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無限の大地と黒いエイ  作者: きーち
無限の大地と新たなる旅路
43/164

② 錆落とし

(どうする? 相手の出方を伺うか? だが、既に相手艦はこちらへ接近している途中だ。一手目を既に打って来ている相手に、さらに待ちを選ぶのか? 出し抜かれる可能性があるだろう……)

 シルフェニア南部国境沿いの空。ダイアングラー号という老朽差し掛かる飛空艦のメインブリッジで、久方ぶりにディンスレイの思考は加速を始めていた。

 シルフェニア国境線を恐らく、無断で横断しようとする武装した飛空船。ディンスレイの予想通りならば軍用のそれである飛空艦に対して、こちらは何らかのアプローチを仕掛けなければならない。

 ダイアングラー号もまた飛空艦であるが、型としては古いものだ。装甲に関してはまだ辛うじて一線級であろうが、機動性や速度は世辞にも上等と言えない。やはり、動き始めが遅れればこちらが致命的に成り得る。文字通りの意味で。

 眼前を見る。メインブリッジの窓の向こうに存在する相手艦の姿。角ばった、箱の様な各部位を合わせ、三角形を作り出している様な、そんな造形の艦は、どこか威圧感を覚えさせる見た目をしていた。


挿絵(By みてみん)


(不法侵入だとしたら、戦争行為も発生しかねない。向こうがその覚悟を持って接近していれば、次は攻撃があるはずだ。対処するには、こちらも攻撃的な行動を取る必要がある。そうしてそれは、向こうが戦闘するつもりが無い場合、むしろこちらから国家間の戦端を開く事に他ならない)

 それを行うべきなのか? その覚悟や権利が自分にあるのか? そういう思いがディンスレイの思考に入り込んで来て、実際の選択を躊躇させているのだ。

「ふ、副長……あ、あの。教本通りなら、ここでその……威嚇射撃を……」

 ブリッジメンバーの一人が尋ねて来る。

 威嚇射撃。それをするべきかしないべきか。丁度ディンスレイが悩んでいる事を、その船員もまた悩んでいるらしかった。

 その姿を見て、ディンスレイは心を決める。

(どうやら、私自身、随分と鈍っていたらしいな)

 船員の言葉に心を動かされたわけでは無い。だが、その船員の様子には、どうしたって心が奮い立つ。

(船員が不安になっている。上に立つ私が、どうして安全だの無難だのを選んでいられる?)

 上に立つ者とは、艦長とは、彼らの不安を拭うために、それを代わりに背負うものだろう。

 そうして示すのだ。やるべき事はこれだと。

「威嚇射撃はまだだ。向こうが敵対的行動を目的としていたとしても、一射目は向こうに撃たせたい」

 何かしら罠の可能性もあるだろう。

 それを抜きにしても、威嚇射撃は真正面からの攻撃の撃ち合いへと発展してしまう。

 それは不味い。戦闘開始が不味いのでは無く、こちらの性能が劣っている可能性がある以上、その時点で敗北を意味するからだ。

「操舵士。相手艦の後方を取る軌道を艦に取らせろ。威嚇射撃の代わりになるだろうし、相手に敵対の意思が無ければ、むしろ向こうから何かしらのアクションがあるはずだ」

「な、なるほど! 確かにっ。了解です!」

 戦闘が開始する場合、有利な位置を取っておく。少なくともその動きそのものは、致命的な結果にはならないだろう。

 もし、何か意見の行き違いがあったとして、後で謝れば済む程度の話だ。

 だが、ここで判断を終らせてはならない。

(あれは……敵対している。それは確実だ。つまり、単に後方へと回るだけでも、向こうは妨害してくるはずだ。その瞬間に、真っ当では無い事をさせる必要があるわけだ。この艦に)

 平穏、安寧、退屈。それらの空気が詰まりに詰まったこのダイアングラー号。その空気を一気に抜く事になる。

 それがどんな事態になるか? それはディンスレイにも予想し切れない。なら、するべきでは無いのか?

