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サボ天使、ガチャVRに人生極振り! ~デッキを組んで強くなる世界で、魔法カード0枚からの成り上がり!~  作者: ラボアジA
1章 ダンジョン死闘編

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10話目 だいたい社長のせい

 ひとまず、目的は達成ね。


「エイホウさん。ライフってどうやったら回復するの?」

『1分で1ずつ回復します』


 うおぅ、マナの60倍の時間。――ま、回復するだけ良しとしましょう。


 スカーレットちゃんが掃討した残りのクモカードも、全部回収しとこっと。


“どのカードを外しますか?”


 え、何コレ。唐突に出てきたケド……って、あー、もう60枚か。夢中で拾ってると、スグ埋まっちゃうのね。


 なんか、マテ貝取りを思い出したわ。広い干潟で、塩を穴にサッサッと振ったら、ピョコってマテ貝が顔を出すの。調子に乗ってドンドン振ってたら、次の日は足が筋肉痛だったっけ。立ってしゃがんでのやりすぎで、ナチュラルにスクワットしてたのね。


「……って、こんなしょーもないコトは覚えてるし!」


 家族構成すら思い出せないのに。ん~、記憶の神秘。


 とりあえず、拾ったカードはインベントリへ入れといた。

 フロアの敵は全滅させたっぽいし、ここでライフを回復させましょ。あと、スロットの魔法も試すわ。


「お」


 ちょうどクモが使えるみたい。コイツはレベル4だし、8マナあればOKっと。


「いでよ、紡ぎグモ!」


 し~ん。


「ま・た・か~!」


 今度は何よ!?


「エイホウさん、なんで【紡ぎグモ】が出ないの?」

『緑の魔色がないためです』

「え?」


 初登場のワードね。


「マナとは違うの?」

『はい、違います。魔色とは、アバターが使える呪文の色を決めるものです』

「何ソレ、めっちゃ重要じゃん」


 社長……教えとけー!


「あれ? でもあたし、決めた覚えないんだけど」

『全てのアバターは、ゲーム開始時に、8つの色を1つずつ、合計8つ持っています』

「ふむふむ」

『魔法スロットに最初のカードを入れた時、魔色全部がその色に切り替わります』

「初耳ィ!」


 え、あたし赤で固定!? 大量のクモたちは、緑だからお役御免!?


「ねえ、魔色って変えられないの!?」

『ステータス画面の魔色から、いつでも変えられます』


 ふぅ、セーフ……って。


「そんな文字、ないわよ?」

『2ページ目です』

「ぐはぁ!」


 社長……教えとけー!(1分ぶり2度目)


『【紡ぎグモ】はレベル4なので、緑の魔色を4にしたら唱えられます』

「へ~い」


 んじゃま、緑4・赤4にしてと。


「出ろ、紡ぎグモ!」


 し~ん。


「だーかーらー!」

『魔色は、色を減らした効果は一瞬で出ますが、増やした効果は30分後です』

「ヒドい!」

『初回だけは一瞬です』

「ハッ、やさしー」


 それって絶対、気付くタイミングを遅らせて、戦闘時に発動するワナよね。


「ねえ。レベル7だと、魔色も7以上必要なの?」

『1つでもあれば唱えられます。ただし、レベルに満たない秒数分、余計に時間が掛かります』

「足りてれば、何秒?」

『通常は、1秒で発動します』


 う~ん。ならやっぱり、戦闘での魔法って、レベル分の魔色が必須ね。チンタラ待ってくれる敵なんていないし。


 あたしは、【クモの女王】のカードをチェックした。

 女王様もレベル7なのよね。その分、効果は絶大。半径10m内のクモの能力がオール+1とか、これってもう、「クモデッキを作れ」ってお達しでしょ。


「決めた!」


 緑7、赤1に変更! スカーレットちゃんは強いけど、今は色々試す時期だわ!


 魔色が変わるまでの時間は、フロアを探検して回った。途中で地底湖を発見したりしつつ、30分が経過する。


「ようやくね」


 召喚した紡ぎグモは、体長30cmほどだった。


「やっぱり小型化してたわ……あら?」


 スカーレットちゃんの巨体が、消えた……?


「エイホウさん。クモちゃんを出したら、スカーレットちゃんが消えたんだけど、なんで?」

『アバターが召喚しておけるユニットには、上限があります。サイズ大なら1体、中なら2体、小なら4体までです』

「ぐはぁ」


 女王様と40匹のクモっていう、盗賊団も真っ青なシチュが、もろくも崩れ去ったわ。

 しょうがないので、女王様と2匹の子グモで我慢。あ、女王は1.5mぐらいね。人間サイズが中みたい。


 鍾乳洞の探検を再開した。ほどなく、出口がないことを確認する。


 ん~、ってコトは、またスカーレットちゃんの頭突き? でも、今度は1からだし、魔色も変えちゃったしなあ……。


「あ」


 地底湖を見つけてたわね。

 水にはお世話になったし、ちょっと潜ってみましょ。


 ザブーン。


「――ビンゴ!」


 横穴発見!


 クモたちは潜れないみたいなんで、あたしだけ潜水。

 運のいいことに、穴を通ったらスグ浮かび上がれた。


 その直後。




「♪~」




 女性の、軽快な歌声が聞こえてくる。


 小さな鍾乳洞のなか、ステージみたいに一段高い場所があって、銀髪のマーメイドちゃんが歌ってた。足はあるけど、耳ヒレで判明。


 うわぁ……すごく綺麗。


 おっと、まずはステータス確認ね。




名前:アイス・VO

種族:〈魚人/Gills〉

攻撃:2

速度:5

容貌:神秘的

年齢:17

身長:170

体重:54

領土:【ガイア/Gaia】


特記事項:中の人はおっさんだ。幻想を抱くべからず。




 ――おっさん?

緑にシフトしたので、クモとハチのカード効果を載せておきます。(他の色は活動報告に置いときます)


【クモの女王/Spider Queen】

レベル7・緑魔法/ウルトラレア

分類:召喚(クモ)

攻3/速5/体3

サイズ:中

特徴:《蜘蛛の糸》

能力:半径10m内のクモユニット全てを+1/+1/+1。

「神より優れた織物を作ったために、クモにされた女がいたわ。いわく、『傲慢』。――笑わせるわね。優れた物は、優れているの。さて、今日も織ろうかしら」  ――アラクネ、クモの女王



【死の群れ/Swarm of Death】

レベル5・緑魔法/アンコモン

分類:召喚(昆虫)

攻1×4/速3/体1×4

サイズ:小

特徴:《飛行》《麻痺》

「蜂の羽音は、象をも退ける」  ――エルフの格言

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