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第十一話 地上へ顕現

ようやく地上です。

エレー様は、この世界の最高神なので、直接的に神託するというのは、少々問題があるので光の大精霊の光華さんが、神託するのだそうだ。


地上の様子を見るために、神界”万年青”の会議用机の前にモニターっぽいものが、映し出される。

光の大神殿の拝殿が映し出された。

神官と聖女と巫女なのか、白い衣装を身に着けた者たちが、祭壇に向かって、跪き手を合わせている。


光華 「それでは、神託します。」


光華 『光の信徒たちよ。心して聞くがよい。我は、光の大精霊なり。この世界に新たな神が発現した。この神は、異世界日本より遣われし神なり。我らが世界に新たな光をもたらす神である。新たな神に我らが世界を知ってもらうため、我は、新たな神と地上へ顕現する。祭壇の前を開けよ。』


聖女たちが、祭壇の前を開けるように移動し、膝をついて、祭壇を見つめている。


光華 「太郎様行きましょう。」


根田 「わかりました。エレー様、皆さん、それでは、行ってまいります。」


エレー 「良い旅を。地上に行ってからは、打ち合わせしたようにしておきます。万年青に連絡はいつでもできますので、不都合があれば連絡を。では、光華頼みます。」


神々 「行ってらっしゃい!」


黒宮 「魔族領に早めに来てくださいね。待ってますよ!」


根田 「はは。焦らせないでくださいよ。では、行きます。」


光華さんと一緒に地上へ顕現した。

なかなかに派手な登場になった。ピカーっと光ったゲートから、光華さんが先導して、自分が登場するという、何とも神々しい顕現になった。

いい性格(・・・・)の自分は、目立つのが嫌いなので、渋い顔の登場になった。


地上の方々は、神族が顕現したことで、感動で涙ぐんでいる者もいるし、何ともいえない気分だ。

ん?光華さんは、敬われているようだが、自分を見る目が、微妙な感じがするぞ。

光華さんが、聖女らしき少女(16歳ぐらいかな?)に、語り掛けた。


光華 「光の信徒よ、出迎えご苦労。こちらが、異世界日本より参られた神、『根田太郎』様です。失礼のないように。」


少女 「根田太郎様、この世界に発現されたこと、お慶び申し上げます。新たな神を迎えることができ、我ら一同感激の極みにございます。申し遅れました。私は、光の聖女”ベラ・アロエ”と申します。聖光国へ、ようこそ御出でくださいました。」


根田 「根田太郎です。神と言っても畏まらずに結構です。異世界日本より参りました。この世界を理解するため、地上に見聞を広めに来ました。協力をお願いしたいのですが、よろしいですか?」


ベラ 「もちろんでございます!聖光国の威信にかけて!」


光華 「聖女よ、汝らの熱心な信心、いつも神界より見守っておりますよ。太郎様の地上での行動をサポートするための打ち合わせを行いたいのですが、部屋を用意できますか?」


ベラ 「すぐに用意させます!神官、部屋の用意を!それと民たちには、お二方の行動の邪魔になりますので情報統制を。お二方が顕現されたことは、他言無用です!打ち合わせには、私と巫女、大神官が参加で、よろしいでしょうか?」


光華 「それで構いません。万年青にいるときの姿では、目立ちますね。少女の姿と神官服になりましょう。」


光華さんが、一瞬光に包まれると15歳ぐらいの少女の姿になった。服装は、ゲームの僧侶が着ているような白い神官服に帽子を被っている格好だ。

ちなみに、自分の格好だが、黄色人種の顔のっぺり族が紺色の作業服上下、帆前掛け、ゴム長靴という納屋でゲテモノの実食作業時の基本装備だ。

小太りの中年ボディは、改善してくれなかった。

エレー様、神様パウァー使ってイケメンになってもいいですか?と思ったら、「ダメです。」と頭に神託で連絡きた。まあ、目立つの不味いからね。仕方ないね。性欲もないし問題ないね。

