春夏秋冬海の底
掲載日:2016/02/11
月と太陽
北風は何処に
云うによると
放てど放てど
猶わが生活楽にならざり
天の乙女の御許に
心を射ぬくは鬼の流星
こころき こころき 御許へ
葬送するは童と隻眼
空をうつすは水鏡
あるいは因果の逆転か
彼の行く先は
放たれた音は
黄泉のその先 かえらずの里
金銀財宝沈みゆく
揺らぐ燐光 天空の塵
みすまる みすまる 夢と嘘
放てど放てど
天体は先のその先
絶ちきられ
橋と丁香
船と肉桂
朽ちる太陽
消える月
落ちる流星
彼方の浮き世
北風は何処に
まがごと まがごと 積もる白
進めど進めど
猶わが生活楽にならざり
ただひとつ確かなことは
彼は名前をひとつ無くした




