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第一話「凡人」

学園都市ラウラはこの世界唯一の教育機関である。


昔、ラウラは問うた。なぜこの世界はこんなにも効率的でない。


有能な者は才能に気づかず、無能な者が驕る。出る杭は打たれるこの世界は、

どうして生まれてしまったのか。



ラウラは有能な者が作る、効率的で素晴らしい世界を作ろうと考えた。

その為には、有能な者と無能な者を分け、有能なものが世界を作る。

そんな学校を作ろう。


ラウラは学校同士の意味もない名誉争いに勤しむ学び舎を排除し、


大陸一つを丸々学校にした。


これが「世界は学力によってのみ救われる」を校訓として掲げる、

学力至上主義の学園。世界に一つの教育機関。




学園都市ラウラである。





緑豊かな大地に設置された学び舎には麗らかな春の風が吹いている。鳥は木の上で慌ただしく鳴いている。大陸丸ごとが校舎と敷地だというその学び舎は意外にも至って普通である。中等区。4つの区に分類されるこの大陸では一番面積の広い、人口の多い区である。街にはアパートやショッピングモールが立ち並び、ごく普通の学生がごく普通の学園生活を送っている。


ラウラには初等区、中等区、高等区、特別学区が存在し、初等部の人間なら初等区にしか入れない。その仕分け方はやはり学力で、年は関係なく、中等区に5才の子どもがいることもある。


須藤恵スドウメグミ。16才。中等部。成績は中の上。容姿普通。体形普通。

1Kに住んでるごく普通の学生。



ラウラは全寮制。その寮の部屋の質は成績によって決まる。成績の悪い生徒は狭いワンルーム。成績の良い者は遥遠くに聳え立つラウラ一の高級高層マンションに住めるという。


その高級高層マンションは一般ピーポーの私には縁遠い話で、誰が住んでるのかも知らないし、もはや存在しているかも怪しい噂話である。

そんな噂話は置いといて今日は始業式。学年末テストの結果が張り出され、結果によってクラス分けされる。どうせ前と変わらないのだから行く必要はないのではと思いつつ制服に手をかけた。この制服とは卒業まで別れることは無さそうだ。制服も成績によって変化し、色や柄、形は何種類あるか分からない。制服を着ていると大体の学力が大衆に晒されるわけで、それによっていじめや差別なども往々にしてある。学力至上主義のラウラではそれが普通なのだ。成績は人権なり。



さて、この学園で最も重要な成績を見に行きますか。












「めぐ!いつの間に頭良くなったの!?」


新見明日花。同い年。成績は下の下なのだが体育の成績が良い事と私が勉強を教える事で彼女はなんとか中等部に在籍している。活発でいつも杏子色のポニーテールを揺らしている。



「私が明日花より成績良いのはいつものことでしょ?」

「違うんだって!!ほら、掲示板見て!!」


自分の成績など大体変わらない。見る必要性も感じないが、言われた通り掲示板を見ると






ラウラ学園中等部 クラス分けテスト順位


1位、、、須藤めぐみ 1000点

2位、、、○○○○○ 976点

3位、、、○○○○○ 952点






、、、、、は?



「ね?すごいよ!」


明日花ははしゃいでいる。私はなにも考えられず呆けていた。

「「「順位の確認が済んだ生徒は速やかに自分の教室に行くように。


   そして1位から5位の生徒は校長室へ。」」」

校内アナウンスが流れてから5秒ほど経って我に返った。


「と、とりあえず校長室行ってくるわ。」


「うん!いってらっしゃい!また話聞かせてね!」


校長室に行って何かの間違いだと弁解しなければ。そう思いながら校長室の扉を開けた。





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