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サボ天使、ガチャVRに人生極振り! ~デッキを組んで強くなる世界で、魔法カード0枚からの成り上がり!~  作者: ラボアジA
2章 〖デス・エレメンタル〗編

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26話目 くるくるぱーん

 むぎぎぎぎ……。同じ相手に3敗は出来ないわ。そりゃあ、飛べば勝ってたけど、それを言い出すのはあまりに大人げないし。

 時間的にも、次で別の子たちと入れ替わりだものね。こんなときは、コッペリアのデータをチェックよ。


 ――ん、攻/速/体が4/3/5。能力は……「何かの呪文を使おうとしたら、コッペリアがスロットに戻る」ってトコが厄介ね。


 これって、あたしがコッペリアを倒す寸前、向こうが瞬間魔法を唱えればスロットに戻せるんでしょ? ズルいわね~……って、コモンだし! この世界、フツーにコモンが強いわよね?


 ふむ……とすると、こんなワザはどうかしら。


 あたしは、2戦目と同じく、まずは【紡ぎグモ】を2体出した。それから3体目を出して、別のコッペリアに向かわせようとする。


 その時。


「あー、しまったー」


 ガードに使ってた杖を、ウッカリ落とした。

 すかさず3体目のクモちゃんにカバーさせて、あたしはスゴスゴと後ろへ。


「へへーん! お姉さん、ヘタクソだなー!」


 子供の素直さは、時に残酷よのぉ……なんちゃって。


「戻れ、レーヴァテイン!」


 ぐるぐる、パァン!


「いよっし!」


 レーヴァテイン、炸裂! アーンド、キャーッチ!


 ふっふっふ……あたしに戻るスピードって速かったもんねー。絶対ダメージ判定があると思ったわ!


 狙い通りのあたしとは対照的に、子供たちは呆気に取られてた。


「あ……え!?」


 アラアラ、坊やたち? 戦場で止まるなんて、命取りよォ?


「とえりゃー!」


 コッペリアには当てようとせず、その後ろに放り込む!


「そして、戻れ!」


 くるくるっ、パーン!


 いやー、これは使えるわ。技名は、「くるくるぱーん」ね! ――あー、いや。コレはなし。


 ともあれ、一度コッペリアの撃退法を見つければ、あとはラクだった。「置きレーヴァテイン」を過度に警戒されたときは、直接殴りにいけばいいし。

 あと、コッペリアの再召喚には、やっぱり1秒かかるってのもポイントね。

 ヤツが消えたら、本体をポコポコすればいいんだもの。


「ズ、ズルいぞ!」

「ほっほっほ、負けて得られる経験も多いのよー」


 チビッコ相手のチャンバラなら、レーヴァテインのリーチで勝てるわ。あ、そーだ。攻撃が当たったら【闇の衝撃】使おーっと。はい、2倍、にばーい。


 かくして3戦目は、あたしが面目躍如を果たしたのでした。ふふ~ん、ハンデマッチも何のそのですわ~。


 その後、別の子供達との対決でも、最初は勝たせておいて、あとで杖のコンビネーションを決めるという、「見事な教師」っぷりを見せられたのでした。まる!






「ふぉっふぉっふぉ、みなよく頑張ったのぉ」


 授業の終わりに、園長は子供達を校庭へと集めていた。


「【踊る自動人形】のユニットは、たしかに強い。呪文を唱えるとスグ戻る、これをメリットとして扱えればの」


 そこで園長は、あたしをチラ見した。


「しかし、コチラのお姉さんのように、お主たちの盲点をついて、一撃で倒す相手もおる。じゃから、しっかり気を配って、うまく使うんじゃぞ?」

「はーい!」


 いやー、本当に素直だこと。


 日直の子の合図で「さようなら」が言われると、子供達は次々と【終了】していった。


 園長があたしに近寄ってくる。


「お疲れさまじゃの、シャボン」

「あのぉ……園長? 最初に飛行を止めましたよね」

「ん?」

「本当はあたし、ボロ負けの予定でした?」

「い、いいや~? ふぉっふぉっふぉ」


 ナマズひげをなでて、ゴマかし笑い。――うわ~。「初心者歓迎」ってのは、そういう意味だったのね。単なるカカシが欲しかった、と。


「園長……。男の子も女の子も、〖デス・エレメンタル〗を使う奴より強敵でしたよ」

「ふむ。単に脱法ユニットを使うよりも、基礎からシッカリ学んだ方が強いというコトじゃな」


 ンまあ、まことに教育者らしいお言葉ですこと。

 でも、今のあたしからしたら、蛙のツラに何とやらね。ツルンとした緑色が、スゴく小憎らしいわ。


 ミッちゃんは、明後日のほうを向いてジジイ笑いをしていた。

くるくるぱーんで活躍した呪文です。


【忠誠武器/Loyal Weapon】

レベル4・銀魔法/アンコモン

分類:付与

能力:所有している武器を手元に戻す。

王から新呪文の開発を急かされていた魔術師サラマンは、「命令するのはさぞや楽しいのだろうな」と思い、【忠誠武器】を作った。

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