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弁ちゃん九尾の背中に乗る!

弁天と恵比寿は二人の体から抜け出した。

「ふぅ。終わったのぅ」

「ああ、やっぱり弁天には雷電しかいないな!」

恵比寿がそう言うとグッタリしていた正吾もうなずいた。

「揚羽、約束だ!俺のパートナーになってくれ。俺達二人で弁天達をギャフンと言わせてやろうぜ!」

「…仕方がないわね。あなたそれだけいうからには絶対私を弾きこなせるようになってよ!そうでなかったら許さないからね」正吾はニッカリ笑って

「任せとけって!」

と胸を叩いてみせた。

「これからが本番ね。しっかりやりましょう」

カリンがそう言うと正吾はうなずいて

「カリンさん、早速だけどやっぱり君のとこで練習させてくれない?うちの環境じゃあ無理みたいなんだ」と話すと

カリンは

「分かったわ。ここで練習ってわけにもいかなくなったしね。みんなの目があるとこじゃあやりにくいでしょ?早速これからいらっしゃいよ」と快く了解してくれた。

「揚羽ちゃん、正吾君を頼むわね」

カリンが揚羽に頭を下げると

「こちらこそよろしく。ギターはボーカルとの相性も大切よ!あなたにも厳しく指導するからしっかりついてきてちょうだい」と逆にお願いされてしまった。

恵比寿はクスクス笑って

「こりゃあ大変だな」とつぶやいた。


練習場所の倉は安西邸の後ろ側に3棟並んで建っていた。

「うわぁ。歴史を感じるねぇ」

正吾がため息をつくと

「ウフフ。ほとんど開けたことないのよ。昔の骨董品ばっかりだから…一番左手の倉の下側は空いてるからそこでどう?こうみえても中は結構広いのよ。外に音も漏れないから大丈夫よ」

倉の入り口の鍵を開けるとギイッと重い扉が開き、モワーッと白いホコリが舞い上がった

「ゲホゲホッす、すごいホコリだね」

「もう何年も開けてないから…ケホッまずは掃除しないと使えないわね」

二人は換気のため倉の小窓をあけた。

一階はがらんと広い空間が広がっていて端のほうには二階にあがるはしごが掛けてあった。

正吾は真っ暗な二階を下からのぞくとブルッと身震いした。

「弁ちゃん、なんだか二階から妖気を感じるけどもしかして何かいる?」

「こんな旧い倉なんじゃから居ない方がおかしいわい。なんじゃ、もしかして怖いのか?」

「そりゃあ怖いよ。ねぇカリンさん?」

カリンはニヤニヤしながら

「あ〜ら私は平気よ。もう慣れちゃったもの」

「女は肝っ玉太いからな…男は繊細な生き物なんだよ。ね?恵比寿君」

恵比寿は深〜くうなずいた。

「さて掃除はこれくらいにして練習を始めるとするかの!」

弁天は正吾を旧い椅子に腰掛けさせた。

「カリン、お前はこっちで発声練習だ」

恵比寿はカリンを呼び壁際に立たせた。

「まずは指慣らしに簡単な曲からやろう。妾が雷電を弾くから後に続け。よいな?」

正吾は真剣な顔つきでじっと雷電の弦をつま弾く弁天の指先を凝視した。

「どうじゃ?まずここまで弾いてみよ。ワンフレーズだから難しくないはずじゃ」

正吾はぎこちなく揚羽の弦を弾いた。

「ポロン」

「あっ!音が鳴った。揚羽サンキュー」

「約束だから…。早く弾きなさいよ!」

正吾は弁天を真似てゆっくりではあったがしっかりと1音1音弾いていった。

「フム、なかなか良いではないか。なぁ揚羽よ?」

「そうね。筋は悪くなさそうだわ」

その時、二階から白い煙のようなものがシュルシュルと降りてきて正吾の足元にまとわりついた。

「うわ!何これ?弁ちゃん助けてよ〜!」

弁天はその白いものにヒョイと飛び乗った。

「なんじゃ?九尾の狐ではないか。どうやら正吾のギターにつられてやってきたようじゃが」

正吾は恐る恐るその白いものをじっとみた。それは雪のように真っ白な狐で尻尾は9本もあり、まるで孔雀の羽のように優雅に広がっていた。

「これって悪い妖怪じゃないよね?」

弁ちゃんは狐を撫でながら

「こやつは幸運を運んでくる狐じゃ!どうやら正吾のギターの音が好きなようじゃな」と説明した。

「そうなの?俺のファン第1号だな。九ちゃんよろしくね」

正吾は怖々狐の背を撫でた。

九ちゃんは気持ち良さそうに目を細めている。

「可愛いわねぇ。私にも触らせて!」

カリンが触ろうとすると九ちゃんはサッと物陰に隠れてしまった。

「ハハハどうやらカリンの事はお気に召さないようだな」

恵比寿がそう言うとカリンはほっぺたをプゥッと膨らませ。

「ええ〜?なんでよぅ」

と拗ねてしまった。

「さあさあそれより練習じゃ!カリンもしっかり腹筋を鍛えんとな。恵比寿、甘やかすなよ」

弁天は恵比寿をにらんだ。

「ハイハイわかってますよ!…ということだ。カリンしっかりな!」

「ハアーイ!」と返事しながらもカリンの目は可愛らしい九ちゃんに釘付けになっていた。



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