眠りから覚めて
「ダークエルフの方の配置は完了し、三交代で監視の方を続けております」
「ああ……そうかもう二日も経ってるから……」
僕は再度ベッドに体を預けた。随分早くて流石慣れてるなと思ったけど、二日も寝てたことを思い出し自分に対して少し焦燥感を抱いてしまう。二日あれば色々出来たのに……。
「お気になさらず。侯爵が陣頭指揮を執っておられます。大分はりきってらっしゃいますから」
「あ、ありがとうございます。全く情けないですね二日も……」
「いえ、体のケアは大事です。そしてこの先更に大変になるのですから、今倒れて改めて自らを省みるそして改善する事が何より大事と考えます」
アステスさんの言葉に頷き天井を見つめる。今更倒れた事についてイライラしても始まらない。寧ろそこを挽回する為にどうすればいいのか、そこを考えないと。
「そうだね。忙しい時にでも鍛錬を少しでも隙間で入れて鍛え続けよう。取り敢えず何をしようかな」
「先ずは着替えられて朝食を取られては如何かと」
僕は体を起こしてベッドから出て着替える。アステスさんも大人しく寝ている事の方が体に悪いと思ってくれたのか、促すように言ってくれた。
そのまま食堂まで行き朝食を取っている。サラダに水にパンと目玉焼き。こうして普通に食べていたけど、ここまで出来るのに凄く労力が掛かっている。農作物を育てるのと収穫が上手く行かなければ一品一品減って行く事になるだろう。
「辛気臭い顔しちゃって」
小さい窓からシルフが入ってきて僕の目玉焼きの横に座った。わざと箸でどかすと、その手をパンチしてきた。
「シルフ助かったよ。ありがとう」
「当然の事をしたまでよ。私って頼りになるでしょ?」
「勿論。これからも頼りにしてるよ」
暫くやり取りして治まった後お礼を告げると、腰に手を当てて澄まし顔でウインクしてきた。
「そう言えばエルフは」
「さぁね。私は興味ないわ」
「エルフはあの後内情が荒れているようでして」
アステスさんの顔が曇ったのを見て、良くない感じなんだろうと察した。恐らく爺やさんが暴走したんだろうな。
「他はどうかな」
「あの族長が来たわよ」
「ジンガさんが?」
「そう。何でか知らないけど康紀が倒れているのを察して帰って行ったわ」
「そうか……今度また顔を出さないとね。他は?」
「原住民と思われる者たちが来ましたが、お帰り願いました」
一応どんな理由か聞こうとしたけど、アステスさんが敢えて言わないという事は中々酷かったに違いない。まぁ奇襲を掛けて来る位だから仕方ない事なのかもしれない。
「となると中々右方面を抑えるには苦労しそうだね」
「はい。我々の後方は我々が居を構えた関係で部族はおりませんが、ゴブリンのような者たちがいる可能性は捨てきれません」
「そっか。ならそっちも手を付けないといけないね。ダンジョンとかがあったら一時閉鎖しておければ良いんだけど」
「私たちで出来る事があると思われます。ですが全ては難しいですから潰す必要があるかもしれません」
「出来れば冒険者とかを使って潰せると良いんだけどね。グラディウス王国より北でもダンジョンとかまだ多いのかな」
「康紀様の種族で言えば人間ですが、大陸全てにおいて人間の割合は多くありません」
「そうなんだ……という事は目に見えて多い種族以外にも色々いるって事か。そしてそれがダンジョンという穴倉を住処にしている可能性がある、ボブゴブリンたちのように」
そうそこで他から流れてきたリザード族と小競り合いになり追い出された。正直わだかまりはあるだろう。何とか後々にそういった部分を解消していければと思う。
親分ともそこは話さないといけない。僕の失態でジャンさんにお願いしている事が多いし。




