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第二話『仲間集ウ』

『ピーンポーンピンポンピンポーン』

玄関のチャイムを連打。

も一つおまけに『ピーンポーン』

ガチャッ

びしっ!

玄関が開いたと共に頭に南のチョップを食らった。

「うるさい、そんなに意味なく鳴らさないで」


「ごめごめっ、みんな集まってる?」


「まだ誰も」


まぁ俺の家が一番近いんだから当たり前っていやぁ当たり前か。

「おじゃましま〜す」


「台所行くんでしょ?」


パーティー用の料理を作るのはもちろん俺の役目。

昨日の内に下ごしらえはしといたけど本格的に調理するのは今からだ。

ガチャッ

ダイニングの扉を開ける。

「おぉ、来ましたか東クン」


「あら、早いわねぇ…東クンはお料理作らなきゃいけないからね」


最初のは南の親父さん。

次のはもちろんお袋さん。

「何か手伝うことはありますか」


親父さん。

穏和で物わかりのいい人だ。

「私も手伝うわよぅ?」


お袋さん。

なんかのほほんとしてる人。

「大丈夫ですよ、それに親父さんならまだしもお袋さんはちょっと…ι」

お袋さんと南に料理を作らせてはいけない…絶対。

「失礼ねぇ、私の作った物に毒でもはいってるみたいじゃない」

「見かけだけはいいんですけどねぇι」

そぅ、見かけはいいのだ…見かけだけι

味はなんというか…その料理じゃなければ旨いみたいな。

カレーの甘口だとデザートみたいになったり……デザート系を作ったらしょっぱいおつまみ系の味がしたりι

この他の料理なら美味しいってのは、頑張れば食べられそうで……実際は食えたもんじゃない。

親父さんは新婚時代にあれを毎日食ってたっつうんだから……大変だったろうι

「酷いなぁ、ちゃんとした食べ物よ」

「私は東クンの意見に賛成ですねぇ…」

見ていて、作り方は普通だし手際もわるくはない。

調味料とかも間違っていないはずなのに……なーのーにー、なんであんな料理ができるんだろう?

「もう、あなたまでぇ…」

『ぴーんぽーん』

お袋さんが摩訶不思議料理の反論をしようとしたときチャイムが鳴った。

どうやら雫が来たらしい。

「雫さんみたいね」

「噂の転校生ですね?」

前もって南から聞いていらしい。

「そんじゃ南は雫の相手でもしてろよ、キッチンにいてもしゃーないし」「そうね…母さんは?昨日会いたいって言ってたけどどうする?」


「もちろん行くわよぅ」


心なしかかなり機嫌がいいように見える。

もっともこの人の機嫌が悪いところなど見たことがないが…。

これでも少しは長い付き合いなんだがなぁ……。

「では手伝うことも無いようですから、私も噂の雫さんに顔見せといきますよ」


「どぞどぞ、オレは料理作ってますから…多分すぐできますよ」


「それではお願いしますね」


扉の閉まる音がした。

これでキッチンにいるのはオレ一人。

静かになったところで料理を作るのに専念しよう。

と言っても下拵えは昨日しておいたから今やることっていったら炒めるとか温めるとかそんなことしかない。

もともとそんな複雑で面倒な料理は作るつもりも時間もなかった。

とかなんとかやってるうちにもうできてしまった。

早く終わりすぎて南たちのところに行くのもなーんかヤダ。

つまりいうところの…暇なのだ。

「何かもう一品作るかなぁ〜っと」


さて何つくろう?

とりあえず材料の確認。

……なんもないι

そーいや冷蔵庫にあるもん勝手に使ってもいいって言われてたなぁ…。

という訳で、冷蔵庫オープーン!

ってぇ…オイッ!!

ろくなもんないじゃん!

あ〜…どしよι

っと、リンゴ発見!!

でかしたリンゴ!

しかしリンゴで何しようι

……タルトでも作るか。

実はリンゴのタルト、意外と簡単に作れるのだ。

もちろん本格的なものではないが、それでもなかなからしいものになる。

隠し味はリンゴの洋酒。

これだけでも大分ちがう。

ちなみにこのリンゴの洋酒、親父さんの好きな酒なのだ。

むしろリンゴ全般が好きらしい。

だからリンゴがあったんだろう。

それはそうと、オーブンからはいい香りが漂ってきた。

南が甘党だから少し甘めに作ってみた。

「うしっ、こんなもんっかなぁ」




完成した料理を運びにきてみるともうみんな集まったようだ。

テーブルを雫中心に囲んでいる。

「はいよぅ、おまちどうさまぁ」


テーブルの上に料理を並べていく。

と、その前に人物紹介といこう。

まず今回の主役、雫。

右に南、左は開いてるからオレかな。

じゃぁ南から右に回っていこう。

南の横にいるのは双子の片割れ、秋浪あきなみ らい

もう一人が更に右で秋浪あきなみ ふう、楓は〈かえで〉ではなく〈ふう〉と読むのだ。

二人とも女の子。

この双子はオレより一つ年下。

ちなみに高校一年生、もちろんオレは二年生。

來とは知り合って三年くらいだが楓とは結構長い付き合いだ。

かれこれもう十年くらいか。

しかし來は楓に紹介されたのだが…楓と知り合ったのはなんだったか?

