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サボ天使、ガチャVRに人生極振り! ~デッキを組んで強くなる世界で、魔法カード0枚からの成り上がり!~  作者: ラボアジA
3章 新たなる野望の画を描く編

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42話目 目の付け所が違います

「――ん?」


 骸骨竜は、片目を赤く光らせて、《骨の嵐》を使った。素早く魔法陣から離れると、そのまま神殿の奥へと飛んでいって、祭壇の上で再構築。


 えーっと、防御的に使ったってコト? ――あ、ポーズ取ってる。これじゃ本当に、恐竜の骨格標本みたい。


「どういうツモリ……?」


 今度は、単発の骨を飛ばしてきた。あらま、そういうワザも出来るの。器用ねえ。


 カーン。


 すぐにレーヴァテインで弾き飛ばす。


 そしたら、次から次へと骨が飛んできた。カンカン弾き飛ばすけど、多分輝きパワーでも大したダメージを与えられない量よね。


 弾き飛ばした骨も、ヒュンヒュンとまとわりついて攻撃してくる。茶色は無効だから、完全に消滅させることは出来ないってワケね。

 今は、20本ぐらいが波状攻撃を仕掛けてきてた。んー、少しキツくなってきたかしら?


「うぅっ……」


 おっと、ラビちゃんがジリジリ食らってる。ん~、ちょっとマズいわね。




「――あ」




 違う……これ、大分マズいわ。




 あたしは祭壇の骸骨竜を見た。


 アイツ、一切動いてない。――ううん、多分、これからも動かない。


 魔法陣のほうに来たら、「やられる」って分かったから!

 何かしらでおびき寄せない限り、絶対コッチに来ない!


 奴はこのまま、あたし達がバテるのを待てばいいのよ。


 だって……短期決戦が必要なのは、あたし達ダケなんだから!


「ラビちゃん! あたしが竜を挑発するから、ラビちゃんは、何か変わったコトがあったら教えて!」

「は、はい!」


 しまったわ~……社長のペットは、そんなヌルい奴らじゃなかったでしょ!


 あたしは羽を広げて骸骨竜に接近した。


「来ちゃいなさいよ、ホネホネちゃん! スッゴい小さな相手に、臆病すぎない? ノミの心臓? ああ、心臓が無かったわねえ!」


 近寄ったあたしに《骨の嵐》が来るけど、必死にレーヴァテインで叩き落としていく。


 ぐぐっ……なんとか止められてる。けど、ホネホネちゃんが挑発に乗ってこない。ホネだから聞く耳を持たないってワケ? くそぉ、脳みそもないクセに、賢いじゃないの!


(お姉ちゃん)

(なに、ラビちゃん?)

(あの……関係ないかもですけど……)

(大丈夫! 言って!)

(向こうが《骨の嵐》を使ったとき、お姉ちゃんが竜の頭に近いほど、骨の量が多かったんです……)


 え?


(あぅ、ご、ごめんなさい。やっぱり気のせいかも……)

(ううん! ありがとう、ラビちゃん! 確かめてみるわ!)


 あたしは、竜の頭部へと近付いた。すかさず竜の目が赤く光って、《骨の嵐》が発動。骨がラッシュで襲ってくる。


 ――たしかに多い、気がするわね。


 しばらく、近づいて離れてを繰り返してみる。――うん、ラビちゃんの言う通り、頭蓋骨に近いと、攻撃が強い。


 だけど、ソレってどういうコト? たとえば……何か大切なものに近いから、守ろうとして嵐が激しい、とか?


 あたしは竜の目を注視した。


 あの目……片目だけ光ってるのよね。


 カッコつけじゃなくて……もしや、意味がある!?


 あたしは猛然と骸骨竜の頭部に飛んでいった。途端に骨が集まって、一斉にあたしをツブしに掛かってくる。


 ――やっぱり! 相当イヤがってるわ!


 かたっぱしから、レーヴァテインでブッ叩く!


「骨の弾幕がスカスカすぎるわよ!」


 骨密度、足りてないんじゃない!?


 巨大な頭蓋骨まで到達すると、右の眼窩の奥が空洞になってて、そこに赤い球が収まってるのを確認できた。


 ――コレって、コイツの核ね!


「ラビちゃん! 女神像に魔力を!」

「はい!!」


 猛烈に叩きつけてくる骨をガン無視して、あたしは眼窩に手を突っ込んだ。ボウリングほどの核を、ガッとつかむ。


「うりゃー!!」


 魔法陣へ向かってバックホーム!


 ドンピシャのタイミングで、ラビちゃんが魔力を女神様に補充!


 シュワァァー……。


『ガァアアアアアアアアアーーーー!!』


 長い断末魔を上げて、骨がバラバラと崩れ落ちていった。やがて、それらも透明になって消え去ると、女神像の前に1枚のカードが現れる。


「ラビちゃん……!」

「シャボンお姉ちゃん……!」




「「やったー!!」」


 あたしは、ラビちゃんに飛びつくと、女神像の前で大ハシャギした。

今回倒した、骨のある奴です。



【骸骨竜/Bone Dragon】

レベル7・黒魔法/レジェンドレア

分類:召喚(竜)

攻5/速2/生5

サイズ:大

能力:【骸骨竜】の攻撃力を1減らして、骨を投ばす。骨でのダメージは、【骸骨竜】の攻撃力に等しい。(この能力は1ターンに1回のみである)

能力:4マナで全ての骨を戻す。【骸骨竜】は召喚時のステータスに戻る。

「おおっと、完成したわい。最高傑作のドラゾン君じゃ♪」

    ――ダ=ダンザ、ドワーフの死霊術師

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