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無限の大地と黒いエイ  作者: きーち
無限の大地と脅威の罠
22/164

① 降り掛かる災難に注意しましょう

「さあ並んだ並んだ。だいたいオレは一人で手は二本しかないってんだから、焦ったって自分の番が来るまで待つしかねえんだ。もっとやりたかったら自分でやり方憶えな!」

 ブラックテイル号内の食堂。船内でもっとも人が集まれる場所と言えるそこでは、不定期に騒がしくなる事があった。

 大半は船員の誰かが遊びやら賭け事を始めていたり、時には揉め事から喧嘩に発展したりと言った内容だが、今回のそれは、少しばかり何時もと様子が違っていた。

「なんだ? 今回の中心人物は整備班長なのか?」

 たまには食堂でちゃんと食事を取るかという気分だったブラックテイル号艦長、ディンスレイ・オルドクラレイス。

 彼が食堂へとやってきたタイミングで、既に食堂内では騒ぎが始まっていた。

 整備班長のガニ・ゼインを中心に、人だかりが出来ている。別に混乱が発生していたり、悪い空気になってはいないから、邪魔するのも悪いと遠巻きに眺め、食堂の端のテーブルに座るディンスレイであったが、いったい何が起こっているのかは気になってしまう。

「さ、サクロクロードって……ご、ご存知ですかぁ?」

「うわっ……なんだ船医殿か。君も丁度、昼食時かね?」

 端の方に座る自分よりさらに端。というかもはや壁際と言える位置に彼女、船医のアンスィ・アロトナは居た。

 テーブル席にしたところで、椅子を寄らせなければそこまで壁の近くには居られないだろうに、わざわざ端になりたがりの彼女であるが、本日は珍しく、彼女の方から話し掛けて来る。

「わ、わたしの方はぁ、も、もう食べ終わるタイミングだったんですよぉ……。ほ、ほら、もうずっとあんな調子でしたから、肩身が狭くって狭くってぇ……」

「別に、誰かを邪見にしているわけでも無いのだから、わざわざ自分から狭くする必要もあるまいに」

「あ、ああいう空気は、に、苦手なんですぅ……」

「まあ、だろうな。しかしそうか。サクロクロードを整備班長が出来るのか」

「か、艦長もご存知なんですかぁ? さ、サクロクロード」

 騒がしい空気は苦手な癖に、話しをしたがっている風なアンスィ。

 彼女に合わせて、ディンスレイも壁際へと椅子を座り直す。ディンスレイの方は、何時だって会話は歓迎だ。

「確か……カードを使った占いだろう? 描かれていたイラストが個性的で記憶に残っている。占いの方法は……良く知らんが」

「わ、わたしもですぅ……。ああいう友達同士できゃいきゃいしながらする遊びって、お互い、ぜんぜん縁が無いですものねぇ……」

「お互いと言われても困るが……わたしの方は、そもそも占いが苦手でね。誰かを占うのも、自分が占われるのも、どっちも遠慮している」

「それはそれで……なかなか珍しい趣向ですねぇ……」

 かもしれない。どうせ先の事なんて分かったものでは無いし、占いが運命を確定するものでも無いのだろうが、兎に角苦手は苦手だった。

「恐らく、良い結果が出た記憶が無いからだろうな。運命の神様は、先の事を決めていないと思っている性質だが、私個人に嫌がらせをしがちなのだと時々思ってしまう」

「ひ、被害妄想ですよぉ。それはぁ……」

 いいや絶対そうだ。街の祭りなどで運勢チケットなどを買わされた時などは、一番下か下から二番目の運勢を引くなどしょっちゅうで―――

「なんだ。艦長、そんなところで食事を取ってるんですかい? 寂しいもんですなぁ。ちょっとこっちに来て、一つどうですか?」

 アンスィとの話の最中に、ガニ整備班長がこちらに気が付いたらしく、占いに誘って来た。

 まだ何人か待っている様にも見えたが、そんな他の船員は、ディンスレイが通る道だとばかりに身体を横に避けてくれた。

「いや、私は別にその、占いとかは……」

「こ、こういう場で断ると、く、空気悪くなっちゃいますよぉ……」

 なんでこういう時には空気を上手く読めるのか知らないが、アンスィの方は自分の食器を片付けながら、ディンスレイには整備班長の方へ向かう様に促して来た。

「まったく……仕方ないか。しかし整備班長。あなたが占いなんてものが出来るなんて知らなかったよ」

 ガニが座る席の対面に座り、ディンスレイは並べられたカードを見つめる。

「柄じゃないって言いたいんでしょう? オレも昔取った杵柄でしか無いって言いますかね。このカードだって、持ってきたもんじゃなくて、わざわざ手先の器用な部下に作って貰ったもんなんですよ」

