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異世界転移は義務教育  作者: 黒みゆき
21/73

21.混乱する王都

 ああ、なんて不幸なんだろうあたしって。ただ毎日平和にメダカを増やして暮らしたいだけなのに。

異世界転移が義務教育なんて信じられない!

おまけに、あたしだけ人でなく魔王だなんて。

おまけに、おまけに、メダカ同伴だなんて。

今のあたしの最優先課題は、メダカの餌の確保。

何とかしなきゃ・・・

定番のお家騒動にどっぷりと巻き込まれました。

とうとう国軍と激突します。

又マリエの悪魔のような天使があらわれます。

きっと、悪そうな顔をしている天使でしょう(笑)

お家騒動の山場を迎えます。


 王都ローダミンにある王の居城オルセイン城、旧ローダミン城では大混乱が起きていた。

エステルの生存及び王への即位を内通者から知らされたオルセイン国王は、国民が知る前にフォルゴーレ城のエステルを抹殺まっさつせんと閣議を招集、討伐軍の出撃を決定した。

そして、ついさきほど、威風堂々とウェルキン伯爵率いるフォルゴーレ城討伐軍約八万が王都を出発したばかりであった。多すぎる程の兵力だ。二千の敵など一捻りの戦力差だ。間違っても取り逃がすなど有り得ない。

それが、出発して半日も経たない、ついさっき、続々と八万の兵達が逃げる様に帰って来たのだ。見ると戦った形跡もないのにみんな怯える様に城内に駆けこんで来るではないか。

城の外を見ると、暗くて良く分らないが敗残兵の列が延々と続いている様である。フォルゴーレ城の戦力は二千、こちらは八万、どうやっても負けるなど有り得ないはずだった。

この状況は一体どうした事なのだ。一日も早くあの忌々(いまいま)しい小娘を始末しなければならないのに、何たる醜態。

オルセイン国王は、宰相であるフレスコ侯爵を呼び、状況の確認を命じた。

 国王オルセインは、落ち着かない様子で執務室を行ったり来たりして、時々怒りが爆発したかの様に周りにある調度品、それもどれ一つとっても目玉が飛び出る様な高価な壺を杖でたたき割っていて、従者は近寄る事も出来ず声も掛けられず部屋の隅で宰相の帰りを待っていた。涙を流しながら。

そんな永遠とも思える時間が過ぎ、やっと宰相が戻ってきた、、、、、、が、、、、、、宰相の様子がおかしい。涙と鼻水を垂れ流しており、目もこぼれんばかりに見開いている。

「どうした、さっさと報告をせんかっ!」

 国王は、怒りのあまり宰相の異変にも気づかない。気づいた従者達は、恐ろしくて何も言えずにいる。

 宰相は、恐る恐る口を開いた。

「国王様、女神です・・・・・降臨して・・・・かみなりが・・・・・発覚して・・・・・おしまい です」

 そのまま、宰相は倒れ込んでしまった。従者に支えられ、やっとソファーに寝かせてもらう様な有様だった。

「宰相、何を言ってるのか、さっぱり分らんではないか。落ち着いて話せ」

 国王は、イライラを抑えながら聞いた。

「今、当事者のウェルキン伯爵を呼びましたので、直接お聞き下さい。わたしにも、理解ができませぬ」

「役立たずめがっ!」

 国王は、ののしる様に吐き捨てると椅子に深く腰を降ろして、伯爵を待った。

・・・・待った。

・・・・・・・・・待った。

・・・・・・・・・・・・・待った。

 そして、国王はキレた。

「誰でもいいっ!当事者をひったてぃ!!」

ウェルキン伯爵は、処罰を恐れ逃亡してしまったのであった。

 従者は、これ幸いと執務室を飛び出して行った。まるで、逃げる様に・・・。


 そして、哀れな人身御供になったのは、下っ端の足軽だった。彼はたまたま、中庭でへたり込んで居る所を捕獲されたのであった。彼は王城に足を踏み入れるのも初めてなら、国王に謁見えっけんするのも初めてだった。

直立不動のまま、硬直している。そんな彼に向かって怒りの怒声が炸裂したのだから、たまらない。直立不動のまま、気を失ってしまった。彼にとっては幸せだったのかも知れない。

 国王は、ガウンを脱ぎ捨てて、他人には任せておけんとばかりに、階下に向かって駆けだしていた。慌てて従者も追いかける。あの体型のどこにこんな速度で走れる力があるのかと思いながら。最も、思ってても決して口には出せないが。


一階の扉を開けて、中庭にでた国王は唖然とした。確かに八万の軍勢が帰還したはずなのに、中庭にはにわとりが・・・ではなく、居るのはほんの一握りの兵だけだった。みんなどこへ行ったのだ?国王は不安になりながら、近くにいた兵士を捕獲  捕まえて、問いただした。

驚いたのは捕まった兵士だった。なんで、国王がこんな所に?