『おっさんキモイ。』とか言われるのが運命なんだよね。わかってるよ。

そんなことを考えていたんだが、ふと見ると腕のない神官や足が義足の神官がいる。

回復魔法で肉体の欠損は治らないのかな?と思ったところで、魔力制御を常時するより、魔力発散を吸収する魔道具を創ることになっていたことを思い出す。

万病を治す回復薬というとエリクサーかな?と思ったけど寿命を延ばすのは、良くないので、劣化版の物を生成する魔道具を部屋の準備ができるまでに創ろうと思いイメージした。


出来たのは、瓢箪の魔道具『神仙水 並』で、これは「魔力吸収」「回復・再生薬合成」「無限収納」「小分け機能」他色々な概念を込めた俺専用魔道具だ。


聖女ベラさんが、指示を出している隣で、巫女さんと思われる13歳ぐらいの少女たちが、俺が魔道具を創生するのを見つめていた。

魔道具の試験も兼ねて、回復・再生薬「神仙水 並」を合成することにした。

小分け2個分(120mlを2個)合成し、巫女さんの一人に声をかけた。


根田 「すみません。これをあそこの肉体に欠損がある神官殿に使ってください。世話になる挨拶代わりです。」


巫女 「え。これは一体?あ、神様に失礼を。」


平伏しようとしたのを慌てて止める。


根田 「ああ、畏まらないでください。目立つと旅をしにくくなりますから。それは、『神仙水 並』です。わかりやすく言うとエリクサーみたいなものです。万病を治し、欠損を再生させるように効果を持たせました。ただ、自分は異世界から来てますから、こちらの世界の方に効果があるように作れたか確認したいのです。」


一応、鑑定はしているので、問題は無い筈。あ、あとでスキルの確認もしないといけないな。


巫女 「わかりました。神様のご慈悲、有難く頂戴いたします。」


小分けの瓢箪を2つ手渡し、肉体欠損がある神官の様子を見守った。

神官は驚いた顔をしていたが、2人とも頭を下げて、飲み干した。

一瞬光に包まれたが、元に戻った時には、手足は再生していた。

巫女と神官2人が俺の前まで来て跪き感謝を述べた。


巫女・神官 「ありがとうございます。新たなる神、根田太郎様。」


根田 「体に問題は、ありませんか?」


神官 「問題ありません。体中に力が湧いてくるようです!」


根田 「それは、良かった。しかし、奇跡を当てにして生活しては、いけませんよ。自身を自然の一部と考え節制をし生きるようにしてください。無理や無茶をすることで悲しむものもいるでしょう。生きることは、辛く苦しいことも多いでしょう。強く生きてください。笑顔で辛さを笑い飛ばせるように。」


ここまで言ったところで、何故か服装が着物と袴に変化したと思ったら、太神楽の傘回しを披露して、


「肉体再生おめでとうございます!いつもより余計に回してます。」


のセリフを言ってしまった。

何だこりゃ?俺こんな芸出来ないはずなのに。

早めにスキルを確認した方が良いな。


巫女・神官 「根田太郎様、ありがとうございます。元気が出ました。」


巫女さんたちが、笑顔で喜んでいる。

神様的威厳のある場面のはずが、ほんわかしてしまった。

まあ、いいか。


OP(オイシーポイント)を5,000ポイント獲得しました。』


謎のポイントを獲得したようだ。

そんなことをしていると部屋の用意ができたようだ。


ベラ 「部屋の用意ができました。ご案内いたします。」


さて、地上で最初のイベントだな。

ん?さっきの治療が最初のイベントになるのか?

気にせず、打ち合わせに行くとしよう。

台風のせいで、色々後始末が立て込んでいまして、時間が取れません。

話のストックも無いので、不定期更新になります。

更新できるよう頑張りますので、見捨てないでください。

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