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弁ちゃん毘沙門を見つける!夢の階段

毘沙門編といってもまだ実物は出てきません。期待した方ごめんなさい!正吾が出世しないと会えませんからもう少し先になるかもしれません

正吾達は安西家の倉に到着すると重い扉をゆっくり開けた。

「この前掃除したからあんまりホコリはたたなくなったね」

カリンは嬉しそうに正吾にそう言った。

「ここに来るのも久しぶりだなぁ」

正吾が周りを見渡している間に九尾は一目散に二階に上がって行った。

「そうだった!ここは九ちゃんの古巣だもんね。久しぶりに家に帰ってきたというわけだ」と二人にニッコリ笑いかけた。

「そうだったのぅ。しかしここは妖怪の巣窟じゃ!またへんなものを連れてこんといいが…」

弁天がそうぼやいたそばから座敷わらしがポンポンと出現してイタズラをはじめている。

「ああ〜また邪魔なのが来た。オラオラおまえら邪魔しないでちゃんとこいつらの演奏聞いてやってくれよ」

恵比寿がそう言うと座敷わらし達はちょこんと座っておとなしくなった。

「よしよしいい子だ」恵比寿はわらしの頭を撫で撫でしてやるとわらしはニコニコご機嫌にしている。

「じゃあ早速始めましょう!」

「準備OKです。ところで演奏前に言っておかなくちゃならないことが…」


「ん?どうしたの。何か問題でもあるのかしら?」

正吾はバツが悪そうな顔でカリンに話した。

「実は俺…楽譜読めないんですよ。だから俺が弾くのはすべてアドリブ、同じ曲は二度と弾けない幻の一曲ってわけです」

カリンは一瞬何を言われているのか分からずポカンとしたが、間をおいて

「ええっ!?じゃあ私にもアドリブでその場で歌えっていうわけ?」と困惑の表情を浮かべた。

「ハハハそうなりますね」

ちょっとちょっとハハハじゃないわよ!全くそんなの無謀もいいとこだわ!

カリンは呆れた顔で正吾を見ると

「そんなのダメよ。私には無理だわ!」

とふくれっ面になってしまった。

弁天はやれやれとため息をつくと

「カリン、それはそれで面白いと思わんか?正吾は中々感性がよくてな。毎回楽しませてくれておる。カリンは好きに歌えば良い。正吾はそれに合わせ演奏するだけじゃ」

「簡単に言わないで!私にはそんな感性ないもの…。誰かの真似がいいとこよ。オリジナルなんて思いうかばない」

「やってみればいいじゃん!」


「えっ?」

恵比寿の隣にいた座敷わらしがニコニコしながらそう言った。

「おもしろそう!聴きたい聴きたい!歌って歌って〜」

わらし達は囃し立てた。

恵比寿はニヤニヤしてその様子を眺めている。

「まずはテーマを決めてみよう。カリンさんなんにする?」

あ〜なんだかうまくのせられちゃってるな〜。正吾くんて何気にそういうの上手いのよね…。

「もう!負けたわ。わかった、やってみましょう。タイトルは…そうねぇ…夢の階段はどうかしら?これからその階段を登っていくんですもの。今の気持ちにぴったりでしょ?」

正吾は力強くうなずいた。

「夢の階段?いいね!凄くいいよ。それでいこう」

正吾は振り返って弁天に声をかけた。

「弁ちゃんどうだい、いいタイトルだろう?」正吾は意味深に弁天の顔をのぞいてそっと耳もとでささやいた。

「その階段のてっぺんには毘沙門君が待ってるよ!」

弁天はポッと頬をピンクに染めた。

正吾は弁天にウインクするとカリンに言った。

「どうだい歌詞は浮かびそう?」カリンは紙にサラサラと歌詞を書き込んでいる。

「ちょっと待って…もう少しだから」


カリンはしばらくすると

「よし!出来たわよ」と立ち上がった。

「いい?じゃあ歌ってみる。笑わないでよね」

カリンは自分でリズムをとり、歌いだした。

「私はとっても優等生、ずっとずっとそうだった〜。親に誉められ先生からも信頼あつい生徒会長!でもね…でもねほんとは違うんだ、有名大学?そんなのやだ!有名企業?だからどうした?道は自分がつくるもの。そうでしょ?ほら夢の階段の上には輝く自分の姿見えてる。行こう勇気出して、さあ後悔しないために〜」

カリンは一気に歌い上げ

「どう?どう?」と周りに聞いた。

座敷わらしは大爆笑で転げ回っている。

「ひ、ひどい!こら!笑わないでよぅ」

正吾はう〜んと唸り

「カリンさん、歌詞はいいと思う。気持ちがストレートに響いてくるいい歌詞だよ。だけどリズムがなぁ…ちょっと俺のリズムで歌ってみてよ」

正吾がリズムをとり、それに合わせてカリンは歌いだした。

「おっ?さっきと同じ曲とは思えん!いい調子じゃ。なぁ恵比寿どうじゃ?」

恵比寿はうなずいて

「ああ、いいかんじだな。もう少しアップテンポでいこう。あとは問題ない」


二人は演奏を終え、顔を見合わせた。

「うん!これでいこう」正吾はカリンの肩を叩いた。

「声、ずいぶんハリがでましたね。恵比寿君の特訓の成果バッチリですよ!」

カリンは正吾に照れくさそうな顔を向け

「ううん。やっぱり君の音楽センスは相当ね。私の下手くそな歌詞をあれだけかっこよくアレンジしちゃうんだから参ったわ」

と正直に誉めた。

「そういえば九尾はどこにおるんじゃ?せっかく正吾が演奏したのにのぅ。ファンクラブ会長はクビじゃな!」

「まぁ!クビとはひどい。ここにおりますよ。とってもいいかんじだと土蜘蛛も申しております」

二階にあがる梯子の途中に腰掛けている九尾の後ろには黒くて巨大な蜘蛛がどっかりとしがみつき、正吾たちの方をギョロリとした目でじっと見ていた。

「うわあ!それ九ちゃんの仲間?」

九尾はヒラリと梯子から飛び降りた。

「はい!昔からの友達です。彼女もファンクラブに入るって言ってますよ」

土蜘蛛はあっという間に人間に姿を変えて階段を降りてきた。

ダイナマイトボディのセクシー美女だ。

「ヒェ〜!目のやり場に困るよ。まさか彼女も家に来るなんて言わないでしょ?」

土蜘蛛はウフフと笑って

「そんな事九尾が許すはずありませんわ。あなたが浮気しないかいつも見張ってるくらいですもの。でも私だってファンクラブ会員ですから度々会いにいきますことよ!九尾、よろしいわね?」

九尾は

「まぁ仕方ないわね。でも正吾様は私のもの、手出ししたら容赦しませんわよ!」と軽く睨んでみせた。

弁天は

「良かったのぅファンは大切にせねばな!あとは人間のファンを増やさねば」

カリンはドンと胸を叩いた。

「それは任せておいて、私に考えがあるわ!」

正吾はこれからの展開に期待で胸をふくらませた。

カリンの歌う歌詞が思いつかずアップが遅くなりました。

これからも歌詞に泣かされそうです

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