 言われてみれば、カードに描かれている数字や文字や絵柄は、印刷されたそれでは無く、良く見れば拙さも見える。もっとも、確かこのサクロクロードというカードは、定型となる意匠があるそうなので、大まかな印象さえ分かれば、占いをする道具としては成り立つのだろう。

「何か、この手の事をしたくなる様な心変わりでもあったと見える」

「艦長のせいでしょう? あの光石についてあれこれ試しているうちに、案外、こういうスピリチュアルなもんから良い発想を貰えるかもって思って、わざわざ始めてみましてね」

「そこは申し訳ないが……かなり人気みたいじゃないか」

 周囲の船員達を見渡す。彼らはディンスレイが占われた結果に興味津々らしく、テーブルを覗き込んでいた。こうなれば、やっぱり止めておくなど出来るはずも無い。

「この長旅だ。変わり種の娯楽ってのに皆飢えてるんでしょうな。かくいうオレも、昔、これに嵌まったのはそういう理由があったもんですよ。あの時は若くって、飲み屋なんかで皆で飲み明かすってのも良くあったんですが、それにどうにも飽きちまって、何か面白いもんでもあるかなってところで、そういや婆さんが子どもの頃良くやってくれたこいつを思い出してね?」

 雑談を続けながらも、ガニ整備班長の手は止まらない。若い頃にしていたとの事だが、その若い頃とやらには、それはもう随分と嵌まっていたのだろう。

「もともとサクロクロードというのは、カードゲーム用だったそうだな」

「らしいですな。けど、書かれた数字を比べて大きい方が勝ちだとか、その程度の単純な遊びで早々に飽きられたみたいで、何時の間にか、こいつで占いが出来るって話が出て来た……と、オレは聞いてますがね」

 ガニ整備班長の、そのまた祖母とやらが教えてくれたのだろう。ではもう随分と前から、このカードは占いをするためのものとして扱われて来たと思われる。

「何がしか、神秘的なものが混じってそうに思えて来た……」

「意外ですな。艦長はこの手の事、信じない方だと思っていたんですがね」

「未踏領域を旅する人間がか? これでも、運命だの奇跡だのに興味がある性質だよ。オカルトだって好きだがね。だがこう……占いはなぁ」

「嫌な思い出がありそうにおっしゃるが、こういうのは当たるも当たらないもまさに運しだいってやつでしてね。良い結果が出れば信じりゃ良いし、悪い結果が出れば気を付ければ良いってもんで……はい、準備が出来ましたぜ。この三角を作ってるカードの内から、好きなもんを選んでくだせぇ」

 テーブルの上に、カードで模様でも描く様に並べられ、裏返されたカードの内、三つを示してくるガニ整備班長。

「確か占いにも種類があるのだろう? この場合はどういう類のものなのだろうか?」

「今回はヒーキルタークルっていうこの形が、周辺の運命をこの場に呼び寄せるもんで……ま、簡単に言えば、この三種類から選んだカードが、この一週間かそこらの運勢を占ってくれるってだけのもんですよ。そう身構えず、気楽にどうぞ?」

 ガニ整備班長の言葉に反して、ディンスレイは恐る恐る一枚のカードを選び捲る。

 そこの描かれていた絵を見て、ディンスレイは溜息を吐いた。

「聞かなくても、どういう結果が出たのか分かる」

「そう言わないでくださいよ艦長。首を斬られたウサギの絵は……その……この一週間、悪い事が多いから、出来るだけ部屋から出るなってだけの忠告でしてね?」

 艦長の私がか?

 そんな事をガニ整備班長に尋ねなかったのは、さすがに空気を悪くする気になれなかったからだ。

 もっとも、ディンスレイの心中に関しては、かなり悪いものになってしまったが。




「何やら、不機嫌そうですな。悪いものでも食べましたか」

 早朝。自室へ一寝入りした後の、メインブリッジ。

 副長のコトー・フィックスと丁度交代するタイミングで、その当人からディンスレイは話し掛けられた。

 入れ替わりとなる予定なのだから、顔を一目見られただけなのだが、こちらの感情を彼に読み取られてしまったらしい。

「分かるか。昨日、整備班長に悪い運勢を占われてから、どうにも悪い事が続いていてな」

「それはそれは。言っては何ですが、気のせいでは?」

「かもしれんが、とりあえず占われた後に出された昼食が、スポークのクリームソースでな。あれ、私が苦手なのを知っているだろう?」

「単なる偶然でしょうに」

「そうとも言い切れん。その後に廊下で二度程躓きかけて、他の船員に三度もぶつかった。書類を書いてる最中に誤字も多かったな。これでも気を付けていたはずなのに、それはもうぽろぽろと見つかって……いや、確かに気のせいか」

