繋ぎの二話『夏です!海です!煩悩です!!』
何かどうなんでしょう?
タイトル的に?
本編とは全く関係ないです。
ミーンミンミンミンミンミン
季節は夏真っ盛り。
雫がこのクラスにきてからみんなとも結構親しくなれるだけの時間がたった。
「あづい……。」
外からは蝉のクソ喧しいドでかい鳴き声が聞こえてくる。
ここまででかい音が聞こえるんだから窓に10匹くらいへばりついてるんじゃないかと馬鹿なことを考えながら窓の外を見てみる。
これまたドでかい入道雲が山さながらにそびえ立っていた。
「……夏だなぁ。」
ここまでくるとどぉ〜でもいい感想しかでてこない。
20年ぶりの猛暑だとかなんだとかテレビのニュースでやっていた。
「夏だねぇ…暑いねぇ。」
独り言に返事が返ってきて少し驚き隣の机の方を見る。
へばっている雫がいた。
「きっとこの夏一番の暑さだね。」
「まだ7月上旬だぞ…ι」
「だって暑いよぅ暑すぎだよぅι」
「なんでも20年ぶりの猛暑らしいからなぁ…。」
「来年の花粉が心配なところだねぇ」
「…………確かにι」
あまりの暑さに会話が少し謎だ。
ちなみに今は授業中なのだが…。
そして我らが担任の教科なのだが黒板にはやる気のない文字で自習とでかでかと書いてあったりもする。
まさか生真面目に自習してる奴なんてほとんどいない。
こんな暑さの中、自習なんて真面目にしていようなんて奴は暑さと日の光のせいで頭が狂ったとしか思えない。
南でさえ下敷き片手にパタパタと扇ぎながらダレている。
後ろの春斗なんかはこの暑さの中で寝ている、そりゃもうぐっすりと。
その心構え、誠にあっぱれじゃι
できることなら俺だって寝たい。
と、気づくと雫がじ〜っと俺の顔を見ている。
「何だ?」
「いやー暑くて顔動かす気にもなれなくて、しょーがないから見るものないし東の顔を見てたの。」
「………重症だなι」
「………うんι」
暑さは衰えるどころか昼に近づくにつれて温度も上がる一方だ。
「曇んないかなぁ。」
「いっそ雨が降ってほしい…つーかどうした?今年の梅雨はだらしないぞ!!」
「残念でした、今日の降水確率は0%って朝ニュースでやってたしね」
新しい声に少し驚き顔を上げる。
「なんだ南かぁ…。」
「二人で話してたみたいだから。」
「ヤキモチか?ただでさえ暑いんだから頼むぜぇ」
「バカ?この暑さじゃさすがに勉強する気にもなれなくて…ι」
「ねぇ暑いよねぇ…さっすが南ちゃん」
「何がさすがなのかわからん」
全く…暑さでいかれたか?
だが暑い…それにしても暑い…ものっそい暑い……あー冷蔵庫に入りたい…。
せめて水風呂に…海かプールでもいいなぁ……。
「賛成。」
「はっ?」
いきなり何だ?南までいかれた?
「海かプールに行きたいって言ったでしょ?」
どうやら思っていたことを途中から声にだしていたらしい。
いかれそうなのはむしろ俺か?
危ない危ないι
「海がいいなぁ海ぃ〜」「私も……海、かな」
「そんじゃぁ俺も海だな!」
「うなっ?」
いつのまにか起きてやがった。
さっきまでグッスリだったくせに。
「それじゃぁ海に決定だね!」
・
・
・
・
「ひゃーっほーぅ!」春斗が我先にと海へダイブ。
バッシャーン!
「うひゃっ、つ〜め〜て〜!」
と、すぐ戻ってきた。
「あちちちちっ、あちっあちっ」
砂が焼けているせいだ。
「ほれ、サンダル」
「おっサンキュー!」
あっちあっち言いながらサンダルを履いている。
こんな片足だけで立って無防備でいられたら……………。
「おりゃっ」
と軽く一押し。
「えっ、おっおっうわったたたた」
砂にダーイブ。
「うわっちゃぁ!!だっ、あぢゃあぢぢぢぢぢ!」
転げ回って海へダーイブ。
「ごらぁ何すんだ!!」
「いやぁ、冷たくて海に入れなさそうだったからさ」
「だからってその焼けてる砂に突き飛ばす奴がいるか!?」
「いやいや、突き飛ばしてなんかいないさ。ちょっと押しただけだよ」
「何がちょっと押し…………」
いきなり黙った。
そんでもって視線が俺じゃなく俺の後ろにいっている。
「あ?どうし−」
「っどーん!」
「どわったっ!」
バッシャーン!
「ぷはっ、おのれぇ雫!」
後ろにいたのは南と雫だった。
着替えてくるのに遅れたんだろう。
春斗は二人に見惚れていたってわけだ。
実際二人はなかなか…海来てよかったなぁ〜と思ってしまう。
「よっ、水も滴るいい男!」
「このやろ…うりゃっ!」
おもいっきり水を飛ばしてやる。
バシャー!
全弾命中!……南にι
「……やったわねι」
「あ〜らら、やっちゃいましょーかぁ南ちゃん!」
「えいっ!」
南が渾身のジャンプ!
「ってあぁ!」
ふらいんぐぼでーぷれす。
バッシャーン!と本日三回目。
ちょっと痛い……。
と水中で真ん前にいる南と目が合う。
……改めて見て、やっぱり可愛い。
つーか…いや当たり前だけど、近いι
……ちょっといいかも。。。
って息が続かん!
空気〜!!
「ぶふぁっ!」
と、俺の肩を南が掴む。
「ぷはっ…ふぅ、冷たくて気持ちいい」
そのまま雫のところに戻って行った。
……ちょっと俺は水の中から出られそうもない状態になってしまったι
「お前もか?」
いきなり春斗に声をかけられる。
と……どうやら春斗も同じ状況らしい。
悲しいかな男のさがかι
今回の海水浴、前途多難な男子組である。
短いですねι
次はもうちょい長めにいきます。