(いいや、違う。せっかく自分が鈍っているという自覚をしたんだ。磨けるだけ磨かせて貰うさ。今、この瞬間だけは、私は再び艦長だ!)

 ダイアングラー号が相手艦の後方へと移動し始める。

 この艦らしい、ゆっくりとした動き。それは焦れる程の時間となるが、実際のところは、それほど長い時間ではあるまい。

 相手艦もまた近付いている。ダイアングラー号はその後方を取る動きをしているのだから、傍から見れば互いに接近し、擦れ違う形になる。

 その瞬間は、自ずと、そうしてやってくるのだ。だから叫ぶ。

「艦の進路変更! 方向は現状のまま艦の高度を下げろ!」

「えっ!? どうして……その―――

「命令に従え! 責任は持つ!」

 指示からワンテンポ以上遅れて、漸く艦の高度が下がって行く。

 それで丁度良い。ディンスレイの指示がこの艦ではスムーズに通らない事は想定済みだ。伊達に半年間副長をしていない。

 なので丁度、高度が下がったタイミングで、その瞬間はやってきた。

「うわぁ!」

 観測士の一人が叫んだ。その叫ぶより前にダイアングラー号が大きく揺れた。

 相手艦……いや、今や敵艦となったそれから攻撃を受けたのだ。

「落ち着け! ダイアングラー号の艦上方はもっとも装甲が厚い! この程度では沈まん!」

 休憩中の艦長は目を覚ましたかもしれないが。

 その艦長が慌ててメインブリッジまでやってくるまでまだ数分。いや、十数分はあるかもしれない。

 そこまで悠長に待てる状況でも無いだろう。

「火器の準備をしろ! 操舵士! これよりは私の命令にただ従え! 説明なら後があれば幾らでもする! 良いな!」

「は、はいぃ!」

「ならばこのまま、相手艦の後方を取る動きを続行しろ!」

「攻撃を受け続けてるんですよ!?」

「はいと言ったぞ!」

 敵艦より味方の説得がなかなか厄介だが、漸くディンスレイの指示に従い始めた。

 その状況でも、敵艦は二射、三射目をダイアングラー号へ向けて来る。

(何時まで耐えられるかはちょっとした賭けだが、いけるはずだ!)

 こと、耐久度だけは上等な艦である。それも攻撃を受けるのは、事前に敵艦より高度を下げたおかげで、もっとも装甲が厚い部位に集中している。

(敵艦はこちらについてどこまで知っている? ダイアングラー号の性能を理解しているかどうか。そこも賭けだが……こちらが敵艦をまったく知らない以上、向こうだってそこまで詳しくない……と思いたい!)

 実際、もっとも装甲が厚い場所に攻性光線が集中している時点でそれが証明されているはずだ。

 攻性光線の色は黄色。物理的に効果のある光線としては最低限の出力を持つそれを連射して来ている。その点も、あくまで攻撃を仕掛けながら、こちらを測っている動きをしている。

(考えろ? こっちが攻められているが、今の状況は相応に圧を与えられているはずだ)

 相手がダイアングラー号の性能を測りかねている状況であれば、こちらの一番の長所である装甲を見せつけている事になる。

 まさか、国境線沿いを監視している飛空艦が、性能で劣る老朽艦だという油断だってしないだろう。

 実際に攻撃に耐えている。警戒すべき相手であるという評価を与えられているはずだ。

 そんな艦が、その性能をフルに発揮しつつ、有利な位置取りを狙おうとしている。その状況で敵艦は何を思うか?

(ああ、そうだろうよ。すれ違いザマ、勢いだけで始まった航空戦を続けるには危険な相手だ。そう思うだろうさ!)

