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サボ天使、ガチャVRに人生極振り! ~デッキを組んで強くなる世界で、魔法カード0枚からの成り上がり!~  作者: ラボアジA
3章 新たなる野望の画を描く編

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49話目 速さ「パワー!」

 以下、あたしは、「速さ」を基準にデッキを組んでいった。

 体が資本のあたしだから、「速ければかわせるけど、トロくなったらかわせない」。シンプルでしょ?


「ってワケだから、【のろま】とかが怖いわね」

「うん。一応【敏速】とかで相殺できるけど、【中和】も入れとこうか」

「え?」


 初耳の呪文ね。基本セットには無かったけど。


「それって重要なの?」

「個人のリセットとしては強いよ」


 銀ちゃんが説明してる間に、おっちゃんが緑のカードを探してくれた。


「こいつだな。1人の状態異常を治せるっていう、レベル2のコモンだ」

「――ねえ。このVR、やっぱりコモンが強いと思うわ」

「まあな。速さもリセットされる辺り、強烈だぜ」


 はいはい。じゃあ、4枚投入っと……あら?


「マズいわね、色が5つ目だったわ」


 赤2:【加速】

 銀2:【敏速】【のろま】

 白2:【魔法霧散】

 紫1:【魔力の盾】


 ここでもう1色。


 緑2:【中和】


「魔色が9になって、足りないし」


 そこへ、今度は銀ちゃんがカードの束を持ってきた。


「そんな時はコレ。【呪文の達人】シリーズだよ」


 うわ~、通販番組みた~い。


「この特技カードは、8色分あってね。スロットに入れた色は、入れた分だけ魔色が増えるんだ」


 キャー、強い! ステキよ~!


「でも銀狐~、それってお高いんでしょ~う?」

「大丈夫さ、シャボン。安心と信頼のコモンカードだからね」

「ンまあ、お値段は据え置き、0円! ありがたいわ~!」


 この茶番に、おっちゃんは呆れ顔。


「――お前ら、何やってんだ」


 ふ~……アイスの中の人は、ノリが足りないと思うわ。


 他には、【痛み止め】や【魔力視覚】っていう、ゲーム開始時のスキルで聞いた名前の魔法を紹介してくれた。常動で効果を発揮するっていうんで、1枚ずつ投入して30分待つと。


「うわっ! 光が見えたら、魔法名まで分かるし!」

「おう。大呪文が来そうだったら、【巨大な盾】で防げ」

「6色にしろってコト?」

「【呪文の達人】を増やすんだな」


 なんか、ドーピングして、ズルズル深みにハマってる感じね。


「あ、【忘却】って、特技も指定できるんでしょ?」

「だな」

「なら、【呪文の達人】も指定できるってコト?」

「できるぜ」

「強い!」


 今回、相手はお互いダケ。クールタイムは30秒だから、逆に言えば、「30枚は常動の呪文が入れられる」ってこと。

 あと、呪文は軽いほうが使い勝手いいわ。


 とすると、各色に散らばってる、2レベルぐらいまでの強い呪文を入れてくるハズ。


「うふふ……あたしのイヤがらせの【忘却】が火を吹くわ」

「おー、そんなツラできる奴は、弱体化デバフを使いこなせると強くなるぞー」


 かくして、おっちゃんと銀ちゃんに手伝ってもらいつつ、ついにあたしだけの「VS社長特化型・決戦兵器!」デッキが完成したのでした。わー、パチパチ!

 本当は竜ちゃんズを山ほど入れて、「昨日の敵は今日の友! 食らえ社長! シュゴー!!」デッキとか組みたかったけどね。

 【箱庭】がチラついたのよ……。ゴメン、みんな!


 とゆーワケで、非情に徹したからには、絶対に勝つわよ。


「おっちゃん、練習相手になってくれる?」

「おう」


 銀ちゃんが店の奥の扉を開けた。


「地下に練習場があるから、そこでやろうか」


 いよいよ秘密基地めいてきたわね。


「俺も久々だし、社長ほど動けるか分からんがな」


 ふっふっふ……。おっちゃん、あたしの踏み台を買って出てくれてありがとう。


 新生シャボンの強さ、とくと味わうがいいわ!






 ボロ負けした。


「おっちゃーん! 何枚も【中止呪文】使うのズルいわよー!?」

「オイ、人聞き悪いな。【悪魔の契約】でクールタイムを解いてるだけだぞ」


 ぐはぁ。


 一応、各呪文ごとにスロットを1枚空ける必要があるらしいけど、それでも4枚空ければ【中止呪文】が8枚とか。正直チートだわ。


「もっぺんよ!」

「おう、いいぜ」


 デッキを回してみて、使い方を覚える。


「うわーん! また【巨大な盾】が消えたー!」

「だから、【魔力の盾】が後と言っただろ。青い盾が先、紫の盾が後だ」

「うぅ……アオがサキ、ムラサキがアト……」


 世知辛いわ……。社長、覚えてなさいっ!




