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始まりの終わり

魔「あのさ、」

空「ん?何?」

魔「僕がその、女の方なの?」

空「ん??逆にそれ以外あるの?」

魔「え?」

空「は?」

魔「な、何でもないですご主人サマ……」

振り向くと、そこにはちゃんと足の生えた魔人が居た。

あ、それ離脱可能なのね。

「それに、ご主人サマの願いをまだ叶えてないし。」

地に足が着いてみると、魔人は結構身長が高かった。

うっっわ。もうホント好み。こんなのがこの世に居てたまるか。

天使?女神?いや、魔人か。

「何だこのコスプレ野郎。」

「外人……?コイツちょっと強そうっすよ。」

魔人を見て怯む男達。

彼は結構ガタイが良くて、そこら辺のボクサーには楽勝で勝てる様な筋肉をしている。(うんエロい)

魔人は俺を自分の後ろに下げさせ、そして男達を見下ろした。

「さて。寝起きの運動にしては丁度良い。」

魔人はボキボキと、笑顔で骨を鳴らす。

やっちゃん達の表情がみるみる青ざめていく。

【ドンッ!】

魔人はそのまま凄い勢いで、会計台を叩く。

ヒッ、と誰かが息を飲んだ。

「さてと。先にやられたい奴は誰?」

氷のように冷たい声でそういうと、

彼はより一層素敵に微笑んだ。

ただ、目が笑っていないのは、言うまでもなく。

俺ですら震えそうになる程だから奴らは相当怖いだろう。

「き、今日は帰るぞ……」

「ちょっと!ま、待ってくださいよ!!」

半べそをかいた様な状態で、やっちゃん達は我先にと店を出て行った。

「た、助かったぁ。」

「昔の男はもうちょっと根性あったのに。」

あ、ゴリゴリにやる気だったんですね先輩。

その場にへたり込む俺に、魔人はしゃがみこんで手を差し出す。

「取り敢えず、アナタが死んでしまったら願いがどうの言えないので、これは願い事には入れないでおくねー。」

今度こそ素敵に微笑んだ魔人くん。

あっ、やっぱこの子天使や。

「あー、それと。」

俺が魔人に見惚れていると、彼は軽く咳払いをした後、

「その、本当にそれが願い事……って、言うんだったら…………別に、良い。ゲド……」

と、耳の先を赤らめながらそう言った。

やば、可愛い。

いや、今はそんなことどうでも良い

「本当に!?!」

「うわっ!……う、うん」

いきなり大声を出した俺に驚きながらも、彼は照れ臭そうにそう言った。

出会って初日で、嫁になってくれるなんて……しかもこんな美人と…

「ふふふふ幸せだなぁ……」

どうしよう頬が緩む。

というか普通は彼女から始めるべきだったのでは?(普通は友達からか)

「あ、そう言えば、キミの名前は?」

嫁なのにずっと魔人という訳にもいかず、

俺は彼の差し出した手を掴みながら名前を聞いた。

「僕の名前はジン=ヴォルス。ジンは、俺達ランプの魔人全員の総称みたいなもの。」

店の外から差し込んだ夕日がキラキラと彼のピアスに反射している。

俺の手を包み込む大きな手は、千夜一夜の夢なんかじゃ無い筈だ。

「そっか。じゃあヴォルス。今日から、末永く宜しく。」

結構、ぶっ飛んだやり方だとは自分でも思うけど、惚れたんだから仕方無い。

「う、うん。その、不束者ですが、ドウゾ宜しくお願いします……?」

慣れない言葉を交わし、

こうして俺達の素っ頓狂で頓珍漢な新婚生活が幕を開けたのだった。


続く


読んでくださりありがとうございました!

これで一応プロローグ的なのは終了です。

第2弾?第2章?お楽しみに!(してる人なんているのか?)

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