表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
サボ天使、ガチャVRに人生極振り! ~デッキを組んで強くなる世界で、魔法カード0枚からの成り上がり!~  作者: ラボアジA
4章 悪魔との戯れ編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

62/93

59話目 天使「しばこう」悪魔「えーん」

 青い悪魔は、もっと顔を青ざめさせてた。


「お、俺は最強だーっ!」


 あーっと、ストレーション選手、芸術性のカケラもないデタラメな飛行です。これはヒドイ。


 そんな非行悪魔に、ギュンギュン追いすがって猛チャージを掛けてやる。


「げげっ!?」


 ふっふーん、ターンの技術はメチャクチャ鍛えられたからね。直線飛行よりも、カンタンに距離が縮まるのよ。


「やっほー」

「はあ!?」


 背中にピッタリ張り付いて、杖で肩を叩いてやる。あっちでトントン、こっちでトントン。


「な、何しやがるーっ!」

「べっつに~。こってるみたいだし~」


 飛行で最強とかのたまわれたら、ねえ? スカーレット師匠のお顔に、泥を塗るわけにはいかないでしょう?


「はい、これで8回目の肩叩き。アンタ今死んだわよ」

「うぐっ……」

「手加減して叩く方がよっぽどムズカシイ事ぐらい、分かるわよね?」

「ち……ちく、しょう……」


 歯を食い縛って涙目の悪魔は、スーッと地上へ降りていった。


「アラ、『得意な空中戦』はオシマイでございますの? 良かったわ~、あたしにも勝ち目がありそ~」


 悪魔はキッと見上げてきた。――ん? ヘンね。なんか笑ってるわ。


「へ、へへっ……」


 真っ赤な舌で唇をなめてる。どんなロクでもない事する気?


「おい、サボテン……。戦い前のルールは守れ、よ!」


 悪魔は後ろにしてた手をバッと向けてきた。呪文は……〖強制終了〗!


「ぎゃはは、かわせねえ! ジエンドだ!」


 ええ……そうね。【魔力の盾】もかけてないし、素通しよ。


 バシッと〖強制終了〗が掛かった。


 1秒、2秒。


 フーッ……ちょっぴり不安だったのはナイショ。


 あたしは、ゆっくり降下して、地面にふわりと着地した。


「ありがとうね、人間のクズ」

「な……なんでだよ! お前……なんで消えてねえんだよ!」


 そりゃあもう、対策を打ったからよ。

 〖迷宮2〗と〖強制終了〗による脳死コンボを防ぐ手段。それは――。


「ねえ、アンタ。〖迷宮〗のデメリットって、知ってる?」

「はあ? 当たり前だろ。スロットに入れてたら、そいつも【終了】できないって……」

「ブー、不正解」

「――なんだと?」

「答えは、『マホロバから脱出できない』よ」

「同じだろ!?」

「いいえ、違うわ。その証拠が、今の〖強制終了〗失敗よ」


 ――そう。あたしは〖迷宮〗をスロットに入れてた。


 出られないのは、フツーの人にとってはデメリット。

 だけど、サボテンのあたしにとっては、超絶メリット!!

 ――いいわね。敵の〖迷宮〗を逆用してやるとか。皮肉ってレベルじゃないわ。


 ちなみに、おっちゃんを始めとした冒険者さんたちも、みんな〖迷宮〗を入れてた。カードを熟知してた人が大勢いるんだし、当然よね。


 知らなかったのは、当の即死コンボを使ってた、ざまぁ団のみ。


「サ、サボテン……! それ、チートじゃねえか!」


 ぶはっ! ヤバッ、せっかくシリアス決めてたのに、思わず吹き出しそうになっちゃったわ。アンタがそれ言う?


 頭を振って「お笑いモード」を吹き飛ばしたあたしは、レーヴァテインを握り直した。


「アンタ達が、どんな悪巧みを考えようとね。うまくいきっこないのよ」

「ぐっ……」

「絶対にね!」

「う……うおあああああー!」


 悪魔はとうとうヤケクソになった。デカいフォークを持って突っ込んできたので、慌てず騒がず【敏速】を掛ける。


 ――報いを食らえ!


 ヒョイとかわしたのち、カウンターでボディに突き!


「ぐふうっ!」


 前屈みになったアゴへ、下からの振り上げ!


「あごおっ!!」


 海老反りになった両足を、勢いよく後ろからブッ叩く!


「あぎゃあーっ!!!」


 トドメは、スッ転ばせた脳天に、全体重を乗せる!


「がはぁっ!」


 青い悪魔は死亡した。泣きベソかいてたけど、当然でしょ。ラビちゃんのことを思えば、とっても穏便に済ませてあげたぐらいだわ。


 くるりと振り返ってカメラ目線。


「あたしはシャボン。マホロバ・ライトにいるわ。野良試合もオッケーよ。――ただし、他の人に迷惑をかけない範囲で、ね」


 ニッコリ笑ってウインクしてみせたのでした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