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草原、悪魔、こころのなか

気がつくと、俺は草原にぽつねんと立っていた。


いや。いやいや。


これはさすがにおかしいでしょう?てゆかマジでなんなんだ一体……。


ずっと突っ立っていても埒があかないので、歩きながらこれまでの出来事を整理することにした。


春樹とカラオケ←分かる

春樹が異世界に召喚される←分かる

俺が異世界に召喚される←分からない

女の子のパンツを偶然見る←分かる

なにか魔法らしきもので吹っ飛ばされる←分からない


ふむ。


結局俺がホモと思いきや実はノンケだった、ということしか分からなかった。分からないことだらけだな全く。


無駄な思索を続けながらひたすら歩く。だが、特に進んでいる気がしない。

ホントに一面見渡す緑なので、爽やかと言えば爽やかだけど、このままどこにも辿り着かないのではないか、という不安にもかられる。


ここまで一面緑の草原なんて、小学生だかの頃に社会の教科書で見たモンゴルの写真くらいだ。


どうしようもないから歩くけど。歩く。歩く。歩く。歩く。歩……疲れた。


「なんだよこれ……なんなんだよこれぇ!」


とりあえず最近、というか最後に見た特撮モノのセリフを叫んでみた。ただ疲れが増しただけだった。


そのまま、どれほど歩き続けていただろうか。


木だ。木である。多分。

木のようなモノが遠くに見えてきた。この木なんの木みたいな大きな木。


ちょうどいい、あそこで休もう。雲一つないここは、常に真上から日が降り注いでいる。正直暑い。


とても休みたかった。あるいは、あの木がゴールなのかもしれない。そう思わなきゃやってられない。なんのゴールかは知らないが。


木が近付くにつれて少しずつ木の様子も見えてくる。見えてからかなりの距離を歩いてきたが、まだ着かない。ただ凄まじく大きい木であることは予想できた。


そして、ようやく木の麓に着こうという時。木の下に座り込んでいる女の子が見えた。


誰だあれ。


だが、とりあえず人がいる。それはとても嬉しいことだ。彼女に色々聞けるかもしれないし。


そうこう考えていると、木の麓に着いた。そこで俺は、彼女の"白さ"にハッとなった。

白い髪、白い肌、白いワンピース。背中まで伸びているであろう髪をだらんと垂らしている。瞳は藍色に近い青。その瞳が細められ、ニコニコと俺を見ている。きっと、彼女が笑っていなければ、俺は彼女を人形か何かと間違えていただろう。それほどに彼女は綺麗だった。


「そんなにジロジロ見られると、さすがの私も困っちゃうなぁ」


「!?」


キエアアアアアアアアシャベッタアアアアアアアアアアアア!!


いや、冗談だ。


「ごめん。しばらく人に会ってなかった気がしたから」


とりあえず謝る。聞きたいこともたくさんあるし、ここで嫌われたくもない。


「ううん、いいよ。確かに最初にいた場所が悪かったみたい。次からはすぐここに来れるようにしておくね」


「次って……。聞きたいことがたくさんあるんだよ。出来れば色々教えてくれないか?」


「ふふっ、そのくらいならいくらでもどうぞ?というか、私はお兄ちゃんの言うことは基本なんでも聞くよ?」


ん?今なんでもって。


というか今のお兄ちゃん発言で少し萌えたと共に胡散臭さが増した。


「お兄ちゃんて……。まあいい、最初から聞いていこう。まず、ここってどこなんだ?というかなんなんだ?」


「ここ?お兄ちゃんの中だよ。ここはその中でも、私が間借りしてる領域かな」


「心って……まあ、とりあえず先に全部聞いちゃうか。じゃあ次、俺をお兄ちゃんとのたまう君は誰?」


「マリー。お兄ちゃんに憑いてる悪魔だよ」


………。


ふぅ、どうやらこれ関連の質問は後回しにした方がよさげだな。となると、これは異世界とかそこらへんについて聞いた方がいいな。


「えぇーと、じゃあ俺が来ちゃった異世界?についてはなんか知ってる?あ、でも俺の中にいたんならそこらへんのことは……」


「ううん、知ってる知ってる。確かに私はずっとお兄ちゃんの中にいたけど、その前はお兄ちゃんのお母さんに憑いてたからね」


母さん……。母さんと異世界の繋がりってなに……。


「じゃあ、色々教えてくれないか?えーと、地理とか、常識とか、あとはなに、多分必要になりそうなことを」


「うーん。私が教えてもいいんだけど、お兄ちゃんは後で色々教わりそうだしなぁ。じゃあ簡単なことをちょちょいと、この世界で戦うための知識だけあげるよ」


「戦う……?」


「うんそう、戦う。きっと必要になるよ。多分、地理とか常識より全然ね」


そう言って、彼女は俺の手に触れてきた。


「うん、決めた!戦い方だけ教えてあげる!後は自分で頑張ってもらおっかな」


「いや確かにこの異世界が予想通りなら確かに必要だけど、それだけってのは……」


「だいじょぶだいじょぶ!それにそろそろ時間もないみたいだし?」


そう言うと、彼女は何事かぶつぶつ呟く。同時、俺の掴まれた右手の甲に激痛が走った。


「いッッッてぇ!」


ただ、痛みが走ったのは一瞬。俺の中に、何かが流れ込んできて。


「じゃあ、また会おうお兄ちゃん!これから頑張ってね!」


そんなマリーを後にして、俺の意識は光に吸い寄せられた。


あの……。いや、すんませんはい。


というのも、第四話ですか?あそこらへん書いてる時に気付いちゃったんですね?


(あ、この先の設定何も考えてないぞ)


つまり、更新が遅れたのは設定を綿密に練りすぎた結果、と思ってもらって結構です。嘘です。


ただ、設定自体は殆ど練り終えたのは本当なので、ここからは更新が大幅に空くーなんてことはそうそう無いと思われます(フラグ)


では引き続きよろしくお願いします。

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