 途中で副長が冷ややかな表情をし始めたので、ディンスレイは言葉を止める。

 確かに、気にし過ぎではあったのだ。どれも何時もは起こらない事かと言われればそうでも無い。

「悪い事があった時こそ、何か良い事を探してみるべきでは? わたくしから言えるのはその程度の事ですが」

 言いつつ、ディンスレイの肩を叩きながら、そのまま副長はメインブリッジを出て行った。

 残されたディンスレイの方は、そのまま自分の席である艦長席へと座る。

「おはよう艦長~。あたしの方はもう眠くって眠くって。何か面白い話でも無い?」

「私がここに顔を出すタイミングでの話題の始め方というのも、もう少しバリエーションが多くならないものかな? ミニセル操舵士」

 まだ副長よりは短い間だろうが、それでも夜の間、艦を操舵していた彼女、操舵士のミニセル・アニマルの声に軽口で返す。

 ディンスレイが仕事を始める時は、黙って始めるとその沈黙が続きがちになるので、まずは軽い会話から始めるのがこのメインブリッジのしきたりになっていた。

「じゃあ何についてから話を始めれば良いんですかね、艦長。やっぱり、先日の占いの結果とか?」

「耳聡いな、テリアン君」

「聡いって、さっきの副長との会話、聞こえてないと思ったんですか?」

 観測士のテリアン・ショウジの言葉もまた、軽いものだった。

 ミニセルがあまりにもディンスレイに馴れ馴れしいから、メインブリッジ内もその手の空気が蔓延しがちなのだ。

 これで有事の際はすぐに緊張感を思い出してくるから、厄介な事に注意も出来ない。

「悪い事と言うのは、占いの結果とは関係無く、続いたりするものだ。そういう時、悪い事を先取り出来てラッキーと思っておくのが吉だと私なんかは思うよ。実際、今、ブラックテイル号事態に不運は無いわけだろう? 観測士、現状報告」

「了解艦長。空は晴天そのもの。雲もすごく少なくて見通しも良いと来てます。暫くは問題なんて起こりっこ無さそうですよ」

「操舵士からも報告。そうね。今なら素人が操舵桿を握っても大丈夫な気流だと思うわよ。艦の悪い運勢は艦長が背負ってくれてるのかもね」

「そう言ってくれるなら、艦長としてはむしろ冥利に尽きるところだ。航路として順調というのは、むしろ私にとっても幸運であるな」

「何せ、まさに冒険をしている最中だから?」

 ミニセルに尋ねられて、ディンスレイは笑った。

 ああそうだとも。今はまさに、最大の冒険をしている最中なのだ。

 未踏領域での旅というのも十分に冒険の類であったが、今回に関してはとびっきりだ。

 まさに今、この旅の目的となったエラヴという種族を追っている最中なのだから。

「あの湖の中の建築物群。あそこから発見出来た痕跡は、十中八九、エラヴのものだと分かっただろう?」

「文献とか、良く使われてた道具とか、だいたい洗い流されちゃってたし、良くて五割くらいじゃない? そこは」

 安定した空路を進む以上、暇潰しの話題は貴重だった。先日、紆余曲折あって発見したとある種族の遺跡と呼べる場所についての話を、ディンスレイとミニセルは始める。

 今、こうやって飛んでいる方向についても、その遺跡が関わっているのだから。

「ララリート君の事を信じていないのかな? あの建築物群の中身については、湖を作っていたドラゴンに洗い流された後だったが、それこそ建物そのものに刻まれた言葉は残ったままだった」

 それは誰かのいたずらによるものだったり、頑丈な記念碑的なものであったりした。そう数は多く無かったが、一つの街から知識としてかき集めれば相応の物となってくれる。

 あの街を使っていた種族が自らを、エラヴと名乗っていたであろう事くらいは、少なくと分かったのだ。

 それはララリート・イシイというスペシャルトーカーなどと呼ばれる特殊技能を持った少女のおかげで解読出来た事でもあったが……。

「ララリートちゃんの事は、あたしだって信頼してるわよ? あの娘のおかげで、未踏領域の探索は当初の予定よりもスムーズに進める事が出来てるだろうし。けど……あの建物、もうちょっと探ってみたかったって思うのよ」

 ミニセルの言葉は、ある程度の段階で、建築物群の探索を打ち切って、再び空の旅を始めた事を言っているのだろう。

 冒険者でもあるミニセルの立場からは、そういう感想になってしまうらしい。そこはディンスレイも理解出来てしまう。

 こういう次々に場所を移動する旅というのは、一所にじっくりと落ち着いて調査する様な事は出来ないため、そこが惜しいと感じるところでもあった。

「短い期間で、いろいろと答えを出すというのも乙なものさ。後に続く者の道しるべにもなる。そう思う事にしよう。我々だって、後を追っている側だ」

「そこよそこ。街の中にあった道路。その中でも一際大きな道が、エラヴが次に進んだ先である……っていうのは、どこまで信憑性のある話なの?」

 ミニセルの問い掛けにディンスレイは笑った。

 エラヴの街の遺跡の調査は手早く終わらせたものであったが、次の目的を見つけ出すには十分な物であったと考えていたからだ。

「まず第一因は、やはりララリート君に見て貰った、街の中央部に残された石碑だろうな。明確には記されていなかったが、街を捨てるだったり、ここから再び自分達は繁栄を目指すだったり、その手の文言が記されていた。あれは恐らく……街を破棄する事になった何がしかの後に設置されたものだろう」

