忘れられない。1
本作品にようこそお越しくださいました!!
初めまして!!
さなと申します
この度は私の処女作に来てくださりありがとうございます!
アホながらもみなさんに楽しんでいただけますよう精一杯頑張ります
夢小説のような書き方なので苦手な方はbackをお願いします
虚しい。
條場 きい 28歳
会えるわけない人に恋しています
まさか自分が彼のことを20年間も忘れられないなんて思っても見なかった
ー20年前
それは2人で学校から家に帰る途中のことだった
「りょおちゃん」
「なぁに?きぃちゃん」
「あそこみてー?わんちゃん」
「ほんとだ 行ってみよう!」
「うん」
重たいランドセルを背負いながら2人でわんちゃんのとこまで走った
「こんにちは わんちゃん どうしたのー?」
「ん? 拾ってください だって 捨てられたのか?お前」
「くぅん、」
「そうなんだ……」
「ひどい飼い主……」
その時私はひどくこの子を捨てた飼い主を子供ながらに憎んだことを覚えている
きっと亮も私と同じような感情を持っていたと思う
「でも 私たちも拾えないよ……ごめんねわんちゃん……」
「俺らも拾えない……」
「くぅん、、」
あの時は二人で泣きながら帰った
ままに話したら次は拾っておいでって言われたからちょっと後悔したことを覚えている
その次の日
わんちゃんは昨日居た場所には居なかった
きっと優しい人が拾ってくれたのだろう
幸せになれるといいと思って一人で公園で泣いてた。
それから違うワンコに会ったのは今から5年まえ
あの時とは場所は全然違うけどなんとなくあの時を思い出して
幼馴染み……いや 15年間以上片想いしている相手のことを考えてしまって
なんだか涙が溢れた
少し忘れっぽい私にしてはすごいことだと思う
いや
彼との思い出は沢山おぼえている
べつに私は自分のことを馬鹿だとは言っていない
人並み以上には勉強も運動も絵だってかけるし大雑把にしてはいるけど実はかなり器用だし
なんてことを考えて1人でふふっと笑っちゃって
「くぅん?」
犬に変な顔で見られてしまった
その時 鞄にある大人気アイドルグループのキーホルダーをつけている女の子が通りかかった
女の子が背負っていたのは黄色のいわゆる痛リュックと呼ばれるもの
そこにはetoileというアイドルグループの大村亮の雑誌の切り抜きや写真が沢山あった
少し困り顔の亮
微笑んでいる亮
凄い楽しそうな亮
ぼーっとしている亮
綺麗に泣いている亮
セクシーな亮
メンバーと楽しく笑いあっている亮
どれもが私だけに向けて欲しい顔で
その顔が全部15年前は私に向けてられていたんだと思うと
悲しくて悲しくて
なんであの時東京から大阪に引越してしまったのだろう
そんな事しなければ今頃亮と一緒にいれたかもしれないのに
しかも犬をみた次の日の夜に引越し事を聞かされ、急にその日の次の日に引越しをしてしまった
引っ越したのは夜だったから
昼間は集まってきてくれた私の友達と私と亮の家の真向かいに住むとてもおっきい家のおばちゃんがお別れ会を開いてくれた
毎年、お父さんがいない私の家と亮の家で旅行に行っていたんだけどその年はままが断っていて
そのときはなんでかわからなかったけど
その日に理由がわかった
亮の家が旅行に行くのは
私の引越しの日だったのだ
案の定亮はお別れ会には来れなかった
亮は何にも知らされていなかったみたいで 怒りっぽい彼は拗ねてしまった
年賀状のやり取りはしていたけど何せ家はシングルマザーだから忙しいしあんまりお金も無いからなかなか東京へは帰れなかった
東京のあの家は元々お母さん側のおばあちゃんの家だったから売り払わないでそのまんまにしてあった
私がハタチになったら私は東京で一人暮らしをする事になっていたからそれまで東京の家の土地代とかは全部おばあちゃんが払ってくれていた
年賀状でも拗ねている様子がわかった
私は毎年亮に言葉を書いていたのに亮は1度も書いてきてくれなかった
でも 年賀状が来るだけ嬉しかった
5年後亮は有名タレント事務所に入所
その影響もあってかは知らないけど 年賀状は家族写真ではなくネットから拾ってきた絵だった
私はその頃美術部に入ったから年賀状の絵を私が書いた
亮はそれからすぐとても人気者になった
お母さんはデビュー前からずっと亮が出てる番組や雑誌 映画のDVDドラマのDVD そしてライブのDVDなど全部買っていた
決して私は見なかった
どうせ彼は私のことなんて忘れているんだから
私はたまたま見ても悲しくなるんだから
泣きたくなるんだから……
今も
ほら
泣いた。
その悲しそうな犬に自分を重ねてしまって
そこそこいい会社で働いてそこそこいいお給料を貰って おばあちゃんの一軒家を受け継いでいるからお金は全然余裕があって
すぐその犬を拾って 必要な手続きを、まだ明るかったからその日のうちにして近くにあったペットショップによって必要なものは全部揃えた
ちなみに手続きに書いた名前は
りょう
男の人は女の人をおもう時は女々しいって使うなら
私の場合はなんて呼べばいい?
