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バニシングセブン  作者: カサ
4/12

ARYA FD3S

都内 ファミレス

イタリアン系ファミレスのテーブル、黒川の隣に結花そして反対にきらら

「ところで、バニシングロータリー、でしたっけ?それってなんですか?」

コーラーフロートを幸せそうにすすりながら話す結花

コーヒーカップを持ちながら語る黒川

「90年代あたりに、すげぇロータリーチューナーが作った正確な名前はARYA FD3S Rシリーズだったかな後ろにR1~R6の6台制作されそれもどれも消息が絶ってる曰く付きのFDのことだ」

「じゃあ、私のFDも・・・?」

どうやら知らなかった模様の結花

「いいや、整備記録簿見たけど恐らく作成は新屋だと思うがそもそもARYAシリーズは2ローターターボ。新屋ってチューナーはそこにはこだわってた筈だ」

すると疑問に思ったきららが聞く

「どうしてそう言えるんですか?今じゃ知ってる人も限られてる車なのに・・・」

「遭遇したことがあるんだよ、新屋とARYA FD3S R1にな」

「!?」

きららは驚く、新屋というチューナーは雑誌嫌いであり媒体での記憶が殆どなく当時知ってる人間の口コミが伝説になり幻に近い存在だったからだ

それに会ったことが人間も今じゃ調べようがないぐらいである・・・

「ARYA FDはFDの原型を崩さないというのがモットーというか、エンジンは頭脳、換装すればFDではない。 奴はそういう信念の持ち主だからな」

「・・・エンジンが頭脳?フツー心臓とかじゃないんですか?」

スプーンでフロートのアイスを頬張りながら聞く結花

「例えば、R35に第二世代GT-RのRB26のエンジン載っけたら別モンの車になるよな?記者さん?」

「結構極端な例えですけど、確かに性格や車の方向性が変わりますね・・・なるほど、それで頭脳ということですかね。」

「ふーん・・・」

あまり興味がなさそうに聞く結花。

その姿に少し疑問に思ったきらら・・・18か19ぐらいの子だ・・・それにあんまり車に興味が薄い?

「結花さんすごいですよね、あのチューンドFDを乗りこなしてるんですよね。」

「んー・・・どうなんでしょうね黒川さん」

そう言うとはっきり黒川が

「結花ちゃん、はっきり言ってあんまり上手くねーぞ?あのFDが乗りやすいんだよな・・・乗り手に忠実な駿馬超えた忠馬というべきか・・・」

「???」

首をかしげるきらら

「なんなら、あのFD。3日程あんたに貸してやろうか?そのほうがわかるだろ。」

「え!?いいんですか!」

思わぬ提案で驚くきらら

「結花ちゃんもそれでもいいよな。」

残りのコーラをすすり切り

「うん、構いませんよ。」

あっさり承諾する・・・きららは少し考え。

「それなら、R35。あなた方に交換という形でどうでしょう。」

「おや、いいのか?そりゃ嬉しいが割に合わない気もするが・・・」

「構いませんよ、存分に乗りましても。その代わりこっちも本気で踏みますよ」

「面白そうじゃないですか、見るたびに気になってたんですよねあの存在感のある車に」

目をキラキラさせる結花

「うん、まあいっか結花ちゃんにとってもいい経験になるか・・・」


ファミレス駐車場

「FDの私物があるんで、ちょっと取りに行きますね」

R35とFDが並ぶ二台、FDに向かう結花

「そういえば、なんで結花ちゃんがFDの乗り手なのか?って気になってるだろ?」

コクりと、黒川の発言に頷くきらら

「見てみろよ、FDと結花ちゃん・・・」

FDと結花ちゃんのツーショット、それは似合う。驚く程お似合いな光景だった

「つまり、そういうことさ。似合う同士が乗るのが一番絵になるだろ。」

「・・・カメラ、持って来ればよかったですね。」

「新屋が苦悩の末、答えがあの形のFDであり、望んだ姿、望んだ光景かもな」


夜が明けかかる4時、やや薄暗の夜空の駐車場。そのFDと結花の姿はあるべき姿、もっともFDが見栄える絵として写る・・・

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