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弁ちゃん土蜘蛛をマネージャーにする!ナイト決定

美香は小暮の教科書をのぞきこむふりをして小さな声で話しかけた。

「小暮君、生徒会長だったのね。ちょうどいいわあなたにお願いがあるの」

小暮は少し面食らった。

さすがに帰国子女…物怖じしないね。

小暮は

「ふうん。なんだい?」

とたずねると

「あなたの彼女にしてくれない?」

とニコリと微笑んだ。

「……え?もう一回言ってくれる?」

「あなたの彼女にして欲しいの!考えといて」

小暮はバサリと教科書を落とした。

「こら、小暮!土蜘蛛にみとれとらんで教科書読んでみろ。3行目からだ」

小暮は動悸を抑えて落とした教科書を拾いあげた。


小暮は教科書を読み上げながらこの大胆不敵な少女に興味をもちはじめた自分に苦笑した。

こいつ…面白いじゃん!

「よし、いいだろう。続きを吉田!読んでみろ」

小暮は椅子に座ると美香の涼しげな横顔を眺めた。

まぁ美人ではあるよな…しかし、どういうつもりだ?

小暮は美香の腕をつついた。

「おい!なんのつもりだ?まさか一目惚れなんてわけじゃ…ないよな」

美香はチラリと小暮をみると

「嫌なの?」と顔色一つ変えずに聞いてきた。

「俺達、今会ったばかりだぜ?いいのかよ、俺とんでもないやつかもよ?」

美香は可笑しそうに

「とんでもないやつだったらそんなこと自分から言わないんじゃない?」と言った。


「ふりだけでも構わないわ。私の彼氏だってことにしといてくれないかしら?」

やっぱり俺に惚れたわけじゃないのか…

小暮はちょっとがっかりしたが

「うん。それなら構わないよ。でもその訳を教えてくれ」と真面目な顔で美香に言った。

「それは、しばらくすればわかるわよ。でもそうしてくれると色々助かるわ」

小暮はなんとなくスッキリしなかったが引き受ける事にした。

「まぁ別に彼女もいないし、構わないよ」

美香の顔がパアッと明るくなった。

「ありがとう!嬉しいわ。じゃあ早速今日は一緒に帰りましょう」

変な事になったな。

ついコイツ…美香だっけ?美香のペースにはまっちゃったよ。

ちょうど退屈してたとこだからいいけどさ。

授業が終わって休み時間…

美香の机の周りに男子達が詰めかけてきた。

「ねぇねぇ美香ちゃん!アメリカってどの辺にいたの?」

美香は一応愛想よく

「カリフォルニアよ」と適当に答えた。

「何かスポーツとかやってる?」

「いいえ。私、運動は苦手なの」

男子は一様に相槌をうち

「ところで彼氏はいる?」とすかさず篠原が聞いた。

「ええ、いるわ」

男子たちは皆肩を落としてがっかりしている。

「もしかしてアメリカ人?」

篠原は美香の彼氏がアメリカにいるなら、まだ自分にも可能性はあると思った。

「いいえ、この学校にいるの」

「ええ〜!?」

これを聞いて女子達も集まってきた。

「ウソ!幼馴染みとか?」

生徒会副会長をしている山崎萌が追及してきた。

美香はニッコリ笑って隣にいる小暮の腕に手を回した。

「ううん。小暮くんが私の彼氏よ。実はさっき告白されちゃった」

「なんだと〜!マジかよ。ソッコーやられたな!」


男子達は小暮の手の早さに地団駄踏んでくやしがっている。

篠原はショックで呆然としていた。

「そ…そんな!クラスが違ったばっかりに…一足遅かったか。でもまさかそんな。小暮のやつ!抜け駆けだぜ」

萌が小暮を睨み付けながら

「それ本当なの?聡!」

と問いつめた。

「ん?…ああ、まぁな」

萌はその言葉を聞くと凄い形相で

「サイテー!」と叫んでくるりときびすを返し、女子達と去っていった。

アチャ〜。女子達を敵に回しちゃったかな?

しっかしコイツの考えがいまいちわからん!


篠原は呆然としたまま自分のクラスに戻っていった。

「あっ篠原、どうだった美香ちゃんみんなと仲良くしてたか?」

正吾が聞くと、篠原は机に顔を付けて返事もしない。

その様子にこれは何かあったな?と勘づいた。

「おいおいどうしたんだよ!何があったんだ?」

正吾が篠原の背を揺すぶると小さな声で

「やられた…」と言った。

「なんだよ、何がやられたんだ?」

「…小暮が美香ちゃんに告白した。それで美香ちゃん小暮と付き合うらしい」

正吾は最初何を言ってるのか理解できなかったがしばらくして

「エエエ〜!?」と絶叫した。


や、やるな。小暮!


「いやぁ。さすがに生徒会長、ソッコーだね。まぁあれだけの美人だからな。残念だったね篠原君!」

篠原はむっくりと起き上がった。

「なんか変だ…いくらなんでも早すぎる!俺諦めないからな」

ぶーたれる篠原の肩で貧乏神がヤレヤレといった顔で座っていた。弁天は貧乏神に

「恋の病にとりつかれたな。しばらくは何を言っても無駄じゃろう」

と声をかけた。

「しかたありませんね。でも相手が悪すぎますわ」

弁天は貧乏神の肩をポンポン叩いてなぐさめた。


そして放課後…

正吾達は隣のクラスに美香を迎えに行った。

「美香ちゃん!一緒に帰りましょう」

こりんが声をかけると美香は小暮に

「じゃあ帰りましょう」と声をかけている。

小暮は少し照れた様子で正吾達の前に現れた。

「彼も一緒にいいかしら?」

どうやら篠原の話は本当らしいな。

正吾は二人の様子を見てそう感じた。

「もちろんだよ!一緒に帰ろう」


九尾はさっそく美香にたずねた。

「ねぇ!二人が付き合う事になったって本当なの?うちのクラスでも大騒ぎしてたわよ」美香はシラッと

「本当よ。ねぇ聡?」

小暮は美香の隣で苦笑いしながら

「ああ。そうなんだ」

と答えた。

「小暮くん、これから大変よ〜!美香は昔からスッゴクモテたんだから。美香に近付く男達を追い払うナイトに指名されたからにはしっかり姫を守ってね!」

小暮はこりんの言葉になるほどなぁ。と納得した。

俺は面倒な男達から口説かれるのを防ぐ防波堤なわけね!了解〜。

でもなんでかな?なんで俺なんだ?


小暮は美香の長い黒髪が揺れるのを見つめながらそう考えていた。

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