朝と夫婦
【ジン=ヴォルス】???歳。ランプの魔人
最近の出来事
久しぶりに目覚めたらプロポーズされました。
「ピピピピッピピピピッ」
気持ちの良い睡眠を頭の上の目覚ましが妨害する。
「……ったく。……今…超絶良いところだったのに…」
なんか店の倉庫から出てきたランプから、すっごい好みの魔人が出てきて……
「ソイツを嫁にするって夢ですか?」
「あ、そーそー。そんで何でもしてくて…」
ん?今俺誰と喋ってんだ?
と言うか、俺の家に目覚ましなんてあったか……?
「ピピピピッピピピピッ。おはよーケンゴ。それとも旦那サマ?」
「…ふぇあッッ」
目を開けると、そこにはとてもとても美しくて、公平という謎の声を出してしまうぐらいの男が……
いや、キミ目覚ましも出来るのね。
「ま、魔人…………夢じゃなかった……」
朝一番にこんなの見たら完全に死んだのかと思うわ。
俺はすっかり覚めてしまった身体を起こし、彼を見る。
「マジン…………名前では読んでくれないんダァ。」
「ッッ!!」
【寝起きのおっさにに突然の精神攻撃!おっさん9999のダメージ!】
可愛すぎる、存在が罪。
そもそも、案外この設定というか状況にお互いノリノリになっているという現実が怖い。
人間と魔人って意外と適応能力高いんですね。
「あっ、早く歯磨きして来てねー」
リビングから良い匂いがする。
朝ご飯作ってくれたのか…
「やっば…………夫婦やん。」
「いや、夫婦ジャン。」
「あ、そうか、夫婦か。」
「それを懇願したのはアンタでショー?」
…………おお神よ。
かつてこんなに幸せに包まれた朝はあっただろうか。
窓の氷柱が、朝日を浴びてキラキラと輝く冬。
空咲健吾26歳は、この度結婚致しました。
続く
読んで頂きありがとうございます!
今回はちょっとした小話的なお話でした。
本当はもうちょい続くんですが、長すぎたんでここで切りました。