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サボ天使、ガチャVRに人生極振り! ~デッキを組んで強くなる世界で、魔法カード0枚からの成り上がり!~  作者: ラボアジA
3章 新たなる野望の画を描く編

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37話目 何をおっしゃるウサギさん

 本日の授業は青魔法だった。

 今、あたしの前には、前衛と後衛に1人ずつ男の子が立っている。


 カエル園長から指示が出された。


「シャボン。まずは前衛の子を、1回叩いてもらっていいかの?」

「はい」


 ポカッ。


 パリーン。


 青いエフェクトが砕けた。――あ、これはあたしも分かるわ。大ちゃん戦で、アイスが何度も掛けてくれた呪文よ。


 ミッちゃんが校庭の生徒に告げた。


「今のが、【巨大な盾】じゃ。どんなに強力な1撃でも、ノーダメージにできる防御魔法じゃぞい」


 子供たちは口々に「おおー」とか「つよーい」とか言ってる。あらあら、素直ねえ。


「ふむ。ではお主たち? この【巨大な盾】は無敵かのお?」


 お、うなずいてる子がいっぱい。「うん」とか「張り直せばいいもん」とか言ってる。


 ――でも、そうじゃない子もいるわね。


「では、『違う』と言う者がいたら、手を挙げて答えてほしいぞい」


 すると、数人が手を挙げた。園長は、一番大人しそうな白ウサギの女の子を指す。


「ラビ、答えを」

「はい……。えっと、呪文で張り直すより早く攻撃されたら、間に合いません……」

「んむ」


 この答えがキッカケで、「無敵だよ」派と「違うもん」派に分かれて、ワーワー言い始めた。

 ミッちゃんは苦笑する。


「それでは、今から実際に、天使のお姉さんにやってもらおうかの」


 ミッちゃんから念話がきた。


(連続攻撃でお願いします)

(分かりました)


 さっきと同様に、前衛の子を叩いて【巨大な盾】を壊してみせた。2発目は防がれて、その間に後ろの子から【巨大な盾】が飛ぶ。


「ほらー、防げるよー」


 ふふふ……無敵派ちゃんたちに、一瞬だけ夢を見させる。プロの手腕がニクいわ。


 ポカポカポカポカ!


「うわー!」


 前衛の子をレーヴァテインでポカポカ。あ~、子供を叩く行為は野蛮よー、なんて痛ましいのかしらー。でも手が勝手にー。ポカポカ。


 前衛の子を地面に転がしたら、今度は後衛の子にニッコリ。


「あ……」


 自分に【巨大な盾】を張るリスの男の子。いいわねー、ナイスな考えよ~?


 でも、残念。


 スグに距離をつめて、ポカポカ攻撃。


「うぎゃー!」


 ふふふ……往生せいやー!


 後衛のリスちゃんも地面に転がした。


 ふう、スッキリ……じゃないわ、ああー、ごめんなさいー(でも楽しい)。


 ミッちゃんも満足げにうなずいた。


「今のお姉さんのように、連続攻撃をしてくる相手じゃと押し切られてしまう。【巨大な盾】を掛けてもらったからといって、これを過信するでないぞ。キチンと防御もするんじゃ、良いな?」

「はーい!」


 おぉ~、ミッちゃんが今いいコト言ったわ。教育者ポイント、1点回復ね(さっきのサインでマイナス100)。




 授業の後半は、2対2で【巨大な盾】を張る&壊すの練習をしてた。


 うふふ、ほほ笑ましいわね~……あら?


「ラビの攻撃は弱いなー。盾なしでも止められるぜ」

「うぅっ……」


 ありゃま、男の子チームにラビちゃんがアタックしてるけど、ポカポカが大振りなせいで簡単に防がれちゃってるわね。本当なら、もっとコンパクトな武器がいいんでしょうけど、みんな同じ棒だし。


「だいたいさー、防御できても、攻撃しなきゃ勝てないじゃん。ラビじゃ勝てないぜ」


 あーあー、こういう男子いるよねー。不必要に言っちゃうの。

 ラビちゃんは泣きそうなのを耐えてポカポカ。よし、やっちゃれ!

 ンでも、ラビちゃんパワーだと男子を倒すことはできなかった。むー、残念。


 今度は、前衛と後衛が交替。


「よくもラビを!」


 うん、その男の子じゃないけどね。――でも、こっちの女の子はポカポカ叩けてる。余裕で押し勝ってるわ。さすが狼ちゃん。


「――あ」


 そっか……違うのよ。


 あたしは慌てて、他の子たちの戦いぶりを見た。


 うん……やっぱり。


 スゴいわ、この子。




「んむ。では、今日の授業は終わりじゃ」


 ミッちゃんが挨拶をした。


「今日からは、パーティを組んでダンジョンに潜るのも許可するぞい」


 お、子供たちからスゴい歓声。サプライズだったのね。


「じゃが、くれぐれも一般の人に迷惑を掛けぬようにな。それと、怪しい人がいたら、速やかに【終了】。そして、ワシら先生に知らせてくれ」

「はーい!」


 ああ、「ざまぁ団」とかいう妙な奴らもいるしね。


 みんなはスグにパーティ組んで【終了】してた。キャラを大人バージョンにして、本社ビルの前で集合するみたい。


 あたしも園長から箱をもらった。いぇーい、ラブリーボックスちゃんゲットよー。


 そんななか、1人寂しそうにしてるウサちゃんがいた。


「ラビちゃん」


 しゃがんでニッコリすると、ラビちゃんもほほ笑み返してくれる。


「ラビちゃんは、ダンジョンとかイヤなのかな?」

「うぅん……。でも、わたしが行くと足手まといだし……」


 あー、さっきも女の子チームから誘われてたけど自分から拒否しちゃってたもんね。もうちょい強引に誘って欲しかったトコだけど、それを求めるのは酷かー。


 ――よし!


「んじゃ、お姉さんと組もっか」

「え……?」


 ちょっと嬉しそうなラビちゃんだったけど、スグに耳が千切れそうなほど首を横に振った。


「め、迷惑ですから……」

「ん~ん」


 肩にそっと手を置く。


「あたしが、ラビちゃんの能力を買ったの。組んで欲しいんだけど、いいかな?」

「は……はい」


 コクンとうなずくラビちゃん。あーもうカワイイ!


 気付いたらギュッと抱きしめてた。はふーん、モフモフは正義!

授業で使った呪文です。



【巨大な盾/Great Shield】

レベル1・青魔法/コモン

分類:防御

効果:【巨大な盾】が付与されたキャラクターへのダメージを防ぐ。その後、【巨大な盾】は消滅する。

「水の魔術師は、盾も弱いな」

「うん……そうだね」

    ――魔道学院にて、赤魔道士と青魔道士の会話

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