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プロローグ
ここは、とある大陸の村はずれにある、恐ろしい魔物が住まうと言われている森。
冷たい雨が降りしきり、世界の輪郭はぼやけ、影のみを映す世界。
光の下の生きる者達には休息の、闇の中に生きる者達には目覚めの時。
そんな中、森の前に物影が二つ佇んでいるのが見える。
物影は何かを躊躇うような素振りを繰り返していたが、ふと何か意を決したように、森の前に何かを置いた。
そして、名残惜しそうに時々振り返りながらも一度も戻ることなく、視界から消えていった。
影たちが去った後、誰もいなくなったことを確認したかのように、森の中から一つの物影が現れた。
それは、森の前に置かれた何かを拾い上げると、静かに森の中へと戻っていった。
後は何事も無く、ただ雨音だけが響いていた。
それから10年の月日が流れ、新たな物語が幕を上げる。
この物語には、重要な何かが抜け落ちています。
よく目を凝らし、頭をすり合わせて考え、その答えを探してください。
答えは物語の果てに。
では、良き旅路を・・・