「何があった!何があったのだ??吐けっっ!今すぐ吐くんだあっ!!!」

 国王様、顔が危ないですから。もう、変質者の顔になってますよぉ、と思ったが言えない兵士は簡潔に話しだした。胸倉を掴まれゼイゼイしながら。


「伯爵が逃げ出したので、軍は四散しました」

「なんとっ!いったい何が出たんだ?」

 信じられんと言った顔で国王が聞く。

「め  女神様の信徒様が  降臨なされました」

「な なんと言った?良く聞き取れなかったが・・・」

 今度は、ゆっくり噛み締める様に言った。

「女神様の信徒様が ご降臨なされました」

「なんと。女神様の信徒様だと?まさか、まさか、そんなばかな。何故、このタイミングで」

 国王様は、呆然と立ち尽くしている。まさか、まさかとブツブツつぶやいている。

「それは、本物なのか?」

「そんな事分かるはずないでしょう!誰も見た事がないんですから」

 兵士も、なに馬鹿な事聞いてるんだとイラつきながら、苛立ちを隠しもせずに答えた。

「でも、空にうかんで、背中に光る羽を持っていて、超巨大な雷をバンバン落とす人間なんて見たことないっすよ」

「ああ、女神様がエステル様の即位を承認されたので、逆らったら天誅だとか」

「あと、主人に手をかけて国を乗っ取るなど万死に値するって言ってましたぜ」

「一緒に天誅食らったら大変なんで、みんな逃げちゃいましたですよ」

 な、なぜあの事を知ってる。なんなんだ一体。胸倉を掴んでいた手が力無くだらんと下がった。兵士は、これ幸いと駆け出して行った。


 しばらく呆然としていたが、気を取り直した国王は側近を探した。

「だれかっ!だれかおらぬかっ!」

 すぐに、駆け寄って来た者が居た。

「国王っ!ニムロッド子爵でありますっ!」

「おお、ニムロッド、良くぞ参った。お前を指揮官に任命し全権を与える。兵を集め、あの小娘の息の根を停めて来いっ!大至急だっ!!」

「ははっ!ただちに」


 ニムロッド子爵は、残った兵を集めるべく走って行った。

ほとんどの兵が、四散するか、エステル新国王の下に駆けつける中、一体どれだけの兵が集まるのか?


 ニムロッドは、国王に忠誠を誓っている貴族を集め、それぞれに兵を集めさせた。それでも足りないので、金で雇っている夜盗や強盗団達にも集合をかけた。

当然、前国王暗殺に関わった家や、エステル暗殺の実行犯達にも集合を掛けた。夜が明ける頃には、一万三千程が集まった。質の方は言うまでも無いのだが居ないよりはましだ。

女神の使徒とやらに対抗する手段は無いので、出くわしたらお終いであろう。なので、軍を二つに分けて進軍させる事にした。どちらかが使徒に出くわしてももう片方がたどり着けるだろうと。

あくまでも、使徒が一人であると言う前提である。ちなみに、集まった兵達には気の毒であるが、ニムロッドは戦闘行動に対し詳しい訳でもなく、軍を指揮する能力もない平凡な男であった。

 ニムロッドが軍勢を必死で集めている頃、執務室に帰った国王は執務机に突っ伏して髪の毛をかきむしっていた。あの小娘が生きていて国王に就任した事が国民に知られたらわしは国王の座から引き釣り下ろされてしまう。それだけは、何としても回避せねばならん。

どうしたら回避できるか?いっその事、デファイアント連邦に逃げ込んで兵を借りてここに攻め込むか?その場合、領土の半分はやらないとまずいかもしれん。

せっかくこの国を乗っ取ったのに、何でこうなった?何がいけないんだ?やはり、小娘暗殺を人に任せたのが間違いだったか?

 とにかく、女神の使徒とやらの目的はわしの様だ。ここに居たら殺される。その前にめぼしい金銀財宝を運び出すか。王妃は金遣いが荒いから、資金はいくらあっても多すぎる事はないからな。

従者に金品の運び出しを命じよう。積み込みが終わったら、ニムロッドが時間を稼いでいる間に城から逃げ出すぞ。


 本当に救いようのない男である。


 当然、その様な男の末路など、想像に難くない。卑怯な手を使って国王になった上に、恐怖でまとめ上げようとしたのだ。臣民からの支持などなく、命を懸けて守ろうなどと言う臣下もおらず。女神様の使徒様の怒りの巻き沿いになるのをおそれ、大半の家臣は逃げ帰ってしまったのだ。

この混乱が終わった後、荒地の中で身包みぐるみをはがされ、全身に無数の刀傷を受けた状態でこと切れているのが見つかったとの風の噂に、人々は溜飲を下げたのであった。


 なお、噂はもうひとつあり、何でも何百年ぶりかで、女神様の使徒様が降臨されて、悪の軍団を叩きのめしてエステル新国王様の国内統一にご尽力を賜ったとか、まことしやかに囁かれていた。本当の事なのかは、確かではないが国民のみんなは、心の底から信じている様だった。ただ、現場に居合わせた人は、使徒様の姿は夜空に光り輝いていて、はっきりは見えなかったが、鬼の様なお顔だったとか、悪魔の様なお顔だったとか、いかにも悪そうなお顔だったとか女神様の使徒様とは思えない表現で語り継いでいた。大勢の目撃者がいたにも拘わらず、なぜみんなが同じ表現をしていたのかは謎に包まれている。


 後は、フォルゴーレ城の攻防戦が最後の山場となるはずである。


初めての作品になります。

本作品ががあなたの興味を引いて頂くものであれば幸いです。すごっく嬉しいです。

誤字・脱字は、ふふって笑ってやってねー。(笑)

 気楽に勝手気ままで怖い物知らずなヒロインです。

暖かく見守ってやって下さーーい。

次回、王都強襲、使徒作戦 お楽しみに。


P.S.

我が家で産まれたメダカの稚魚が1300匹になりました。(笑)

まぢで水槽がたりませーん!やばいです。

稚魚の飼育ケースを5個増やしました。

ちなみに、ブリーダーではありません。


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