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余命の炎を追う少女  作者: LIKI
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第2章。お騙し (1)

『おはよう。おはよう』


私を起こすのは黒い子犬。二度目の出会い。私は、眼を開いて、頬を容赦なくなめる彼を引き離し、一度抱きしめてから撫でながら、それから、私のあたりを見渡す。灰色のからっぽの空間。今私は夢の中。俺はそれを見て、目の前にいる夢の番人。その名を呼んでみせる。


『メフィ、またあなただよね。』

『そう、ルリエ。 元気だった?』

『元気だったよ。ほんの一瞬だったけど』

『あまり顔色が悪そうに見える。何かあったの?』


メフィは私の目を見つめ、それに絡んでいる私の複雑な心を読んだのか、心配しながら聞いてくる。 この子は人の目を通して何でも見抜くんだよな。 それなら噓は通じないだろう。利口な子犬だ。私は一度大きく息を吸いてから、少し前に起こったことを思い出して、一度たじろぎ、そしてうずくまる。メフィーは、しっぽを振りながら、そんなのやめろというように、しゃがんだ私の足の間から潜り込み、いたずらをする。 私は姿勢を正して、その子の目を見ながら言う。


『姉と喧嘩した。』

『そうなの?』

『あなた以前私に変なことを言ったんだよね。』

『変なことを言った覚えはないけど、そう。』

『本当にそれが起きた。それもこんなに早く。』

『ついにお皿を割ったんだね。』

『うん。あいにく。 どうして私にはこのことも見抜けなかったんだろう。』

『すべて物事は自分が考えていなかった時、予想できない時に急に起こるから分かるようで分からないんだ。 そして君はそれに逆らうことはできないだろう。それを運命とも言うんだし』

『貴方は本当に難しいことをたくさん知っているんだよね』

『それで何が起こったの?』

『お姉ちゃんは嘘つき。』


私はメフィーに以前あったことについて話した。なぜだか死んでしまった私の黒ヤギのルディ。それにもかかわらずその子を肉にしてしまった私の姉と、それも知らずに口に入れておいしく食べてしまった私の話を。

メフィはまっすぐに座って「なるほど」と静かに私の話に耳を傾けたかと思うと、立ち上がって私の周りを一回りしながら口を開き始めた.


『そう。聞いてみたら、君のの姉さんは嘘つきだよ。』

『そう、本当に悪い嘘つき』

『きっと君と一緒にその愛らしいルディを埋めてあげるふりをして、密かに君が眠っている間に墓から死体を抜いてきたのだろう。たった今死んだ肉はどうも新鮮すぎるから。食欲を耐えられなかったんだ。』

『姉さん本当に悪い人。そして、それはあまりにも残酷だった。』

『たぶん君を陸地に連れて行ってくれるという約束も嘘だろう』

『なに? それ本当?』


この子はなぜそのことを知っているのだろうか。 私は話を切り出したことがないのにね。 そんなに慌てた私の顔色を読みとめて、メフィは何を驚かされるかのように、私のまわりを回っていた足を止めて、姿勢を正して言葉をつなぐ。


『ここは夢の中だから。全てが起きれる。私が君に対して多く分かっていてもおかしくないものだよ。』

『ああ、そうね。 ここは夢だった』

『とにかく、君がすごく愛していたルデーを、スープにして食べさせたのを見ると、君のお姉さんは、良い人ではない。 あなたをその島に完全に閉じこめて、一人で祭りを楽しもうとするに違いない。 以前に嘘をついたようにね。』

『お姉ちゃんがそんなに悪い人だったの?』

『悪い人ほど人が良いふりをするものだ。 善良に見えるということは、本当は内面に悪い人がいるということだよ。』

『そうなんだ…』

『だからその約束も十分に疑う必要がある。この世にたった一度しかない大祭りに、世界中の人々が参加する祭りに、あなた一人だけが参加できないというのは、どれほど寂しいことだろうか? 君のお姉さんは商人の子弟たちと一緒に参加する約束が立てられているのにね。』


私は考える。この前にお姉さんが言ってくれた、世の中のすべての珍奇な物と多様な人が集まる大祭りの場。私の国のアトラスの偉大なるお姫様の15回目の誕生日を称える、二度はないその祭りの現場を。

姉さんに騙されてそこに参加できなくなったら、それなりの不幸は絶対にないだろう。


『私にも参加できる方法はないかな。』

『1つあると思うんだけど、大変かもしれない。 運命に逆らうものだから。』

『一つの方法? 何?』

『家を出てって。お姉さんには内緒でね』

『何だって?』


私はあっけに取られた。家を出ろって?お姉さんに内緒で?

一体どうやって?私は思い起こしたが、どうしても思い出せない。目を丸くしてメフィを見つめる方だった。


『ここで1つの予言、そして助言をしてあげよう。今度は君にとても役に立つものだ。』


しかし、そんな私の反応も、メフィには予想していたかのように、話を続けざまに続けた。


『それ、本当にできる?』

『ま、君はどうせ忘れるだろうけど、運命の車輪って、それがとても面白いんだ。以前の予言を君が予想できないように、人は一度認識した現象を避けようとすると、その現象はその人にむしろ近くなるということだ。』

『何を言ってるのか分からない』

『要は、君は、たった今聞いた私の言葉を忘れたふりして、行動するようだけど、もう言葉が頭の中に刻印されるから、それを避けられなくなっているのだ。』

『だからどうしても叶うしかないというの?』

『そんな話だよ。』

『本当に便利な予言だね』

『これは「助言」でもあるからね。しかしもっと言えば、これはあなたの選択によって受け入れることも避けることもできるよ。未来に起きる現象を認識できるならね。』

『未来に起きる現象を認識するって? そんなことが可能なの?』

『うーん、もっと簡単に言うと、デジャヴって言う言葉がある。 未来から来た言葉ではあるのだが、自分が思ったり、夢で見たようなことが現実でも一度その映像を見た時に感じる妙な感情を語ることをいう。 いくつか感じたことない? 例えば この前あの時。』

『そう言うからそうした気もするし』

『多くの占い師たちがする方法だが、その共通点は…いや、もう行かなければならない時間だ。 眠りの世界って思ったより喋る時間が本当に短いんだよ。』

『いくらも経っていないようだけど。』

『夢での時間は現実とは少し違うからね。 要するに時間は相対的だということだ. 未来のある科学者が言ったことがある。』

『どういう意味かは分からないけど、 君は本当に多くのことを知っているだろう』

『とにかく、 またね. いつまた来るかは分からないが。 私はあなたが幸せだったら良いな。 不幸な運命をさかのぼって、君の幸せなことが成功するように祈る。』

『ありがとう。そうだったらいいと思う。 君といると何か…』


そう言いながら、私は深い眠りに落ちる。 夢の中での眠り、それは現実での覚醒を意味することもある。 私は熱い朝日を頭に浴びながら、憎い現実と再び向き合うようになった。

そんなにアトラスの祭りまで約20日前。 事はその時発生した。

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