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弁ちゃん生き霊の正体を暴く!九尾の作戦

教室に入った正吾とこりんが席に着くと篠原と貧乏神がやってきた。

「おはよう!こりんさん」

「あら、おはようございます」

こりんは礼儀正しくお辞儀した。

「おい、町田。こんな可愛いフィアンセがいたなんて知らなかったよ。いいなぁ…俺も彼女が欲しいよ」正吾は小声で

「ホントは違うんだ。この子は九尾っていう妖怪でね。なんでだか俺のギターが気にいってついてきちゃったんだよ」それを聞いた篠原は思わず

「ええっ!?」と声をあげた。

正吾は慌てて

「シィッ!」と口に人差し指を当てて

「まぁ正確にいうと追っかけファンだな」と得意気に話した。

それを聞いた弁天は

「調子に乗るな!九尾の音感はちと変わっておるでの。お前のはまだマニア受けするというだけの話しじゃ」篠原はフフフと笑って。

「な〜んだ、そういうこと」と何やら嬉しそうにしている。

その様子を教室のはじから見ている女子がいた。

「ねぇ、チカ。町田のどこがいいわけ?あんなダサイ草食系男子、チカには似合わないよ」

チカは正吾をじっと見つめ

「町田くんは誰がなんと言おうと素敵だよ。私はずっと彼を見てた。絶対九条さんになんか渡さないわ!」こりんは殺気を感じ、くるりと振り返った。こりんはチカと視線を合わせ、不敵に微笑み正吾の腕に自分の腕を絡ませた。「クッ!宣戦布告ってわけね。いいわ、受けてたとうじゃないの」正吾はそんな事になっているとは露とも思わず生き霊の正体の事で頭がいっぱいになっていた。


正吾達は休み時間ごとに有明の様子を観察しに行ったが特に変化はなかった。

「午前中は収穫なかったね」正吾が残念そうに言うと九尾は

「昨夜の様子を聞いてみましょう」と席を立ち上がった。

昼休みの職員室は生徒も沢山来ていて結構混雑していた。正吾達は職員室の中に入っていき有明に声をかけた。

「先生、音楽室借りていいですか?」

有明は目の下にくまがバッチリ出来ている。

「ええ、いいわよ。使ってちょうだい」

正吾は声のトーンを落として

「先生…昨夜はやっぱり何かありました?」と聞くと有明は

「このくまを見てよ。何も無かったとおもう?」と疲れた表情で答えた。

「詳しく話して下さい。場合によっては今晩伺いますわ」

九尾がそういうと

「私も一緒に音楽室に行くわ。話しを聞いてちょうだい」

音楽室の後ろの方の席にみんなで有明を取り囲むように座ると早速有明は昨夜の状況を話し出した。

「昨日、あなたたちを送ってから直ぐに私も自分のアパートに戻ったの。もうずいぶん遅い時間だったからシャワーを浴びて布団に直行よ。

もちろん寝る前に九条さんから貰ったあの魔除けのお香を炊くのは忘れなかったわ。私も疲れていたからグッスリ寝込んじゃったんだけど…朝方よ、なんだか息苦しくて目が覚めたの。そうしたら二本の腕が私の首を締め付けていたのよ。叫ぼうと思ったんだけど金縛りっていうのかしら…全然動けなくてね、必死で心の中で佐々木さんに助けて!っ祈ったの。そしたらやっと金縛りが解けたわ。よくみたら朝までにお香はすっかり燃えカスになっちゃってたのよね…参ったわ」

弁天はそれを聞き満足そうにうなずいた。

「佐々木よ、ずいぶん頑張ったようじゃのぅ」

有明の後ろにたたずむ佐々木は疲労困憊といった顔で

「いやぁ…なかなかに手強いヤツだったわい。さすがのワシもへとへとじゃ」とぼやいていた。

こりんはすっかりしょげかえって

「すみません先生…香の量が足りないなんて初歩的なミスですわ」と謝った。

「九条さん、謝らないでちょうだい。あなたには感謝してるのよ。ああ…それにしてもどうやったら本体を突き止められるのかしら?」

有明がそうこぼすのを聞き、九尾は何か思い付いたようにハッとした表情を浮かべた。

「そうだわ…揚羽よ!正吾様、ギターを弾いて下さいませ。揚羽にはどうやら魔を呼び寄せる力があるようです。経験者が言うのですから間違いありませんわ!」

正吾は驚いた顔で

「ええっ?じゃあ九ちゃんは俺の演奏に惹かれたんじゃなくて揚羽の音に惹かれてたってわけ?」

九尾は正吾にそう言われ慌てて弁解した。

「違いますわ!あなたの演奏する揚羽の音に感動したのです。だいたい揚羽を鳴らす事が出来るのはもうあなたお一人だけでしょう?」

そんな二人のやりとりに弁天は呆れて

「こりゃ!またすぐイチャイチャする!時と場所を考えんか」

二人は反省したのか大人しくなった。

「さあ、ではさっそく揚羽で実験じゃ!」

弁天がそう言うと、正吾はすぐに揚羽をとりに出ていった。

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