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僕と妖怪の日常  作者: タチバナ
7/14

僕の晩ごはん その1


家に帰ってきた。

いつの間にか夜の7時だ。

日も落ちて周りは暗くなっていた。


引っ越しだったり、不動産屋に行ったりしていて

忙しく、昼食もまともに食べていなかった。

かなりお腹が空いている。


「そういえば妖怪って何か食べたり飲んだりするの?」


「基本的には何も食べなくて大丈夫じゃ。

 だが儂は食べることは好きじゃ」


ということは僕と同じように普通に食べるっぽいな。

食費2倍かかるってこと?


「お金のことなら心配せんでも大丈夫じゃぞ。

 稼ごうと思えばいくらでも稼げるからな」


「どういうこと?」


「儂は座敷わらしじゃからな。

 宝くじでも買えば面白いように当たるぞ」


座敷わらしってすごいな。

株とかでも大儲けできそう。


「でもそういう稼ぎ方はあまりしたくないな」


「なんでじゃ。人間とは欲深い生き物だと思うが」


「わらしを利用してるみたいで嫌だし、

 あまりお金を持ちすぎてもろくなことにならないしね」


「お前さんは真面目じゃのう。

 じゃが食費分くらいは稼がせてもらうぞ。

 お前さんに悪いからな」


「うん、そうしようか」


食費については心配しなくてもよさそうだ。

今決めなければならないのは今日の晩ごはんはどうするかだ。

今日はもう色々あって疲れたのでコンビニのお弁当でもいいかなと思っている。


「わらしは何か食べたいものとかある?」


「まともに食べるのは久々じゃからのう。

 美味いものを食べたいな。」


美味いものかあ、最近のコンビニ弁当はおいしいけれど何か違う気がする。

そういえば近くにファミレスがあったはずだ。


「ファミレスでもいい?」


「ファミレスとはなんじゃ?」


わらしはファミレスを知らないらしい。

よく行くぞと言われたほうが驚くが。


「ファミリーレストランの略で、色々なメニューがあるよ。

 安くておいしいと思う。」


「そこに行こう!」


お気に召したらしい。

でも一つ気になることがある。


「わらしが食べた後ってその食べ物はどこに行くの?」


「もちろん儂のお腹の中じゃ」


「それって周りの人からどう見えるの?」


「突然食べ物が消えたように見えるじゃろうな」


「それって結構まずい気がする」


「かもしれんのう」


さすがにそれはまずい。

食べ物が突然消えるとかもはやホラーだ。

わらしは妖怪だからあながち間違ってもない気がするが。


そもそもわらしは他の人には見えないわけだから

お店に入ったときに「何名様ですか?」って聞かれたら何て答えればいいんだろう。



「行けないなら持ってきてもらおうか」


「持ってきてくれるのか?」


そう、そこのファミレスは宅配サービスもやっているのだ。

実際僕もほとんど使ったことはないが。


とりあえずスマホでメニューを調べた。

思ったよりメニューが豊富だ。


わらしと二人でメニューを見た。

わらしの目がきらきら光っている。


「全部頼んではいかんのか?」


それは本気で言っているのだろうか。



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