 捨てる事になった街への未練があれにはあるとディンスレイは感じたが、エラヴが次に向かったというなら、その石碑から伸びる道の先だと考えるのが自然だ。

「けど、それだけじゃ根拠は薄いわよね。また別の発想でもあるのかしら?」

「そうだな。第二因がある。以前発見した、活性山脈壁の事は憶えているかな?」

「そりゃあ忘れられるわけも無いでしょうけれど……」

「あそこで遭遇した妙な部屋も、恐らくはエラヴに関わるものかもしれない。そういう話も既にしていたか?」

「ええ、聞いてる」

 活性山脈壁という地域で遭遇した、シルフェニアより遥か高度な遺跡。エラヴの遺跡であった可能性が高いだろうそんな場所。

 それはさらに言えば、湖の中心にあったあの街の廃墟よりさらに発展した技術により作られたものであった。

「我々の旅は、山脈壁を避け、ぐるりと迂回する形で旅を続けているわけだが、あの山脈壁の地点から、街の遺跡に残された道は一直線に結べる事は気が付いたかな?」

「……つまり、山脈壁の向こう側から、そのまま山脈壁に辿り着いて、さらにその壁を越えた反対側……あたし達がぶつかった地点まで続く進路が、街から続いている道だって言う事?」

「私にはそう見えた。それはつまり、山脈壁を迂回した向こう側に、エラヴの発展の経過が、痕跡として残されているのでは無いかとな」

 壁の向こうに隠された謎に、壁を迂回する事で出会える。そんな浪漫もそこにはあったのだ。

 今、ブラックテイル号が進んでいる空路はそういうものである。

「そこまで聞くと……確かに何かありそうって思えてくるかも」

「だろう? 君の賛同を貰えて嬉しい限りだ。観測士の意見としてはどう見るかな?」

「観測士としては……どうにも夢を追っている様な話に聞こえちゃいますね。僕だって夢想家な性質がありますけど、お二人はとびっきりだ」

 テリアンの方はまだまだ、無茶な冒険を率先してするには経験と夢が不足しているらしい。

 なぁに、今回の旅に参加している人間なのだから、ディンスレイ達と似た様な夢を見始めるのは確約されたようなものである。

 そうなれば、今の会話にも積極的に参加させてやろうと思う。

「ま、今は平穏無事なのだから、むしろ夢を見るくらいで丁度良いと思おうじゃあないか。いつ何時、命の危険が襲ってくるやも分からぬ旅路だ。こういう時間こそが、退屈では無く貴重と思える時が……ぐぅ! やってくれば良かったのだがな!」

「言ってる場合!? 観測士! 状況把握!」

 話の途中だというのに、艦が大きく揺れた。ミニセルの操舵ミスなどでは無く、素直に危険を感じる揺れ。

「観測士から……報告! 艦が……地面に向かい始めています!」

 そこは見れば分かった。今まで空を見せてくれていたメインブリッジの窓から視界が傾き、地面に向かって艦が進んでいるのだ。

「操舵士! 艦を上昇させろ!」

「分かってるけど! 操舵を受け付けない! いえ、違う……! これ、むしろ引っ張られてる!?」

「観測士より再度報告です! 先ほどより、外の色が違っています!」

 ミニセルとテリアン。それぞれから矢継ぎ早に頭を混乱させてくる情報を叩き付けて来られる。

 これは災難か? それは勿論そうだろうが、何も無いよりマシだ。彼らは、少なくともディンスレイが咄嗟に気付けぬ情報を教えてくれたのだから。

 だから艦長たる自分はその情報から判断を下す。

「艦の推力を止めろ! 前に進もうとするな!」

「それすると……方向を変えられなくなるけど、了解!」

 反論はあれど指示を聞いてくれるミニセル。

 その咄嗟の行動に感謝しつつ、ディンスレイは自分の指示が正しい事を祈った。

 艦が引っ張られている。何かの力に艦が包まれているらしい。艦が前に進もうとすれば、それは艦を引っ張ろうとする力を後押しする事になる。そう判断した上での指示だった。

 結論はすぐに出るだろう。地面は尚も近づいている。その勢いはディンスレイの指示で減じた様に見えたが……。

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