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約束ごと2 《コラボ小説》

 目を開けると、見知らぬ男女が。高級そうな服を着ていることから貴族なのだろう。


 多分、私の義母と義父になる方なのかな。もしかしたら親戚? ゲームでは悪役令嬢側の義母と義父は現れてなかったから、なんだか変な感じ。


 起きたのに気付いたのか、義父と義母は安堵の息を漏らして自己紹介した。


 本当に私の義父と義母らしい。


 それから真剣な顔付きで、赤色は見ないようにと注意をされる。


 なんでも、過呼吸気味になってしまったのは赤色に原因があるらしい。


 ただ、私は前世の記憶があるものの『ソフィア』として生きてきた記憶がとても曖昧だった。


 もしかしたら、赤色恐怖症になったのにはそれが原因なのかもしれない。


「旦那様、奥様」


 部屋に来たのは、私が気を失う前に見た侍女だった。侍女の後ろにひょっこりとうさぎ耳がピクピクと動いていた。


 そーっと顔だけ半分だけ出して覗くように見てきたのはうさぎだった。


 だけど、着ている服装が赤色ではなかった。


 うさぎ耳には濃いめなピンクのリボン。ヒラヒラレースの水色と青色のドレスを着ていた。


 私と目が合ったうさぎは、ニコッと微笑んだ。その途端、マイナスイオンのような空気が部屋中に広がって心が癒される感覚になった。


 侍女や義父や義母でさえ、頬を赤らめてハートマークが浮かび上がりそうな空気になっている。


 癒し系とは、この子の事を言うんだろうなと納得した瞬間だった。


「あっ、ソフィア。この子の着ていたのは赤色基準だったので、着替えさせましたの。本来ならばこの子はよそ者なので速やかに屋敷から追い出さなければならないのですけど、気を失っているのをすぐに知らせてくれた恩もありますので……しばらくの間はこの屋敷でお世話をすることになりました」


 義母は、咳払いして軽く説明をする。多分、『恩』というのは建前で本音は『可愛くて癒される』からしばらくいてほしいのでは?


 なんて、勘ぐってしまう。


 確か、このゲームの設定上だと、皇帝に許可が必要なのだけど……。


「あの、確か貴族は皇帝陛下に申請して許可をもらわないと居候としてもいけなかったような気がするのですが」


 私は恐る恐るといった様子で問い掛ける。


「心配には及びません。許可致しました」


 部屋に入ってきたのは青色の艶のある長髪の長身の男性だって。モノクルがとても良く似合う。


 男性は私の元に来ると、床に片膝をつき、私を見上げる。


「ソフィア様ですね。明日から、私がお嬢様の魔法を教えます。ノア・マーティンと申します」

「魔法……」


 その言葉を聞いて、異世界なんだなと改めて実感してしまった。


 でも不安だな。困った顔をしていると、侍女の後ろにいたうさぎは私の元に駆け寄った。


「大丈夫よ。私も一緒だから、寂しくないよ」


 と、私の不安を読み取ったように安心させる言葉をくれた。


 私はゆっくりと頷いた。






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