私もきっと女々しいというのだろ
ねぇ
亮
私ね
彼氏出来てもすぐ別れちゃうんだよ
なんでだと思う?
亮のこと
忘れられないからだよ
ねぇ
私のこと覚えてる?
って1人で心の中で語りかけて
んなわけないのに
バカみたい
また泣けてきたよ
1人で目に涙をためて笑っていたら
「くぅん?」
「あはは 大丈夫だよ」
犬にまで心配させてしまった
会いたいよ
亮……
それからあの犬も5歳になった
勿論亮には会えてないわけで
探すわけにも行かないし
犬を拾ってすぐに
母親は病気で亡くなるし
いろいろ大変だった
結局母親は心配だとか言って死ぬまでずっと私と一緒に住んだ
お葬式には亮の家族を招待した
そしたらおばさんとおじさんが顔を出してくれて
その上私の母なんかに対して泣いてくれて
嬉しかった
「久しぶりね きいちゃん」
「お久しぶりです 久しぶりに会ったところがこんな所で本当にすみません 今日は来てくれてありがとうございます」
「そんなに堅苦しくしないでちょうだい それにしてもいいお葬式ね」
いいお葬式
亮のお母さんはそう言ってくれた
前と変わらないあの優しい顔で
「はい たくさんの方が母の最後を見ようといらしてくれて」
「美鳥さんが沢山の人に思われてた証拠だな」
お父さんも変わらない厳ついけどすごく柔らかい笑みを浮かべている
「はい 本当に嬉しくて」
「よかったなぁ」
そう言って昔のように頭を撫でてくれた
と思ったのに
すごいスピードで手を離した
「これも今の若い子達にはセクハラになるんだな!!ごめんっほんとにっ」
「いいですよぉ 懐かしくて嬉しいです」
すごい勢いで頭を下げてくるのが少し面白くて
とっても懐かしくて
とても素直になれた
「そうよねぇ きいちゃんはほんと綺麗になったわねぇ」
お母さんも優しく頭を撫でてくれる
「そうですか?私の周りの方が綺麗な子いっぱい居ますよ」
「そないことないんじゃない 亮の嫁になって欲しいわ」
「そんなそんな」
ドキってした
口では謙遜したけど
心ではそうなれたらいいと思ってる
「もうきいちゃんは亮のことなんとも思ってないのか?」
「そういう訳では無いですよ」
「そうよね!まぁでもきいちゃんはモテるだろうし逆に亮が釣り合わないんじゃない?」
「それは絶対ないですって」
「そうかぁ?」
「そうですよ笑面白いこと言いますね」
「ありがとぉ!!」
お母さんはふふっとお淑やかに笑った
自然と笑顔も移るものだ
「まぁでもなぁ亮もきいちゃんに会ったらいいんだけどなぁ」
「ほんとよ!!素直じゃないからなぁウチの子は」
「それに俺らんとこにも全然帰ってこないし 忙しいの分かるんだけど少しは顔出して欲しいわぁ」
「私も会えたらなって思います」
「きいちゃんもそう思うわよね!!もうあの子は……こんなかわいい子を残して……」
「ふふっ」
すごく騒がしい
それがすっごく嬉しい
「あっちょっとこの後友達との約束があるの だからもう行くわね」
「はい!本当に今日はありがとうございます」
「それじゃあまたうちに遊びにおいで」
「ありがとうございます!!」
こんな会話を交わして亮の両親からは別れた
久しぶりの会話に懐かしく思い嬉しく感じた
それからあの大きいとは言えないけど普通な一軒家に一人暮らし(りょうも一緒だけど)
お葬式から1年
26歳
後輩の中で一番仲が良く そこらの同僚よりも全然仲が良くて会社の中で一番仲のいい後輩
美河 綾恋
通称 あやちゃん
彼女は元々お金がなくて古いアパートに住んでいたんだけどそのアパートに10月、事件が起こった
犯人は誰かわからないけどその誰かがゴミの上に放ったタバコでゴミが燃えてそこの古い木造アパートが焼けてしまった
行くあてのない彼女は私の家を訪ねてきた
ここの家の税金とか色々込みで半分払うからここに住まわせてくれ と言ってきた
一人暮らしの身だったからここに住まわることを了承した
色々2人でルールを決めて彼女の部屋も作って
今は喧嘩もたまにするけど仲良く二人暮らしをしている
まぁ懐かしくも思いながらゆっくり新しい彼氏を探していた
まぁどうせ長続きしないのだけど
そうやって考えていた26歳
それから何事も無く
平穏無事な生活をおくっていた
そうしている反対方向に回っていた運命の歯車が正しい方向に周り出していたのを鈍感な私は全然知らなかった
それでは2へgo!!