 燃える天使と化したあたしは、おっちゃん達が帰ったあとも、AI相手に黙々と練習した。場所はそのまま借りさせてもらってね。

 銀ちゃん。倒せたあかつきには、動画の最後に「スペシャルサンクス:サラマンダーの夜(建物)」って書いていいわよ。


 木の人形やら青い人影やらを相手にポカポカ叩くことしばし。


「うお! お前、まさかずっとやってたのか!」


 アラ、おっちゃん再び。――って、もう朝?


「シャボン……。お前、コンディション大丈夫かよ」

「へーきへーき、途中で仮眠取ったから」


 心配させないための優しいウソよ。「本体サボテンなんで大丈夫」とか、その方がウソっぽいし。


 その後も練習して、さらに動きを磨いた。速くなって、そこで【巨大な盾】、【魔力の盾】と張って、タコ殴り。これが必勝パターン。


「よっし! ンじゃ、行きますか」


 お昼前に、あたしたちは本社ビルの前へと向かった。


 昨日と違って、どこか閑散とした新宿の西口で、じっと時を待つ。正午を過ぎ、「あれ? すっぽかされた?」とか少し思った頃、ビルの入り口から黒スーツを着た青髪少年が出てきた。


「よお、待たせたな」

「ええ」


 挨拶がてら、スキャン!




名前:カルイザワ

種族:〈水玉/Aqua〉

攻撃:2

速度:4

容貌:美しい

年齢:15

身長:71

体重:29

領土:【島/Island】




 社長もあたしをスキャンしてたみたい。


「おー、お前NPCか」


 興味をひいたみたい。てか、やっぱ口調が軽いわね。


「もしかして、《不眠》持ってるか?」

「持ってるけど、何か?」

「マジか。オレの中でかなり評価上がったぞ」


 うわーい……って、コレ、喜んでいいのかしら。


「あたしも聞いていい? 身長と体重、絶対違うと思うけど」

「ああ、こいつは《人間変身》のユニークスキルのおかげだな。ヒト形態だと、172の58ってトコだ」


 お話ししてる途中で、おっちゃんと銀ちゃんは静かに離れていった。社長と一緒に出てきた大柄の影さんも、そーっと控えていく。挙げ句には、ビルまでお空にロケット噴射。(跡地に魔法陣は無し)


「さてと。場所は確保できたな」


 社長は手をプラプラと指を解したのち、インベントリから1本のナイフを取り出した。


「真昼の決闘と洒落込もうか」

「オッケー」


 あたしも、インベントリからレーヴァテインを取り出した。

シャボンのデッキです。



デッキレシピ

「VS社長特化型・決戦兵器!」


青1 4枚

【巨大な盾】×4 1 ・あらゆる物理攻撃とそれに付随する衝撃をゼロにする。1回のみ。 


緑2 4枚

【中和】×4 2 ・回復。1人の状態異常(毒、呪いなど)を治す。


紫1(+1) 9枚

【忘却】×4 2 ・対象者のスキルか特技を1つ封じる。

【魔力の盾】×4 1 ・あらゆる魔法を1つ防いで消える。

【魔力視覚】 1 ・常動。呪文準備中の光を見たら、呪文名が分かる。


赤1(+1) 7枚

【加速】×4 2 ・自分のみの【敏速】。(速度に+1)

【煙幕】×2 2 ・範囲。煙で覆う。

【痛み止め】 2 ・常動。ノックバックを防げる。


銀1(+1) 10枚

【敏速】×4 2 ・速度に+1。【のろま】とは対消滅。

【のろま】×4 2 ・速度に-1。【敏速】とは対消滅。

【暗視】×2 1 ・暗がりでも視界がきく。


白2(+2) 16枚

【魔法霧散】×4 2 ・付与魔法、もしくは領土魔法を1つ解除する。

【再生】×4 2 ・使えなくなった四肢、目、耳、口が元に戻る。

【武装解除】×4 4 ・武具を外す。全ての攻撃用付与呪文を解除する。

【光】×2 1 ・光を出す。

【閃光】×2 3 ・眩しく光る。


特技 10枚

【武器の達人:杖】×4 ・常動。1枚につき杖の攻撃+1。

【呪文の達人:紫】 ・常動。対応した魔色が1上がる。枚数上限は、アバター本来の魔色まで。

【呪文の達人:赤】 ・同上。

【呪文の達人:銀】 ・同上。

【呪文の達人:白】×2 ・同上。

【魔力制御:白】 ・常動。1枚ごとに白の呪文コストが1安くなる(最低1マナ使う)。


計60枚

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