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サボ天使、ガチャVRに人生極振り! ~デッキを組んで強くなる世界で、魔法カード0枚からの成り上がり!~  作者: ラボアジA
3章 新たなる野望の画を描く編

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39話目 あたしと踊りましょ

「あ」


 その時ラビちゃんが、ウサ耳ごと「あわわ……」と震えた。


「ん、どうしたの?」

「えっと……【巨大な盾】を、掛けておけば良かったです……ごめんなさい!」

「あー、大丈夫よ」


 もういっぺん、ギュッてした。


「あたしこそ、ラビちゃんにカッコつけて、いいトコ見せようと思ってたの。ゴメンね」

「お姉さん……」

「盾なしでもいけるって、過信してた」


 あたしは頭を下げた。


「お願い。ラビちゃんの盾で守って」

「は、はい」


 すぐにラビちゃんの杖が青く光って、あたしに【巨大な盾】が付与された。それと、クモちゃんズやドローンくんにも。


「あ~、そっか。ラビちゃん、スロットにたくさん盾があったから、みんなに張れるんだ。スゴ~い」


 お、照れてる。カワイイなあ、もう。

 もちろん、ラビちゃんにも盾がしっかり付いた。


「おっと、そうそう」


 忘れずに、さっきの敵カードを回収。――うげ、【寄生虫】? なんて名前なんだか。


「ンじゃ、進むわよ」

「はい」


 細い通路が続くってことは、あたしが前で防げばラビちゃんは安全ね。


 角を曲がると、すぐに寄生虫がダッシュしてきたけど、今度は短く持ってバンバン潰していった。たまに抜かれそうなときは、ワザとあたし自身がスキを見せて、体に食らいつかせる。


 パリーン。


 最初の噛み付きは盾で防いで、2撃目の前に杖でゲシッ。


「ゼロ距離なら、難なく倒せるわ」

「お姉さん、スゴイ……」

「いやいやいや、ラビちゃんのおかげよ。盾をいっぱいと、【清掃】があるからこそ出来る手段だし」


 この辺は、コントローラーを握ってプレイするゲームとは違うわね。VRだと、「まさに、自分!」だから、50cmのハエとか、盾なしだと気色悪いわ。


「お姉さん……。わたしは、あってもムリです……」


 あれ、マジで?




 【寄生虫】の出る通路の先が広かったから、ラビちゃんに【衛星球】を飛ばしてもらった。


「広いですね」


 映像を出してもらうと、そこは鍾乳洞。


「うわー……。社長、ゼッタイ秋芳洞とか好きでしょ」


 こんなに多いってことは、間違いないわ。――あ、そういえばマホロバにもあるのよね? どうなってるのか、今度行ってみましょ。


 あたしは【生物探知】を使ってフロアを探ってみた。


「ん? ヘンね、1体しかいないわ」


 この広さで1体とか、ボス? そんなワケないわ、ちょっと早すぎでしょ。


 警戒しながら入ったら、上からポトリと寄生虫だった。うえー、ヤダヤダ。


 スパーン!


「はー、大振りできるってラクだわー」

「スゴい、お姉ちゃん……きゃあ!」

「ラビちゃん!?」


 パリーン、とラビちゃんの盾が割れた。さっきは反応が無かったのにと思ったら、地面の下から骨だけの手がボコリ。


「なーるほど……。【生物探知】に、死者は引っ掛からないってワケね」


 こりゃ1本取られたわ、はははー。


 見ると、次々とスケルトンやゾンビが土の下から這いだしてくる。


「お、お姉ちゃん……」


 ひしっと縋ってくれる。――あー、誓って言うけど、彼女のこの反応が欲しくてお化け屋敷を選んだワケじゃありませーん。役得だなーとは思うけど。


「ラビちゃん。あたしがどんどん倒していくから、ラビちゃんは盾が剥がれたら補充して」

「はい」


 さーて、杖1本で無双しましょうか。


 いっぺんクルクルと回したあとで、ちょっとだけ浮かんでアンデッドの群れに猛然と突っ込む。トロい骸骨やゾンビどもに一撃をくれてやる。


 どこからともなく、もの悲しいバイオリンの調べが流れてきた。――フィギュアスケートで聞いたことあるわね。死の舞踏だったかしら。なかなかステキだけど、ラビちゃんの援護があるあたしの敵じゃないわ。


 たまに途中参戦してくるゾンビが、あたしの足にタックルしてきたりするけど、盾でガード&ラビちゃんが張り直してくれる。


 はーい、踊り子には手を触れないでくださーい、と。

 スパーン!


 モグラ叩きよろしく、手にレーヴァテインを叩き込んでゾンビ退治。ふふふ、音楽も盛り上がってきていい感じだわ。


 それにしても……妙ね。後から後から敵が湧いてくるんだけど。


「お姉ちゃん!」


 む、ラビちゃん(の乗ったクモちゃん)が囲まれた! クモちゃんズに護衛させてたけど、限界があったわね。


 急いで戻って、スパンスパン。――なんか、芸人の風船割りみたいね。待ってる側の風船が、ミニ列車の先の針で割れる前に、動いてる側がダーッて頑張るやつ。


「大丈夫、ラビちゃん?」

「あ、ありがとう、お姉ちゃん……」

「もうちょっと待っててね。さすがに倒せると思うから」

「あ。そのことなんですけど……」


 ん?


「えっと、お姉ちゃんが1度倒したゾンビが、また起き上がってたんです……」


 ほほぉ。


「ラビちゃん。一旦消えて、土から出たんじゃないのね?」

「は、はい。見間違いじゃないと思うんです、けど……」

「ああ、確認したダケよ。スッゴく大事な情報だったわ。ありがとう」


 そうだったわね。こういうザコルームに入ったときは、何かしらのボスがいたっけ。


 とすると……やることはコレでしょ。


 あたしはラビちゃんの周りに【紡ぎグモ】を補充した。そのあと、もういっぺん【生物探知】!


「――いた!」


 ビンゴ! 1体、反応あり!


 ゾンビや骸骨はアンデッドだから、引っ掛からない。


 じゃあ、引っ掛かったのは?


「生きてるボスよ!」


 あたしは一目散に急行し、ゾンビや骸骨を蹴散らした。ソイツはイヤらしいことに、他のゾンビと似たような格好で、後ろの方に隠れてる。あたしが無双すると、「倒れたフリ」でやり過ごしてた。


「今までのボスとは違うタイプね」


 エゲつなさには変わりがないけど。


 あたしは杖を振るってソイツをぶっ叩いた。


 ボシュー!


 おお、カードになって、音楽が止まったわ。やっぱりこいつが、死の舞踏の元凶だったのね。


 他のゾンビや骸骨もカードになっていき、残りは立ってる奴だけ。


「よーし、チャチャッと終わらせちゃいましょ!」


 スパパパパーン!


 タネが分かれば、あとはカンタン。少し手間取ったけど、無事に全てのアンデッドを退治できた。


「ラビちゃんのおかげよ。ありがとう」


 乾いた奴らを倒したあとは、潤いを求めてモフモフするのでした。は~、まだ10数回だし、クセになってはいないわ。もふもふ。

この部屋で手に入ったボスカードです。(他のカードは活動報告に載せときます)



【死体漁り/Necrovenger】

レベル4・黒魔法/レア

分類:召喚(無法者)

攻2/速2/体2

サイズ:中

能力:【掘り起こし】

死者を蘇らせるのに、魂などいらない。

使えるところを繋げば……そら、一丁上がりだ。

    ――死体漁り

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