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森の会談

「エルフがよく加わる事に同意したものだな」

「色々とあったのさぁ。どうしても参加したいと向こうが言って来てねぇ。近く会談をする事になっている」


 侯爵は含みがあるように言った。そういえばシルフが今居ない。


「シルフの悪戯で」

「……なるほどな。悪戯好きのあの者たちに康紀が好かれたと言う事か。エルフはユグドラシルの木だけでなく、風の精霊にも弱い」


「そうなんですか?」

「今でこそそうでもないが、昔は友好関係にあった。エルフと言うのは知っての通り隔離された空間で時を過ごしている。そんなエルフを風の精霊たちは助けていた」


 僕は初耳で驚いた。シルフとエルフたちの会話にそんな感じを受けなかった。


「だがエルフは長い年月を過ごせば過ごすほど自尊心が高くなり、他の存在を見下すようになった。そしていつしか留まる事を良しとして成長を止めてしまい、長く生きる事のみに目を向けるようになってしまった」

「例えば不老不死とか、ね」


 その言葉にノルンさんは吐き捨てるように笑う。


「私たちも元々はエルフ。だが何事にも終わりは来るものであるし、子孫繁栄を願い育み大地と共に生きる事で更なる成長をする事が出来る。それこそが生だと思い里から出てきたのだ」

「私たちの肌は元々あまり強くなくてね。陽の光に直接あたると焼け易いのよ。最近クリームとかである程度抑えられるけど、前は酷くて焼け爛れた人も居たわ」


 その話を聞いてエルフと変わりない細さなのに、心の逞しさを感じた。

この大地で生きていくのに大変だったけど今や各地にダークエルフの人材や

由来の物があるなど、種子は未来を目指して飛んでいる。


「……この世界の神は別に差別を無くそうとか平和をとか考えてはいない。思想を実現する為に何かが起こり始めているのかもしれない」

「神様の思惑ですか?」


 ノルンさんと侯爵は見つめ合い咳払いを同時にした。何か不味い事を聞いたかな。


「兎に角、エルフには気を付けた方が良い。彼らは攻める事には長けていても攻められると意固地になる。上手く宥めて賺してその真意を探るが良い」

「協力したいと言うのは嘘だ、と?」


「嘘とは言わないが、何か企んでいるのは間違いない。あの一族が素直に人のいう事に従うはずもない。そんなに簡単に行くなら誰も苦労はしなかったさ」

「……まぁそりゃ君たちの間の事も関係しているから聞かなかったって言うのもあるだろうねぇ。ただ一理あるのは間違いない。ジャンくんも急な出張で居ない。ここは会談の場所を変えよう」


 僕は頷く。その間に勿論解決すれば問題無いけど、それは難しいだろうと思う。


「中々込み入った状況のようだな」


 今まで発言者の姿を見ながら静かに聞いていたシェンリュさんがそう言葉を発した。


「そうだねぇ元々ここで連合を作るって事自体前は無理だった訳だし」

「我々以外に後どれだけいるのかな」


「簡単に言えば後二つかな。それ以外は少数集団だ。周りの様子が変われば自ずから合流をして来ると思っているよ」

「侯爵はその渡りが付いていると見たが」


 侯爵はそれに静かに微笑んで答える。領主みたいなものと言っていたから、

侯爵にはこういった時の備えとして各種族部族と交流はあったんだろうなぁと思った。


「恐らく我々以外にクセの強いのが続くんだろうな……」

「そうだねぇ。是非とも君たちリザード族の力も借りたいところなんだそれに関しては。生憎と我々だけでは出来る事は限られていてねぇ。これから交渉しようと思っているのはその丁度出来ない事がメインの連中でね」


 シェンリュさんは微笑む。リザード族は戦闘がメインの種族だ。

その力を借りて交渉する種族ってどこだろ。


「先ずエルフとの会談が終わったらすぐにそこと交渉。その次にその種族の力も借りて最後の種族との交渉に当たる」

「何にしても国に攻め込まれない事を祈るしかないな。攻め込まれたらそういった事は置いておいて、我々の部分だけを護れるよう防衛する他あるまい」

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