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弁ちゃん孤鈴を叱る!

う〜ん…お、重い!

正吾は腕の痺れを感じて目が覚めた。

昨夜は猫又の一件があったからなぁ…疲れが取れてないや。

正吾はふと隣を見るとなんとそこには可愛らしい女の子がしどけない格好で眠っているではないか。

「き、きき君誰?なんで俺の隣で寝てるの?」

正吾は跳び起きて眠そうに目を擦っている彼女を見た。

「…キュウン」

彼女は変な鳴き声を残してまた布団の中に潜りこんでしまった。

「ま、まさかまた妖怪?弁ちゃん弁ちゃん!起きてくれよ」

正吾はスポーツタオルを布団にして寝ている弁天をツンツンつついた。

「なんじゃ正吾、お前が先に起きるなど珍しいのぅ」

「た、大変だよ!俺の布団に誰かいる。もしかしてまた妖怪かも?」

弁天はボリボリ背中を掻いてから面倒くさそうに正吾に言った。

「布団をめくってみよ。それでは見えぬではないか」

「それもそうだね」

正吾は近くにあったバドミントンのラケットを握ると、布団の端をそっとめくりあげた。

すると白い着物からスウッと伸びた両足がのぞき、正吾の顔は思わず赤らんだ。

「こりゃ正吾、さっさとせんか!」

急かす弁天に後押しされて正吾は思い切り布団を剥いだ。

「う〜ん良く寝た。もう朝でしたか」

背伸びをしてこちらを向いた彼女の頭には白い耳がピンと立っているではないか。

「ああっ!もしかして君、九ちゃんなの?」彼女は手の甲をピンクの舌でペロペロなめている。


「これ九尾、一体なんのつもりじゃ?」

九尾は潤んだ瞳で正吾をじっと見つめ

「私、すっかり正吾様のファンになってしまいました。昨日もあんなに荒れていた猫又が正吾様のギターにはいちころだったではありませんか!もう私、正吾様の魅力には抗えませんわ。これからは常にお側にいてお守りいたします」

と告白した。

正吾はそれを聞きすっかり舞い上がってしまっている。

「エヘヘ、俺そんなにカッコ良かった?」


「そりゃあもう最高でしたわ!あの音色、そして凛々しいあなたのお姿!もう、もう九尾はあなたに惚れてしまいました」

そういうと九尾は正吾に抱きついた。

「ええい、離れろ!離れろというに!」

「まったく面倒なことになったのぅ。とりあえず正吾、学校に行くぞ!ぐずぐずしてたら遅刻してしまう」

正吾は目覚まし時計を手に取ると

「うわぁ!ヤバイよ。すぐに着替えなくちゃ」

弁天は九尾をギロリと睨み

「大人しく待っておれよ。よいな!」

と釘をさした。

「じゃあ行ってきま〜す!」

正吾は食パンをくわえて家をとびだした。

「ああ〜弁ちゃんなんとかならない?神のお力でさ」

「甘えるでない!お前が九尾とイチャイチャしとるからこうなるのだ。さっさと走らんか!」

正吾は息を切らしながら教室に滑りこんだ。

「な、なんとか間に合ったぁ」

正吾が席になだれこむと同時にチャイムが鳴った。

「きりーつ!礼、着席」

朝の挨拶をすませると担任の海原が口を開いた

「今日からこのクラスに入る転校生を紹介する。入りなさい」

「九条狐鈴と書きまして、くじょうこりんと申します。どうぞよろしくお願いしますわ」

転校生は黒板に達筆な文字を残してニッコリ笑った。

「こりんちゃんかぁ可愛いな〜」

クラスの男子はみな鼻の下を伸ばしている中で、正吾だけは呆然とこりんを見ていた。

「きゅ、九ちゃん…!」

先生は正吾の様子に気付き

「なんだ、町田の知り合いか?」とたずねた。

「ええと…ハァまぁそうです」

消え入りそうな声でボソボソつぶやくと、こりんは

「はい、私正吾様の許嫁ですわ!」と言い切った。

「ええ〜!?」

クラスメート達は目を丸くしてビックリしている。

「あ、あやつめ一本とられたわい」

弁天はしまったとばかりに天を仰ぎみた。

こりんはニコニコして狼狽える担任に席を正吾の隣にするよう交渉していた。

「ま、まぁいいだろう…九条も学校に慣れるまで心細いだろうからな。じゃあ佐山、お前席を譲ってあげなさい」

「…はい、わかりました。どうぞ」

佐山チカは明らかに不機嫌な様子だ。

正吾はチカに

「ごめんな」と声をかけた。

「いいのよ。町田君が悪いんじゃないわ」

その様子を見ていた弁天は

「このおなご、どうやら正吾に気があるようじゃのぅ。ますます面倒な事になりそうじゃ」と、いまいちこの状況が分かっていない正吾にため息をついた。

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