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僕と妖怪の日常  作者: タチバナ
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僕の同居人 その1

 

幼女がいた。


幼女が横になって寝ていた。気持ちよさそうに寝ていた。

その幼女は黒髪のロングで見た感じ小学校低学年くらいに見えた。


まず落ち着こう。状況を整理しよう。

新居での引っ越しを終え、こたつをしまうために部屋の押し入れを開けた。


幼女がいた。


意味がわからん。どうすればいいんだ。警察に連絡したほうがいいのか。

でも誘拐とかで逮捕されたらどうしよう。もしかしたら監禁罪になる?

まだこの家に住み始めて1時間しかたってないのに?


色々考えていると幼女は目を覚ました。


「・・・ん?」


「えーと、おはよう?」


とりあえずあいさつをしてみた。


「うむ、おはよう」


あいさつが返ってきた。意外とはっきりした口調だった。


「君はここで何をしてるの?」


「寝てたのじゃ」


「なんで?」


「いや、ここ儂の家じゃし」


えーと、色々とつっこみたいことがある。まず語尾が「のじゃ」だし一人称が「儂」。

「儂の家」って何?

僕の新居は?


「お前さんが爺さんが言ってた新しいこの部屋の住人じゃな。

 話は聞いておる。よろしく頼むぞ」


僕は何も聞いてないんだけど。あのおじいさんに騙された?

だからあんなに家賃安かったの?

とりあえずあとで文句言いに行こう。


「ところで君は?」


「儂は座敷わらしじゃ。この家というかこの部屋に憑りついておる。」




僕は妖怪がみえる。

小さい頃からずっとだ。

小学生の頃にはみえるせいで嘘つきと呼ばれた。

他の人にみえなくて僕だけがみえるということがよくわからなかった。

僕にみえているということは他の人も同じようにみえていると思っていた。


でもそうではないと気付いたときにはもう既に遅く、僕は周りから浮いていた。


僕は妖怪にはあまりいい感情を抱いていない。

妖怪の中には明らかに人間の形をしていないものもあれば、どうみても人間にしか見えないのもいる。

18年生きているが全く見分けがつかない。

普通に話していたら実は妖怪でしたということも少なくなかった。

周りの人は妖怪がみえていないので、僕は何もないところに話しかけている人に見える。


そしていつしか僕の周りからは人が遠ざかっていった。




「どうかしたか?」


「いや、うん、なんでもない」


「ちなみの儂は座敷わらしじゃから、この部屋に住んでいる者つまりお前さんには幸福が訪れるぞ」


「まじ?」


「まじじゃ」


はっきり言って妖怪と同居とかかなり嫌だったが、無害っぽいし幸福が訪れるらしいのでまあいいかな。

ここで何か文句を言ってもどうにもならないだろうし。


「とりあえずよろしく」


「よろしくなのじゃ」


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