天才トレーナー弁ちゃん!
正吾はつぶやいた。
「弁財天ってなんの神様だっけ?」その小さな女の子はプリプリ怒り出した。
「お前、そんなことも知らんのか!妾はな、音楽の神じゃ。これをみよ」
なにやらウクレレみたいな物を小脇に抱えている。
「うわ〜!ちょっとそれ見せてよ。昔の琵琶ってやつ?」
正吾はそのおもちゃみたいな楽器をつまんでよくみると
「なんだこれ?アコースティックギターじゃん!」
弁天はフフフと笑い
「当たり前じゃ、今はいったい何世紀じゃとおもっとる」
「スゲーな弁ちゃん、カッコいいよ」
弁天は胸をはって
「当たり前じゃ!」とおおえばりしている。
「ところで、その弁財天様がなんで俺なんかのとこにきたわけ?」弁天は腕組みして答えた
「お前が神に選ばれた男だからじゃ。そうでなくては天照大神様が見えるわけがないからのぅ」「えっ!?それって…まさかあの露店のオヤジ?」
弁天は深いため息をつき
「あれは仮のお姿じゃ!どんな姿であろうと慈悲深きお方じゃ、なんせたった350円で妾を売ったのだからな」正吾はクフフと笑い
「それでこれからどうするの?」と聞いた。
「正吾、お前を立派な天才にしてやる!それが妾の使命じゃ」
正吾は思い切りのけ反った。
「なんだよそれ〜。俺はなんの取り柄もないよ!運動も嫌いだし、勉強だって下から数えたほうが早いくらいの成績だしさ。ましてルックスなんか平々凡々でしょ?」弁ちゃんはじっくりと正吾の全身を見回した。
「そうじゃな、背は普通だけど脚が短いのぅ。顔は…なんでそんなにぽっちゃりしておるのかのぅ?もう少しこう…キリッとせんかのぅ」ブチブチいいながらも最後はきっちり宣言した
「とにかく!何かあるはずじゃ。神をも惹き付ける何かが…。まずはそれを探す事じゃな」正吾は勝手にしろとばかりにコタツに潜りこんだ。
「よし!明日はお前の学校での様子を見よう。そうすればきっと何かわかるはずじゃ」
正吾はその言葉を聞いて跳ね起きた。
「ええっ!?そんなの無理、絶対無理だからね!」
弁天はグフフと笑って
「心配せんでもよい。どうせ他の人間には見えんのだからな…それにしても明日が楽しみじゃ!」
そう言うと
コタツの中に潜っていった。