 敵艦は攻撃を止め、代わりにその出力を速度に回し始めた。

 ダイアングラー号に後方を取らせない様に、距離を置こうとしていたのだ。

 そんな事をしなくても、単純に艦を回頭させるだけで、ダイアングラー号は回り込む事も出来ない事を知らないで。

「こちらが劣勢な状況で、ハッタリをかますのは得意なのでな、こっちは」

「か、艦長?」

「不安に思うのは仕方ないがな、諸君。勝つつもりで挑まなければ負けるぞ。地面に落ちて、皆で仲良く死後の世界で暮らしたいか? 私は嫌だ」

「勝てるのですか!?」

「勝たなければ後が無い。敵艦はこちらを見逃すつもりが無さそうなのでな」

 メインブリッジメンバーからは不安さ、気弱さがまだ消えていない。だが、多少なりとも、ディンスレイを頼ろうという気持ちは買えたと思われる。

(ここからだぞ、ディンスレイ。相手は体勢を立て直した。こちらもだ。だが、次の手を間違えれば負ける。いや、単に正しくても性能差で押し負ける。ならば……)

 ならばどうする? 手段はまだまだあるはずだ。これより圧倒的に不利な状況を味わった経験は幾らでもある。脅威には感じるが恐怖は感じない。今、ディンスレイが感じて居るこれは……。

(高揚感を覚えているな、私は。だが、それは鈍っていた感覚を磨くだけで良いんだ。冷静さと思考能力を失うな。ただ勢いだけで勝てる相手では無いのだから)

 距離を置き、再度、こちらに対して正面を向く敵艦の動きを眺めながら、その特徴を掴もうとする。

 この航空戦は互いに未知の部分が多いと見た。相手にこちらを知らせず、こちらは相手の事を知る。その中にこそ勝機があると見たのだ。

 だから再びディンスレイは叫ぶ。

「攻性光線、敵艦に対して発射だ! 出力は緑! いけるな!」

「了解っ。発射します!」

 相手の準備が整う前。それはダイアングラー号側の体勢が整う前でもあったが、そんな互いに無理のある姿勢から、攻性光線を発射した。

 なので命中は期待していなかった。ただ相手の想定外の状況を生み出す。その一手を仕掛けたのである。

 結果、もし、今、このタイミングで知らなければ、後にもっと危険だったであろう事を知れた。

「て、敵艦。こちらの攻性光線を弾きました……!」

「いや、あれは艦が弾いたのでは無いぞ」

 敵艦を掠める攻性光線の軌道。ぶつかっていても、撃沈には至らないであろうそれであったが、微かなダメージすら与えられていなかった。

 敵艦の、その四角の箱の集まりみたいな外観に光線が触れるより前に、よりその角度がズレて、明後日の方向へと緑の光は散って行ったからだ。

(船体フィールド……それも装甲に這わせる以上に、空中でそれを維持出来る技術……!)

 シルフェニアにおいては、まだ発展途上の技術であるそれを、敵艦は上回っていた。

(これと似たのを知っているぞ、私は。ハルエラヴ、そうしてオルグの技術で、似たものがあった。いや……だが、あれはそれより劣るな?)

 かつて出会った、段違いどころか、次元が違う技術差を見せて来た種族を思い出し、相手はそこまで絶望的では無いとディンスレイは評価する。

 あくまで比較すればあちらが上。その程度の技術ではあるのだ。相手がハルエラヴ程に圧倒的な相手……というわけでは無いらしい。

(だが、こちらが不利である事は変わらない。どうする? 真正面から攻撃しても、あの船体フィールドを破るのは事だ)

 さっきの一射で敵艦の手の内を知る事が出来たが、こちらの一手をそれに使ってしまったという事でもある。

 その証明の様に、敵艦は体勢を立て直し……今度はダイアングラー号と一定の距離を置く様な動きをし始める。

 今度は向こうが自身を有利な位置に置こうとしているのだ。

 それは一般的な空戦の始まりだとも言えた。それぞれの船速と機動性、そうして船員達の腕を比べ合わせ、有利な方が有利な攻撃を仕掛ける。奇襲では無い形の真っ当な戦い。

(それは不味いな。実に不味い)

