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なろうラジオ大賞4

おふだの代わりに一万円札貼ったら効果てきめん

 俺はAKURYO(あくりょう)

 相方の黒髪ロングの爆乳美女(常に白いワンピース姿)の先輩AKRYUOと共に、人間のクズどもを呪い殺す仕事をしている。


 とある地縛霊のお願いで、悪いことを散々してきた悪人を殺しに来たのだが……。


「あの……先輩。これは……」

「ええ、初めてね。こんなの」


 俺と先輩はターゲットの家の前で立ち尽くす。


 壁と言う壁に一万円札が大量に貼り付けられた豪邸。

 どうやら『おふだ』の代わりのようだ。


「こんなもので俺たちを止めようっていうんですかね」

「あら……知らないの?

 一万円札って魔よけの効果があるのよ」

「えっ⁉ マジっすか⁉」


 意外だった。


 一万円札には特殊な念が込められており、幽霊が触れると静電気でビリッとするくらいのダメージが入るらしい。

 あまりに大量に貼ってあるので、さすがの俺達でも侵入は難しい。


「出直します?」

「ちょっと待ってて」


 爆乳先輩はスマホの幽霊を取り出し、仲間と連絡を取り始めた。


「いったい何が始まるんです?」

「人間を使うわ」

「え? そんなことできるんですか?」

「一部のAKURYOは人間と意思疎通ができるからね。

 クズを洗脳して操り人形にしてるの」


 なにそれ、こわい。

 やっぱり俺たちはAKURYOなんだなぁ、って思ってたら……あちこちから人の気配がしてきた。


「ほんとだ! SNSに書いてあった通りだ!」

「家に一万円札が大量に貼ってある!」

「取り放題だ!」


 AKURYOネットワークにより召喚された人間の屑共が大量に群がって来る。

 やっぱり爆乳先輩ってすげぇ、改めてそう思った。


 クズ共は家に群がって一万円札をはがしていく。


 おふだの代わりに一万円札貼ったら効果てきめんだったのはAKURYOに対してだけ。

 生きた人間には無意味だったな。


「そろそろね、行くわよ」

「はい」


 俺と先輩は揃って家の中へ。

 壁をすり抜けて安らかに寝息を立てているターゲットを呪殺。

 木っ端みじんに爆発四散。


 これで任務完了だ。


「いやぁ、それにしても。

 一万円札がおふだの代わりになるなんて。

 意外でしたねぇ」

「それだけ人間たちがお金にかける気持ちが強いのよ。

 私たちAKURYOを撃退してしまうくらいにはね」


 先輩によると、人々の念が強く込められた物は特別な力を持つという。

 一万円札もまた人の業を背負った存在なのだ。


「あの……お金って……」

「怖いわね」

「…………」

「なによ?」


 爆乳先輩はノリが悪い。

 でも好き。

お金はおっかねぇなぁ。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 呪殺されたんですね、ターゲット。 そんなに一万円札を貼っていたのに……。 でもそりゃ人間に剥がされますよね(笑) 面白かったです。 読ませていただきありがとうございました。
[良い点] 爆乳先輩好き。 後書きの一言でフフッとなりました( *´艸`)
2022/12/17 09:40 退会済み
管理
[良い点] おお、おっかねぇ。 AKURYOと爆乳センパイのラブストーリーはどこですか?
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