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弁ちゃん揚羽と対決する!

正吾は部屋のドアを閉めると早速揚羽を押し入れから出してきた。

「弁ちゃん、やっぱり夜は練習できないよ。母ちゃんには内緒な訳だし近所迷惑になるしね。今晩は揚羽とちゃんと話しあってみることにする。下手くそだからこそ練習したいのに揚羽が音を出してくれなきゃ練習にもならないからね」

弁天はうなずいた。

「そうじゃな。揚羽と仲良くなるのが先じゃった」

正吾は揚羽を立て掛けて正面に座った。

「揚羽、俺一生懸命練習してきっと一流のプレーヤーになってみせるよ。そのためならどんな事でもする!どうか俺に力を貸してくれないか?」

弁天は黙って成り行きを見守った。

「…私、弁天様に弾いてもらいたい。あなたじゃイヤよ!私からもお願いしたい。弁天様、私の持ち主になっては頂けませんか?あなた以上に私を弾きこなせる方は他にいません」

弁天はため息をついた。

「さてさて、困った事じゃのぅ。揚羽よ妾にはすでにこの雷電という相方がおるのじゃ。妾にとって雷電以上のギターはないと思っておる」

弁天は雷電を愛しげに見つめた。

「人間が作ったギターの分際で何を言うか。身の程しらずもいいとこだ!」

正吾は雷電の声を初めて聞いた。

「揚羽は雷電の演奏を聴いた事が無かったね。どうだろう?明日の放課後音楽室で雷電を弾いてみてくれない?」

正吾は弁天に頼みこんだ。

「そうじゃな。揚羽よまずは聴いてみるがよいぞ!さすれば納得がいくじゃろうて」

「揚羽、もし雷電が君よりいい音を出したらなら俺と組んでよ!俺、君となら弁ちゃん達を凌ぐ自信あるんだ」

正吾は一か八かの賭に出た。


「プププッあなたその自信は一体どこから湧いてくるの?」

揚羽は正吾のハッタリに思わずふきだした。

「でも…気に入ったわ。こんな生意気な子見たことない」

正吾はニンマリ笑い

「じゃあ約束だからね!もし君が雷電に負けたら君は俺に協力すること!」

「いいわよ。では明日を楽しみにしているわ」

正吾は押し入れに揚羽を戻して戸を閉めると、ニヤニヤしている弁天とハイタッチした。

「うまい事いったのぅ。しかし揚羽のプライドの高さにも驚いたわ!それから正吾、お前のハッタリにもな」

「ハッタリじゃないよ。本当にそんな気がするんだ。揚羽と組めば怖いものなんかない」弁天は嬉しそうにうなずいた。

「それほど惚れ込める相手に巡り会えて良かったのぅ。フフフ明日が楽しみじゃわい」

正吾はとりあえず揚羽をゲット出来て安心したのかその夜はぐっすりと眠る事が出来た。次の日の朝、正吾は息がつけず苦しくなって目が覚めた。

「やっと起きたのぅ全く手がやけるわい」


「弁ちゃん、俺を殺す気?窒息するかと思ったよ!」

弁天は正吾をにらみつけ

「何を言うか、妾の手を見よ、お前のヨダレと鼻水でベタベタじゃ!おお気持ちが悪い。早く支度して学校に行くぞい」


正吾は揚羽を持ち、そっと裏口から出ていった。

「お?あそこに貧乏神がおるぞ」

正吾達の少し前をクラスメートの篠原が歩いているのが見えた。

正吾は篠原のところに駆けて行った。

「オ〜イ篠原、おはよう!」


「おはよう!あれ、もしかしてそれが揚羽なのかい?じゃあ作戦は成功したんだね。おめでとう」

正吾は満面の笑みで

「ありがとう」と返した。

「テレビ観たよ!凄かったね。学校でもきっと騒ぎになってるよ。覚悟しといたほうがいいんじゃない?」

正吾はげんなりした顔で

「それは困る!だって実際あれは弁ちゃんと恵比寿くんで俺達じゃないんだ」といったが篠原は涼しい顔で

「バカだな。そんな言い訳通じないよ。もうこうなったら1日も早くホントの実力をつけるしかないね」

と厳しい意見をきかせてくれた。

「あ〜あ全くその通りだよ。ところで今日の放課後、弁天の持ってるギター雷電と揚羽の対決があるんだ。見にこない?」

「対決?一体何があったんだ?」

正吾は訳を話した。

「なるほどそれは面白そうだ。ぜひ拝聴させてもらうよ。じゃあ俺が審査員ってわけだね」

「そういうこと!」

「わかったよ。えこひいき無しでちゃんと審査するからね」

「うん。よろしく頼む!」


二人並んで校門をくぐっていくと、正吾の足は自然と遅くなっていった。

「おい町田!昨日テレビ出てただろ?」

「あ、ああ。」

「スゲェな!後で生演奏頼むよ」

クラスメート達が次々正吾に声をかけてくる。

弁天は正吾に

「お前はほんとにプレッシャーに弱い男じゃのぅ」と呆れ顔で話しかけた。

「俺、ホントに目立つの嫌いなんだよ。まったく気が重いったらないよ」


弁天はそれを聞き正吾の頭をパシンと叩いた

「イタッ!なんだよ弁ちゃん」

篠原の肩に座っている貧乏神がびっくりしている。

「情けない!この前の野外ライブを思いだせ。お前にはまず舞台度胸をつけねばならんな、それでなければプロにはなれん!まずは憑依状態でもかまわんからとにかく人前に出る練習をするぞ」

正吾嫌な予感で顔をしかめていると、正吾に代わって篠原が弁天にたずねた。

「それで一体どうするつもりなんだい?」

弁天はフフフと笑い、

「今日の対決を学校の生徒達に見せてやろうではないか」と言うではないか。二人はさすがに声を合わせ

「ええ〜っ!?」と絶叫した。

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