 船速も機動性も、恐らく船員の腕だってこちらが劣る。飛空艦だというのに、こっちはまるで有事に向いていないのだ。

「勝利とはその条件をどう設定するかで半分の要素が決まる」

「は?」

 ブリッジメンバーの一人が困惑した声を上げる。

 だが、無視する様にディンスレイは言葉を続けた。

「我々にとって、今、この時点の勝利とは何だ?」

「敵艦を……撃墜する事では?」

 最初に困惑した声上げた船員が聞き返して来た。そんな船員にディンスレイは笑って答える。

「いいや、我々の仕事は国境警備。勝利とは敵艦を追い返す事と、その報告をする事。その二つだ」

「撃墜する以上に困難ですよ、そんなのはっ」

「どうかな? やってみなければ始まらん。行くぞ、操舵士。尻尾を巻いて逃げ出せ」

「うぇっ!? いや、そうか! 了解!」

 真っ先に困惑したその船員。操舵士の彼は、徐々にではあるがディンスレイの指示に馴染んで来た様子だ。こちらの意図も察してくれた。

「諸君。この艦があの敵艦に真正面から戦えないのは既に理解している事と思う。こっちは老朽艦だしな……。が、最初の攻撃に耐えた様に、早々こちらは落ちん。であれば、逃げる余裕はある。国軍の飛空艦が停留している街に向かってだ。そうして今、この戦いで得た情報を報告すれば、それは成果とも言えるだろう」

 謎の敵艦が国境を越えて敵対してきた。その形状。その性能の一端。それらを本軍に知らせるのは、相応の価値がある。故にここで逃げを選ぶ道理はそこに存在している。

「と、敵艦は思うはずだ。つまり、迂闊さを見せるぞ?」

「えっ。本当に逃げるのでは無く!?」

 こちらを察してくれ始めたとは言え、何もかもとは言えない様子。

「馬鹿を言え。こちらが逃げても、その船速で追いつかれる。攻めにしても逃げにしても、正攻法で戦える側じゃあないんだこちらは」

 だから指示をする。まずは逃げの航路を操舵士に選ばせる。こちらに関して不安は無い。操舵士も、他の船員達もそれを従っているだろう。

 自分達では勝てない。逃げられるのなら逃げたいという感情を後押しするのだ。

 ここに関して、むしろ今まで以上にスムーズに彼らは行動してくれ。有能とさえ言って良い。

(いいぞ。これに関しては思いがけぬ幸運だ。これ程巧みなら、敵艦はこちらが完全に逃げを選んだと思うだろう。しかし……)

 しかし……思うのだ。ここから転じるという方法については、こう上手くは行かないだろう。また戦いを選ぶ勇気があるだろうか。

 だが、そんな不安の中でも、ある種、肯定出来る要素はあった。これは以前、似た事をした経験がある。

「敵艦、船速を上げるタイミングだ! 艦の速度を下げろ! 良い具合に、また擦れ違える様に祈っておけ!」

 以前、ハルエラヴの飛空船から逃げた時も、こんな風に逃げながら、その船速を下げ、追って来る敵艦と擦れ違いを行った。

 果たして、その結果はどうなったか。

 ここに関しては違った。前回、ハルエラヴの飛空船はぴったりとブラックテイル号に並んで来た。

 その機動性を見せつける様にだ。

 そうして、今回の敵艦は、その速度を見せつけて来たのだ。

「お、追い抜かれました!? な、なんだあれ!?」

 観測士の一人が告げる。

 敵艦の船体を構成する箱すべてに火が上がった様に、浮遊石の推力が目に見えて輝く。

(あの艦は、船体フィールドによる装甲と共に、あんな速力を出せる機構があるのか……!?)

