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サボ天使、ガチャVRに人生極振り! ~デッキを組んで強くなる世界で、魔法カード0枚からの成り上がり!~  作者: ラボアジA
2章 〖デス・エレメンタル〗編

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24話目 撲殺天使サボテンちゃん

「どの天使がサボテンか分からなかったからな! ノコノコ出てきてラッキーだったぜ!」


 はー、サーチしたのねヒマ人。もとい、クマ。後ろのウマシカも笑ってるし。馬鹿1と馬鹿2ね。


 ケド……ふふふ、ずゎんねんでした。


 あたしは早速、新加入の戦力をインベントリから取り出した。


 ――今宵のレーヴァテインは血に飢えておるわ。なんちゃって。


 馬鹿リーダーは見咎めてくる。


「お? なんだ、その杖は?」

「ベアの兄貴。あのサボテンの持ってるヤツは、魔法の武器ッスよ」

「ほほー、マジか! じゃあ、俺たちが拾って使わせてもらうか」


 何が「じゃあ」よ。仲間も連れてきてるし、本性を剥き出しにしてきたわね。


 銀狐も顔を出した。


「ヘンな人たちがいるね」

「ええ、銀ちゃん」


 馬鹿リーダーを杖で指す。


「あのクマが、トカゲと【地震】のトレードを持ちかけてたの」

「ふうん……加勢する?」

「ん、大丈夫」


 あたしはスタスタと歩いていった。


「初心者に負けた、クマさんでしたっけ」

「なにぃ?」

「仲間を連れて復讐ですか? 大きなのはアバターだけで、やることはみみっちいですね」

「――おい、お前ら。コイツが逃げないように見張ってろ。俺1人で始末する」


 後ろのお馬鹿コンビに言い捨てたクマは、白い光を集めて羽を生やした。


「さっきのは、マグレだってことを教えてやるぜ!」


 ふふーん、すでに過去のあたしとは違うのよ。


 《天使の羽》をぶわっと広げて飛び上がった。クマの背後には巨大なカルイザワビル。うーむ、微妙にキマってるのがウザいわね。


 クマは〖デス・エレメンタル〗を召喚した。


「かかれ!」


 ふっ、操作してるヤツが真っ先に来てるコトぐらい、お見通しよ!


 スパーン!


「なっ!?」


 慌てるクマ。――おお、軽い手応えで本当に一撃だわ。


「クセになりそうね」


 不敵に笑ってやると、クマはまた白魔法を唱えてた。


「【武装解除】! 落とせボケ!」


 あら、ポロッと放しちゃった。どんなに頑張っても落とす仕様なのね。


 目の前にはエレメンタル3体。あたしは手ぶら。


「死ねえ!」


 ふふふ、ハチミツよりも甘いわ、クマちゃん。


「戻れ、レーヴァテイン!」


 くるくるくる、ガシィッ!


「なっ!?」


 スパパパーン!


 ああっ……快・感。


 ちゃんと手に収まって、そこからの連続攻撃。――スッゴい気持ちいい、これ。


 試し振りをブンブンやってると、クマがわめいてた。


「クソッ! お前、一撃当たれば死ぬんだぞ!? コワくねえのかよ!」


 フ~ンだ。スカーレットちゃんとの死闘に比べれば、そよ風みたいなモンよ。


 あとね? あたしは、株をやってたの。


 やればやるほどカネが減るなんて、日常茶飯事だった世界よ? ゲームで死ぬぐらい、ヘソで茶ァわかすわ!


「くたばれ、サボテン!」


 威勢だけはいいクマちゃんが、第2陣を送ってきた。は~い、絶好球で~す。


 パン! パン! パン! パン!


 ハイ、4連葬らん。


「もう終わり? 正直、クモちゃんやアリちゃんの方が怖かったわよ?」

「ぐっ……」


 本当にターンエンドみたいなんで、あたしは緑の光を左手に集めた。ふわっと広がると、そこにはビーちゃんズが4体。


「あなたの死の精霊なんかより、あたしの【死の群れ】の方が強いことを教えてあげるわ!」


 ビーちゃんズの操作を素早く切り替えつつ、ヒジとヒザの関節を狙う。


 ――ここを刺したら、その四肢が10秒使えなくなるのが《麻痺》だったとはね。いや~、てっきり全身シビれると思ってたわ。銀ちゃん、サンクス!


「ちぃっ!」


 クマは第3陣を出したけど、防御に使うばかり。――あらあら、そんなに本体の近くで操作していいの? またお腹に穴が開くわよ? ププッ。


 ま、あたしがツブすんだけどね。


 パン、パパン、パン!


「さ、これで終わりよ……って、あれ?」


 〖デス・エレメンタル〗が、増えてた。


 ひーふーみーよー……え、8体?


 おかしいじゃない! 「サイズ:小」でも、1人4体が限度でしょ!? どういうこと!?


「――あ」


 あたしは下を見た。

 案の定、馬鹿コンビが、こっちを見上げてニヤニヤしてる。


 こ、こいつら……ヒキョーにも程があるでしょ!


 多勢に無勢で、今度はあたしが防御に回らされた。クマもちゃっかり補充して、12体で攻めてくる。


「くぅっ……」


 お互いにブツからないのは、オートモードの設定を変えたのかしら。向こうもイヤな学習してきてるわね!


 アクティブな奴が3体もいると、さすがにキビしい。ビーちゃんズを盾にするけど、どんどん削られる。


「ズルいわよ、あなたたち!」

「ハハッ、負け犬の遠吠えだな、サボテン!」


 片っ端から【雄蜂の斥候】を出してブロックするけど、焼け石に水。


 もう……ムリィ!


 白い光に囲まれた。


 ブツかる!


 そう思ったとき、そいつらが一斉に消える。


 ――あら? 助かった?


「はぁ!? サボテン、お前何やりやがった!」


 え、あなたたちじゃないの?


「私ですよ」


 見ると、銀狐が手を挙げてた。


「1対1というので見守ってましたが、勝てなくなって1対3になったようなので、ちょっと【絶滅】を打ちました」


 奴らを見てほほ笑む。


「そうそう。知人のフレンドの動きが良かったので、【雄蜂の斥候】を使って撮影していたのですが、動画を投稿しても良いですね?」

「うぐっ……!」

「許可なしでも上げられますが、一応お断りをしておきます」

「く、くそっ!」


 クマと馬鹿コンビは、逃げるように退散していった。

 ひゅーっと降りていき、羽を消す。


「ありがとう、銀狐」

「どういたしまして、シャボン。――こっちの世界は、死んでも死亡にならないんだ。相手をただ殺すよりも、真綿で首を絞める方が効果的だよ?」

「肝に銘じるわ」


 相手だって何度でもやり直せる以上、それを撮影して広く知らしめた方がいいってコトね。よく分かったわ。


 それにしても、銀ちゃん……スゴくイキイキしてるわね。


 空から【雄蜂の斥候】を呼び戻した銀狐は、撮影データを浮かび上がらせると、ニコニコ顔でチェックしてた。

この世界のドローンについて載せておきます。



【雄蜂の斥候/Drone Scout】

レベル2・緑魔法/コモン

分類:召喚(昆虫)

攻2/速3/体1

サイズ:小

特徴:《飛行》《録画》

「嘆き森の雄蜂は、針を持たぬ代わりに、情報を持って人を刺す」

    ――エルフの野伏

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