずだわ」




─────────────────────────・・・・

決戦。




「いけえええええええええええええええええええええ!」


父上の声で兵隊達は足を進めた。

可憐のいるあの城へ。

やめてくれ。私は戦いたくない。

可憐を、傷つけないでくれ。

傷つくのは、私だけでいい。






城に入る。

たくさんの兵隊達が押し寄せてきた。

馬を走らせ、上を目指す。

可憐・・可憐を守らなければ。




!!!!!!!!!!!!!


可憐の部屋に兵隊が・・・

可憐が・・・可憐が・・・


「どけええええええええええええええ」



俺が・・・!!!!!!!!!!!!!



「あ、黒羽さま!姫様がおりません。どこにいきやがった・・・」


なんだと・・・?

いない・・・・・・・?

まさか、もう・・・


「黒羽さま!敵です!後ろ!」


「うっ・・くそ!」


シャキンッ・・・キン・・!


肩が・・・

そんなことより可憐を・・・



「おい!王子がいたぞ!!やれええええええええ」


敵が・・・!!!

だめだ、この肩じゃ・・・

やられてしまう・・・・!!!!!!!



「まて愚兵ども」



!!!!!!??????


だれだ・・・!?


「お前等の敵はこの私だ」



「はあ?お前は誰だ!」

「敵か!?」

「ならやってやる!!」

「覚悟しよれえええ!」



「どうかな」


シャキン・・・キン・・・!

カキン・・・シャキーン・・・・・・!



「お前等はその程度なのか?ハハハ、堕ちたものだな!」



そういって、大量の敵を簡単に倒した。


「お、お前は誰なんだ?」


「あら、分からないかしら?クスクス」


そういって、そいつは髪をほどいた。

青い服に剣をさして、黄金色の髪をゆらした。


「な・・うそ・・だろ・・・?!」


「嘘じゃないわ!黒羽くんっ!」


「可憐!!!お前、その格好!」


「私だってこの国の姫よ?油断してもらっては困るわ!」


「そ、そうだな」


「黒羽くん。お父様は貴方のお父様を殺そうとしているわ。

もうすぐ貴方のお父様、くるんでしょう?

私が行きます。私のお父様を倒しに。」


「・・だめだ!自分の親を殺すなんて・・・可憐にそんな真似はさせない!」


「どうせどちらかの親が死ぬんです。私が殺さなければ、

黒羽くんがお父様を殺すのでしょう?同じことですわっ・・・」


「だが・・・」


「もう時間はありません。黒羽くんは我国の兵達を相手してあげてください!!」


「可憐・・・・・・」


過ちは、犯させたくない


─────────────────────────・・・



「この国を滅ぼすわけにはいかん。」


「残念ながらこちらもひきさがるわけにはいかないんでね」


「そろそろやらせていただくよ」


「ああ、こちらもだ」




「お待ちになって!」



「可憐!なぜここに!」


「おや、これはこれはお姫様。そんな逞しい格好でどうされたのです?ハハハ」


「お父様。この争い、負けを認めましょう。仲良くしたいのです。」

私は、彼女を愛していた。

「何をいうか!だまりなさい!」

それでもわかっていなかった。

「聞いてもらえませんのなら、剣を突き立てるまでです、お父様」

彼女がここまで強いことを。

「可憐・・・お前・・・」


「娘までもが敵とは、哀れなものですな」


「お父様。貴方の相手は私ですわ。」


「やれ。」


できるなら


「え・・・・?」



もう一度だけでも



シュッ




彼女の笑顔をみたかった。






グサッ・・・グサッ・・ズブッ・・・グサッグサグサッ・・グサッ・・・ズブブ・・・ッ





「うううあ・・・あぁううぁ・・ああああああああ・・・!」










「く・・・ろう・・くん・・・?」







「ハァ・・ハァ・・可憐は・・死なせ・・ない・・」


・・・間に合ってよかった。


「いやあああああああああああああああああああああああ」


泣かないで。私はここにいる。


「姫をとらえろ!」


「いやあ!離してよ!!!!!!!黒羽くん!黒羽くん!!いやあ!死んだらいやよお!」


私は、君が想ってくれている限り、


「ゴホッ・・実の娘を・・狙うなん・・て・・最低だ・・私・・・は、お前を・・ッ・・許さない・・・・」


生き続けて、


「その体で何ができるというのだ。お前に残っているのは"死"だけなん・・・



だ!!!!!!!!」


グサッ!!!!!!!!!!!!


「うう、あああ!」


全力で守るから。


「いやああああああああああああああああ!やめてえええええええええええ!」


「私は・・この・・くらいじゃ・・死・・なな・・・い」



「ならもっとやらねばいけな・・うっ・・・・」


ドタンッ....


「残念だが、息子をそこまで刺されるとな、こっちもやってられん」


父はそういってナイフの血を払った


「父上・・・」


「お前はもう喋るな。」


「う・・・・っ」


「黒羽くん!黒羽くん!!いやあぁあぁ・・・」


君がそんなに泣くから、私も少し弱くなってしまったかな。


「可憐・・・・・・・・・・・・」



父上が、大量の矢を体に受け止める瞬間をみたあと

私の記憶はとぎれた。








───────────────────────────・・・





「・・・うくん、黒羽くん!」


「ん・・・」


「よかった!気がついたわ!!」


「僕、どうしちゃったの?」


「木からおちたのよ!黒羽くんが高いところまで登るからっ」


「そ、そっかあ・・・」


「お母様がね!ケーキを買ってきてくれたの!黒羽くんのお母様もいるわよ!」



「僕、何歳?」


「ほぇぇ!黒羽くん頭を打っちゃったのかしら!お母様大変よおぉ!」


「えぇ?可憐?」


「黒羽くんもあたしも7歳じゃない!そうでしょっ!」


「あ、うん。そうだよねっ」


「お茶にしましょお!」


「うん」
















─────────────────────オワリ───



どうでしたか?

結果的には、夢オチになります。

あたしの話、夢オチおおいっすwwwwwwwww

夢の中ではどちらのお父さんも死んだことに

なっております。可憐はとても力強い女の子に

なります。さすが国のお姫様。

黒羽は弱いわけではありません。

心が広く優しいだけなのです。

楽しんでいただけたでしょうか。

最後までよんでくれてありがとうでした!

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