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絶対鎖国国家エルフの森  作者: 及川 正樹
200/211

200

次回より更新は不定期になります。

総合評価も伸びず、書き溜めが無しで毎日投稿だといまいち上手く行きませんでした。

次は十万字程度の新作を書こうと思っています。

今後とも作品をよろしくお願いします。


 マサモリはラギドレットを征服すると決めると北部へ向かう前にエルフだけを集めて会議を開いていた。


『ラギドレットを下して西部地域の王になろうと思う。守っていても効率が悪いし、面倒だ。みんなはどう思う?』


 何故もっと早く思い至らなかったのだろうとマサモリは思ったが、悩んでこそ開ける道もあるという事なのかもしれない。


『最高です! ついでに超大陸全域を支配しましょう。ああ、体中が熱くなってきたぁ!』

『殿の決定に従います』

『攻城戦ってやった事ないから楽しみだなー。超大陸の結界はどれくらい硬いんだろう』


『みんな肯定的で良かった。ラギドレットの征服は決定だ。ただし問題点が二つある。一つ、魔人軍がまともに戦っても皆殺しにされるから攻城戦自体には参加させるけど城へ攻め込むのは俺達だけだ。そして力押しで速攻終わらせる』


『二つ、たとえラギドレットを支配しても俺の本業は出島村の村長だ。常にサーモとして超大陸に居られる訳ではない。その為に、代役を立てるかゴーレムを作ってサーモの振りをさせるか考えた。代役を立てるとなんかあった時に代役のエルフが捕まる可能性があるからゴーレムを作ろうと思う。そこでゴーレムを作るのに核となる魔石を大量に使いたいと思ってる。それについて賛成か、反対か、意見をくれ』


 ゴーレムの強さを決める核は重要だ。本気で強いゴーレムを作り出すなら核はエルフの森産の物の方が最適なのだが、破壊された時の事を考えると超大陸にない物を核にするのは危険すぎる。超大陸の外から影響を受けていた事が露呈すると不味い。ゴーレムは超大陸にある物で作り出したい。


『私はその時居なかったからパスだよ』

『よろしいかと』

『最強のゴーレムを作り出しましょう! モブエルフを一掃できる位のやつです。っ! 蹂躙されてしまう!』


『了解。それとボタンとモブ美にはゴーレム作りの助っ人をお願い。今まで本気で作った事がないから強いのを作れるか自信がないんだよね』

『はっ! 仰せの通りに』

『ちょっと分野違いですが頑張ります!』


『私も手伝、えないか。そういうのあんまり得意じゃないんだよねー。面白そうだから見学はするよ』

『うん、何でも良いから助言をよろしく』


 マサモリのゴーレム製作が始まった。




 マサモリのゴーレム作りは遅々として進んでいない。今作っているのは本命を作る前のお試しの物だ。なんせ決定したのが秋頃でその後すぐに北部へ遠征に行っていた。ゴーレム作りの練習はしているが本当に大変なのは様々な魔石を組み合わせてそれらを反発し合わないように魔力を増幅させるようにする作業だ。マサモリとしてはラギドレットを攻めるよりもゴーレム製作の方が面白いのだが本末転倒になってはいけない。



 魔人軍の集合と共にラギドレットから大慌てで諜報員が魔人軍領へと殺到した。北部を制圧した魔人軍が兵を集めたという事はラギドレットへの侵攻と同意義だ。ラギドレットを攻めると一言で言えば単純だが、向かう場所によって意味合いは全く異なってくる。


 ラギドレット城は魔人軍では落せないと誰もが思っている。すると向かうのはラギドレットにある他の町だ。他の町の貴族や盗賊達は躍起になって魔人軍の行き先を調べた。諜報員は排除したのだが魔人軍の行き先がラギドレット城だとすぐに知れ渡った。


 マサモリはラギドレット城へ向かうと言わずに他の場所へ行く振りをした方が良かったかなと兵士達の様子を見て思った。しかし情報が漏れようが関係ない。戦う前から勝ちは決まっているのだ。そうなると堂々と宣言した方が力を誇示できて良かったのかもしれない。



 時間はかかったが遂に魔人軍の兵士がビッターの町に集合した。不安に包まれた兵士達の視線を余所にマサモリは軽快に壇上に上がった。


「今回の遠征先はラギドレット城だ」


 魔人軍の兵士達は静かだが多くの兵士達が顔を青くしている。しかし反論しようとする者は居ない。


「ラギドレット城を速やかに制圧し、そのままラギドレット王国全体を征服する」


 ハーフエルフの偽装している元欠損奴隷部隊から歓声が沸きあがった。クザームは涙を流し、感動している。ツリーマンの部隊も続けて腕を振り上げて咆哮をあげた。そうなると周りの続かなければならない。とりあえずこの場を凌ぐ為に他の兵士達も声をあげた。兵士達が静まるのをまって再びマサモリが話し始めた。


「この中に魔人軍ではラギドレット城を攻め落とせないと思っている輩がいるな。その考えは一部正しい。お前達だけではラギドレット城に攻め入っても返り討ちだ。お前達は愚かで脆弱だ。だがお前達にも唯一の取り得がある。俺の配下である事だ。魔触のサーモの手にかかれば、ラギドレット城を落とす事など容易い。前回の威力偵察で既にラギドレット城の弱点は把握済みだ。これよりラギドレット城へ向かう!」


 魔人軍はビッターからラギドレット城へ向かって出発した。




 ラギドレット王は野戦を選択した。マサモリはラギドレット城の結界を簡単に破壊出来る。懐に入られるとラギドレット城の利点である五重結界や城壁に設置された数々の大砲を活用しきれない。ラギドレット王は結界が破られる事を考慮したうえで騎馬部隊による圧倒的な力で踏みつぶすと決めた。


 魔人軍がビッターを出発するとラギドレット城では急いで野戦に向けた簡易陣地の作成が行われた。ラギドレット王は直接ラギドレット城に来るとは思いもしていない。普通なら弱い町から順番に落して行く、それが戦争の常識だ。そしてラギドレット城が魔人軍に負けるなどとは露程も思っていない。


 前回は魔人軍に辛酸をなめさせられたが、主力となったシュドラと二人の四天王は不在だ。いくら結界が破れるとはいえ、ラギドレット城をどうにか出来るはずがない。ラギドレット城まで近づいたら方向転換をして別の町を攻めるのだろうとラギドレット王のみならず多くの者がそう思っている。それでも油断ならないのは確かなので野戦用の陣地は早急に全力を尽くして作り上げた。


 もし途中で方向転換でもしようものなら背後から迫り、魔石砲弾をしこたま撃ち込んでやろうとラギドレット王はほくそ笑んだ。


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