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弁ちゃん強敵出現!

美香は小暮に例の話を持ちかけた。

「小暮君、私実は町田君達のマネージャーやってるの」

「マネージャー?」

美香はうなずいた。

「ええ、バンドのね!」

小暮は驚いた様子で正吾をどついた。

「ええっ?町田そんな活動してたんだ。知らなかったよ」

こりんは胸を張って

「正吾様は芸能プロダクションからスカウトされてるんですのよ」

正吾は恥ずかしそうに

「いやいやまだ大した活動してないんだけどさ」とうつむいてしまった。

「そういやあクラスの女子がお前の事、テレビで観たって言ってたな。てっきり見間違いだとばっかり思っていたよスゲーじゃん!」

正吾は顔を赤くしてモジモジしている。

「それでね。今度の卒業生を送る会で演奏したいんだけどいいかな?」

そう言うと美香は小暮の顔を覗きこんだ。

「そりゃあいい!ぜひプログラムに入れよう」

小暮は気持ち良くOKしてくれた。

「いいの!?やった。カリンさんにも知らせてやらなくちゃ」

正吾が浮かれていると小暮がたずねてきた。

「カリンさんて?」

「ボーカルの女の子でさ。女子高生なんだ」


「へぇ。町田って結構交際範囲広いんだね」

「そんなことないさ。でもライブかぁ。楽しみだな!美香ちゃん、演出考えといてよ」

「うん!任せておいて。ねぇ?こりんちゃん」

「はい。私、衣装を担当しますわ。裁縫は得意なんです」

「じゃあ、あとは本番まで練習あるのみだね」

正吾は早速カリンの携帯に、これから倉に練習に行くとメールを入れた。

「じゃあ僕とこりんちゃんはカリンさん家に行くよ。美香ちゃん達はどうする?」

美香は小暮に

「私はマネージャーですものお伴しなくちゃ!小暮君また明日ね」

と言って手を振った。チェッ一緒にどうお?とか聞かないのかよ…小暮は内心がっかりしたが

「おう!じゃあまた明日な」と言って交差点を渡って行った。

「フム。土蜘蛛よ、あやつがお前のターゲットか?」

弁天の問いに美香はうなずいた。

美香ちゃんも小暮を天才に育てるつもりとか?

正吾は二人の会話に耳をそばだてた。

「正吾様!盗み聞きなんてはしたないですわよ」

こりんは正吾のほっぺたをつねりあげた。

「イタタタ!はいはい。それよりどんな衣装作るつもり?」


正吾がそうたずねるとこりんはウ〜ンと唸り、美香に相談した。


「どんなイメージにしようか?」


「そうねぇ。ゴシックホラー風はどうかしら?」

こりんの目はキラキラ輝いた。

「それ、いいかも?正吾君はドラキュラ風の衣装でカリンさんはゴスロリでメチャメチャ可愛いの作ってあげる!」


カリンはすでに倉で発声練習をしていた。


「カリンさん、お待たせ!」

「遅かったね。こっちはもう準備OKよ!」

カリンと正吾が練習している間、美香とこりんは衣装の打ち合わせを済ませた。

「デザインはこれで決定ね!」

美香がそう言うとこりんは

「了解、早速とりかかるわ」と倉の二階に上がって行った。


「正吾君、私用事を思い出したから出掛けてくるわね」

「ああ、了解!行ってらっしゃい」

美香は倉を出てまた学校に戻って行った。


校門からは部活動を終えた生徒達が次々と出てきた。すでに薄暗くなった校舎は人気もなくなりすっかり静まりかえっている。

美香は廊下を一人足音を忍ばせながら歩いていた。


廊下の突き当たりのドアをガラリと開けると暗闇の中から緑色の光を放つ円陣が目に飛び込んできた。

「土蜘蛛か?」

「はい。御主人様」

「うまく潜入できたようだな」

美香は静かにうなずいた。

「これを見ろ!人間の憎しみ、哀しみ、妬みの炎が燃え盛っている。あの方の復活もそう遠くないはずだ」

土蜘蛛はそう囁く男の膝にもたれかかった。

「罠は仕掛けたか?」

「ええ。生け贄になる者は決めました」

それを聞き、男は満足そうに美香の髪を優しく撫でた。

「土蜘蛛よ、これを持ってゆけ」


「これは?」

美香の手のひらには小さな人形が置かれた。

「それに息を吹きかけてみろ」

美香は言われるままにフゥッと息を吹きかけた。

するとその人形はピクリと動き出し、あっという間に毘沙門天の姿になった。

「こ、これは?」

男はふふふと笑い

「これは私の言う通りに動く操り人形だ。おとりに使うがいい」

美香はうなずき、毘沙門天の操り人形を自分の肩に乗せると姿を消した。

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