夜道は一人で歩かない!
ーーー12月25日、世間はクリスマスで賑わっている。
しかも今年は雪が降り、いわゆるホワイトクリスマスだ。
私の心はとてもそんな気分じゃない。何もかもどうしたらいいか分からない。もう生きる価値なんて私にはないと思う。
そんな気持ちで夜の田舎道を歩いている。
ーーこのまま消えてしまいたい、もうやだ。
テストの成績は一定で全く伸びない。合格ラインにも届かず、毎日うんざりだ。ずっと現実逃避を続けて考え込んでいると、だんだん考えているのが馬鹿馬鹿しくなり、落ち込んでいる気持ちはすぐに収まった。
「そうだ!明日からやり直せばいいんだ!うん!よし!!」
そう思い、家に戻ろうと踵を返そうとした…そのときーー
「ねぇ、君…」
踵を返して前を向いたとき、銀髪の少年が立って居た。背丈から小学校低学年ほどだろうか。赤い目を私のほうに向けている。
「?は、はい…えっと…どうしたのかな?迷子?」
問いただすが、少年は答えない。
「お姉さん、助けて」
少年は私のほうに一歩ずつ詰め寄ってきて、私の両手を握る。
「え?えっと…うん?」
少年が小さく口を動かす。
「$#"& -:¿*%」
すると、私と少年の周りに光が纏う。
「は?え…ちょっと…!」
少年のほうを見ると光の中で口を動かしている。
「巻き込んでごめんね。どうか無事で。そしてーーあの方を助けてーー」
「あの方?あの方って誰ーー??」