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プロローグ
「ねえ、君。僕のメイドになってよ。」
食堂で本を読んでいた私に声をかけてきたのは、とても高そうな服に身を包み、真っ白な肌、ちょっと癖のある赤髪の同じくらいの年の子だった。線が細く男の子か女の子かわからない。人懐っこい笑みを浮かべてこちらを見ている。
黙って見上げる私にもう一度その子は言った。
「僕のメイドになってくれないかな。」
その細く白い手をこちらに差し伸べ、私に掴むように促してくる。
私はその手を・・・。
それは私の運命が劇的に変わった日。平凡ではなかったかもしれないが平穏であった日々が一変した日。今の私にはその選択が正しかったのかまだわからない。
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