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出発

長期間連載を休んでしまい申し訳ございません!

 

 巨大な本を開くと、鮮明に描かれた世界地図がお出迎えしていた。そこには大きな大陸が6つに分けられていた。


 大陸の中央にある面積の少し小さい国は【ペンデュラム王国】と明記されている。【ペンデュラム王国】の周囲に均等な面積で分けられた5つの国があり、真上の【エンブレム王国】、そこから右回りに【ムキスドラ王国】、【ヴィクトリア王国】、【センデラル王国】、【ゴルスト王国】とある。


「私達がいるのが、【ヴィクトリア王国】の南西部ね」


 サラは【ヴィクトリア王国】と【センデラル王国】の狭間付近を指で抑える。


「じゃあ、私はこの家を売り払う準備をして来るから──」


「あ、その事だけど、やっぱり売るなよ。この家は」


 サラはこの家を大事に思っているのは、良く伝わってくる。家を売り払うと言ったのも、俺について行くために勢いで言ってしまったのだろう。


 何より、この家に沢山の物が溢れかえっているのは先の地下室で分かった。それらを全て売るのならば、1か月はどうしてもかかってしまう。


 俺がサラの気持ちを理解していると察したのか、彼女は「……分かったわ」というと、旅の荷物をまとめる為、2階へと上がっていった。


 ──さて、と。俺は魔剣のありそうな場所を探すとするか……ん?


 俺は【センデラル王国】の南端の位置に書かれた文字が目につく。そこには10数の木の絵と【幻の森】の文字だった。俺は【幻の森】の詳細が載っているページを開く。


 そこには、500年前に突然現れた不思議な森で、発見したと思えば姿を消し、また突然姿を現すという不思議な森だという。


 ──500年前、ちょうど俺が転生した年……か。


 俺が【グレイズの大森林】で気絶した時に見た夢、あれは俺が転生する直前の記憶に違いないだろう。そして、あの7人の者達は間違いなく魔剣だ。魔剣が世界各地に移動したのは、俺がどこで転生してもすぐに合流出来るようにする為だろう。


 ──魔剣の1つが、俺の目に止まるよう怪現象を起こしているのかもしれない。


 そうなのなら、行く以外に道は無い。

 取り敢えず、【幻の森】のすぐ近くに記されている【バージ村】で聞き取り調査でも行うとしよう。


「アラン、目的地は決まったー?」


 そこには準備を終えたようで、凛として立っているサラの姿があった。日用品や服、装飾品などは【収納魔法】で収納しているらしい。俺が魔剣のありそうな所を探していることは察していたようだ。


「ああ、今回の目的地は【幻の森】だ。でも、この森は突然現れたり消えたりと怪現象が起こるらしいから、その前にまず【バージ村】で聞き取り調査をしようと思う」


「ま、幻の森!? ほ、本気で言ってるのッ!?」


「ん? 何か不味いことでもあるのか?」


 まさかSランクの魔物がうようよ生息しているなんてことは無いだろうな。そうならば、命の危険を伴うような旅になってしまうが。


 サラは顔面蒼白でブルブル震えながら口を開いた。


「……出るのよ」


「ん? 何て?」


「……幽霊が……幽霊が出るのよーっ!」


 ──は?


 サラは1人でキャーと悲鳴を上げているが、俺はその姿に悲鳴を上げそうになる。

 幽霊だと? そんなものがこの世に存在するわけがない。きっとスキル【浮遊】や【半透明化】を持つ魔物か何かの見間違いだろう。


「だーかーらぁーっ! 【幻の森】は戦争で亡くなった戦士達が集まってくるらしくて、【幻の森】の近くにある【バージ村】なんて心霊現象なんて日常茶飯事、神隠しも起きるって──」


「そういう噂だろ」


 俺はサラの悲痛な叫びを一刀両断する。

 全く、馬鹿馬鹿しい。そもそも、昔──俺が転生する前は蘇生魔法のようなものもあったのだ。それらの人類の英智の結晶を幽霊なんて曖昧な檻で囲わないで頂きたい。


「取り敢えず、出発するぞ」


「ひえーーーっ!」


 サラの悲鳴をよそに、俺は家を出た。


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