 間違いなく、それは脅威だった。ハルエラヴ程では無いなどと悠長にしていられない。あれはシルフェニアの飛空艦の平均を大きく超える性能を持っている。そんな敵艦がシルフェニア国に攻めて来た。

 それをディンスレイは自覚する。自覚したから、さらにディンスレイの思考は加速し、結論をすぐさま出しだ。

「今だ! 出し惜しみするな! 狙う先は、敵艦尾部! 推力の発生源の一つ! そこに集中して、攻性光線発射!」

 ディンスレイのその叫びにワンテンポ遅れる様に、ダイアングラー号から数条の青い光線が放たれていく。

 敵艦の船体フィールドが再びその光線を弾こうとしたが、今度はそれを破る事が出来た。青い攻性光線は狙い通り、敵艦を構成する箱の一つを刺し貫いたのだ。

(これがこちらの全力。出せる火力の精一杯。だからこそ敵艦の船体フィールドを貫けたというのもあるだろうが……速力に出力を使った結果か、船体フィールドそのものの出力が減っていた……のだろうな)

 それを計算に入れて指示を出したわけでは無い。だが、どこかでそうかもしれないという勘が働いていたのは事実だ。

(いい加減、鈍っていた部分が完全に落ちたな、私も)

 だから笑う。これが自分だ。この思考、判断力、いざという時の度胸。そうして、賭けに出る時の勘の鋭さ。これこそがディンスレイ・オルド・クラレイスだ。

 そんな風に自画自賛しながら、ディンスレイは笑った。

 今、この太々しさが必要だかだ。

「か、艦長、次の動きは……」

「そのままだ操舵士。ただ悠々と、ダメージを負った敵艦を見つめる動きを見せつけろ」

 敵艦は、まだ健在だった。推力としているだろうエンジン一つを破壊したろうが、その破壊は他の部位に及んでは居ない。

 まだ、戦えるだろう。そうして、まだ、それでも、ダイアングラー号より性能は上だろう。

「……」

 焦れる時間。だがそれも長くは続かないはずだ。

 敵艦とて相応に判断力があるだろうから。

「あっ……敵艦、方向を変えていきます!」

 その動きを見て、ディンスレイは次の指示を決めた。

「敵艦、これから逃げるぞ。追え」

「逃げる!? 今の状況でですか!? いや、でも本当に……けど、追うって、まだ戦闘を継続するっていうんです?」

「安心しろ。どうせ追っても追いつけない。あちらの方が船速は上だ。だが、追わなきゃこちらのハッタリがバレる」

「は、ハッタリ……だったんですね」

 当たり前だ。こういうのは慣れている。いや、慣れてしまった。

 格上の相手に、自分を大きく見せて一歩引かせる。こういうのも自分の戦い方らしい。そんな発見を自分でしながら、国境線の向こうへと帰って行く敵船の後方を見つめ続ける。

「国境は越えるなよ。あくまでこっちはシルフェニアの防衛だけに注力する……という風に見せかけろ。少しでも違和感を覚えさせれば、また空戦になる」

「了解……了解ですっ」

 皆、死にたくは無いだろう? そんな言葉を暗に伝えながら、ダイアングラー号は予定通りにシルフェニア南部国境線沿いまで移動、そこからどんどん距離を離して行く敵艦を見送る事になる。

 そうして、漸く一つ深く息を吐けた。

「やれやれ……とりあえず、これからもやる事が山積みだろうが……」

 ふと、メインブリッジの後方を見る。

 他の区画とメインブリッジを繋ぐ廊下のあるそこに、慌てた様子で一人の男が入って来た。

「全員、いったい何が起こっている!? 報告を早く上げてくれ! 問題を早急に解決しなければ!」

 息を切らし、汗を流しながらメインブリッジへと入って来たフラミニーズ艦長の姿を見て、ディンスレイは心の中で苦笑した。

(まずは、この人に状況説明をする事から始めなければな)



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