う〜ん……まぁ十年前だし…ι

まぁそんな訳で、來からは

「先輩」

、そして楓からは何故か

「お兄ちゃん」

と呼ばれてる。

これは春斗も同じ呼び方をされている。

そんでもって楓は何故か…何故なんだかしらないが春斗の方になついてるんだよなぁ〜。

いやそれが悪いってわけじゃないんだけど…やっぱ美少女には自分がなつかれたい訳で。

來は俺の方がなついてるかな?

このあたりは明るくて人当たりのいい性格の來はわかりずらい。

まぁそれはそれとして。

二人は一卵性双生児だけあってやはり似てる。

まぁそれは外見だけであって性格はというと全く違う、むしろ真逆だ。

簡単に説明すると來が明るい、楓がおとなしいといったところか。

趣味も結構違うから着ている服とか、もちろん雰囲気とかでもやっぱり違うから二人を間違えることは滅多にない。

春斗とかはたまにわざと間違えるがι

ちなみにこの二人の名前は風神雷神からきてるらしい。

名前の読み方が独特ではあるが。

しかし女の子に風神雷神って…ι

双子の紹介はこんなもんかな?

さて、次にいこう。

都渡とわたり 夏樹なつき。女の子……と見せかけて男だ。

女っぽいのは名前だけ。

かといってゴツい訳でもない。

基本的にはおとなしい…が、たまに壊れるという変な奴。

そして雑学博士。……いや普通に頭もいいんだけどねι

もひとついうと腕っ節はこれがなかなか………まぁ…弱い。別に運動神経が鈍いわけでもないし(別にいいわけでもないが)ひょろっちい、力がないわけでもない。

でも弱い。

……何故だろう?まぁいいや、最後に1人。

意外な人物……渋谷冬輔その人だ。

もちろん我らが担任である。

で、なんでど〜して学校の先生がここに(逢瀬家に)いるかというと…。

答えは簡単、南の親父さんの古い親友だそうだ。

よくこーゆー場に来ては一緒に飲んでいるんだが…もちろん俺らも飲むわけで(酒を)……教師としてはどうだろうι

とゆーわけで、紹介終了。

「みんな自己紹介は終わった?」

「おぉ、料理ご苦労さん。」

と、これは先生。かわりに答えてくれたのは來。

「もぅ終わってるよ〜、ああー美味しそう!ねっねっ食べていい?」

「まてまて、それでは雫の歓迎を祝ってぇ〜、ほら雫コップ持って」

『かんぱ〜い!!』

みんなの声が重なった。

     ・

     ・

     ・

     ・

「それじゃ先輩、バイバーイ」

「さよならぁ」

「じゃぁ俺は双子送ってから帰るから、じゃぁ〜また明日学校でな」

來が勇みよく歩き出して後ろからてててっと楓がついていく。

その更に後ろから双子に追いつこうと少し足早に春斗が駆ける。

歓迎会は無事、雫も溶け込み終了した。

「うしっ、みんな帰ったな」

みんなでどんちゃん騒ぎをした後は、やはりちょっと寂しくなりものだ。

太陽はもうほとんど落ちていて、少しだけ空に浮いている雲と相まってなかなかに綺麗だ。

実は今大人3人は家の中で伸びている。

勿論酔って…だ。

同じ朱色でも酒に酔った3人の赤ら顔と、この綺麗な夕日とでここまで違うとはι

「それじゃ俺も帰るわっ」

「うん、それじゃまた明日ね」

「あぁ、親父さん達よろしくな。」

「先生酔ったまま車に乗せないようにしないとね、じゃぁね」

「ん、じゃぁな」

家に入って鍵をかける。

あんまりこの瞬間は好きじゃない。

さっきまで賑わしかった分誰もいない我が家の静けさが際立つ。

まぁ今日はもうとっとと風呂入ってテレビでも見ながらこの寂しさを紛らわせようかなぁ〜っと。


……久しぶりにだしました。

いや、最近忙しくてι

次はもっと早くに仕上げますι

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