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「友達……私にもお友達がほしい……。」
女の子は強く願った。そう、強く。
“どんな……ともだちがいい?”
声が聞こえた。女の子よりも少し年上のような。少年のような、少女のような声。
「誰?」
“誰だっていいじゃないか”
「だれだっていい……。」
“うん。誰だっていいんだ。僕は何にだって。誰にだってなれるんだから。ほら、君が欲しいのはどんな友達?”
「どんな……」
“想像してみて”
「うーん。」
女の子は、とっさにいつも描いているネコのキャラクターを思い描いた。
“うん。これでいいのかい?”
すると、声だけが聞こえていた真っ暗な視界が晴れ。そこから女の子が思っていた通りのネコのキャラクターが現れた。
「あ……。」
「こんにちは。僕が、君の友達だよ。」
「友達……?」
「そう、友達。よろしくね。」
「私の……友達。」
ネコは微笑むと、握手をせがむように右手をのばした。女の子はそれに答えるように手をのばそうとしたが、気持ちとは裏腹に意識はどんどんと猫から遠ざかってゆく。
のばしても、のばしても、女の子の手はネコの手に届くことはなかった。
「待って、待ってネコさん!」
「大丈夫。僕はいつでも君の傍にいるから。僕は君の友達だよ。」




